再結成第一弾『START FROM THE DARK』で新たなるスタートを切った2005年のEUROPE。「もう1つのLIVE FROM THE DARK」とも言うべきプロショット作品が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2005年3月19日サンクトペテルブルク公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。冒頭でいきなり公式映像『LIVE FROM THE DARK』の名前を出してしまいましたが、もちろん本作は別公演。その辺の状況を把握するためにも、まずは再結成が始まった当時のスケジュールから振り返ってみましょう。2004年・6月11日+12日:欧州#1(2公演)・7月2日ー8月22日:欧州#2(12公演)・9月15日:ヘルシンキ公演《9月22日『START FROM THE DARK』発売》・10月16日ー11月15日:欧州#3(22公演)←※公式LIVE FROM THE DARK 2005年・1月7日ー16日:日本(7公演)・3月8日ー21日:欧州#4(9公演)←★ココ★・4月22日ー5月8日:北米(13公演)・5月12日ー7月1日:欧州#5(10公演)・7月23日ー8月20日:欧州#6(4公演)《11月18日『LIVE FROM THE DARK』発売》これが2004年/2005年のEUROPE。公式映像『LIVE FROM THE DARK』は2004年最終日のロンドン(ハマースミス・アポロ)で撮影されたのに対し、本作は彼ら初のロシア公演でもあった「欧州#4」の8公演目でした。そんなステージを伝える本作は、極上ながらも『LIVE FROM THE DARK』とは雰囲気の異なる独特なプロショット。その要因はロック発展途上国だったロシアという土地柄でしょう。現地のTV放送なのですが、ステージのライティングやカメラワークがぎこちなく、いかにも2005年ば『LIVE FROM THE DARK』と比べるとやや時代の遅れた90年代っぽく感じられる。ではショボい映像か?というとさにあらず。共産圏の盟主の維持なのか、センスは時代遅れでも機材や画質・音質や映像クオリティ自体はしっかりと2005年ですし、ベスト・マスターによる映像美は間違いなく極上。キリル文字や「23:09:52」「-4.2℃」といったテロップ(恐らく当時の時刻や気温でしょう)が入る異文化感も面白いのです。そして何よりライヴそのものが圧倒的に素晴らしい。ここでセットを整理しておきましょう。スタート・フロム・ザ・ダーク(6曲)・Got To Have Faith/America/Hero/Wake Up Call/Start From The Dark/Flames クラシックス(12曲)・ファイナル・カウントダウン:Carrie/Rock The Night/Cherokee/The Final Countdown・アウト・オブ・ディス・ワールド:Ready Or Not/Superstitious/Let The Good Times Rock/Sign Of The Times・その他:Wings Of Tomorrow/Girl From Lebanon/Yesterday's News/Seven Doors Hotel ……と、このようになっています。「Hero」の前にジョーイ・テンペストがロシア民謡「Kalinka」を爪弾きますが、それ以外は『LIVE FROM THE DARK』と同じセレクト。当時の最新作『START FROM THE DARK』ナンバーを軸に据え、このツアーだけの限定曲「America」も披露してくれます。そして、そんなセットを綴るパフォーマンスが実にイイ。再結成して間もない勢いが素晴らしく、事前に欧州/日本を巡っているだけにアンサンブルもカンも取り戻している。そこに初めてのロシアに挑みかかるようなテンションも上乗せ。最初は客もバンドも緊張しつつ、グイグイと調子を上げていくのが手を取るように分かる。かつて初めてのアジア人を前にしたDEEP PURPLEが本来以上の力量を発揮して『MADE IN JAPAN』を生み出した故事を思い起こさせる熱演が繰り広げられるのです。まさに「ロシア版LIVE FROM THE DARK」。そして、復活来日の想い出もリアルに蘇るマルチカメラ・プロショットです。単に絶好調のフルショウが楽しめるだけでなく、ロシア放送の異国情緒まで面白い映像傑作。「2005年3月19日サンクトペテルブルク公演」のマルチカメラ・プロショット。画質・音質は(当時の)オフィシャル級ながら照明やカメラワークのセンスがイモ臭く、キリル文字の気温テロップといったロシアの異国情緒も面白い。ただし、ライヴ内容は燃え上がる大熱演で、再結成直後かつ初ロシアに臨むハイテンションが圧倒的。まさに「ロシア版LIVE FROM THE DARK」となる1枚です。SK Yubileyny, Saint Petersburg, Russia 19th March 2005 PRO-SHOT (97:37) 1. Intro 2. Got To Have Faith 3. Ready Or Not 4. Superstitious 5. America 6. Wings Of Tomorrow 7. Let The Good Times Rock 8. Kalinka / Hero 9. Wake Up Call 10. Keyboard Solo 11. Sign Of The Times 12. Band Introduction 13. Guitar Solo 14. Girl From Lebanon 15. Start From The Dark 16. Carrie 17. Flames 18. Yesterday's News 19. Rock The Night 20. Seven Doors Hotel 21. Cherokee 22. The Final Countdown Joey Tempest - lead vocals John Norum - guitars, backing vocals John Leven - bass, backing vocals Mic Michaeli - keyboards, piano, backing vocals, Ian Haugland - drums, percussion, backing vocals PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.98min.