大好評を博している大傑作ドキュメンタリー・シリーズ“SONG TO SOUL”。そのDEEP PURPLE篇が2作同時にリリース決定。本作は、その第二弾「Highway Star」です。メンバー5人全員が登場する傑作回 本稿に目を留められた方ならもうご存知とは思いますが、このシリーズは、近年まで放送されていた伝説的な深夜番組。普通、音楽系ドキュメンタリーはバンド/ミュージシャンの長い歴史を追うのが一般的ですが、この番組のテーマは「1曲」に絞り込んでいる。この番組でDEEP PURPLEが取り上げられたのは「Smoke On The Water」と「Highway Star」の2回で、本作は後者をDVD化したものなのです。そして、この番組のもう1つの特徴なのが「独自インタビュー」。日本の洋楽番組はBBCやMTVなどの海外番組を翻訳するのがメインなのですが、この番組は日本の独自製作。海外ロケも敢行し、他では聴けないインタビューも楽しめるのです。回によってはメンバーのコメントがない事もあるのですが、本作はしっかりフィーチュアされている。残念ながらリッチー・ブラックモアや番組の制作当時に故人だったジョン・ロードは流用映像なものの、イアン・ギラン/ロジャー・グローヴァー/イアン・ペイスの新規インタビューを交え、5人全員が「Highway Star」を語るのです。名曲誕生の現場となった伝説のツアーバス 番組はドキュメンタリーの正道としてバンドのバイオグラフィーからスタート。同時リリースの「Smoke On The Water」篇よりもしっかりと練り込まれており、時間的にはコンパクトながらROUNDABOUTやEPISODE SIXまで登場し、個性の確立やハードロック化への歩みを詳しく、分かりやすくまとめています。そして、メインとなるのは「Highway Star」誕生のエピソード。きっかけは、コンサートのために移動するバスの中で記者から「どうやって作曲するの?」と質問されたこと。「こうやるのさ」と言わんばかりにリッチーがあのリズムを刻み出し、ロジャーがスキャット・ベースで付いていき、ギランが窓の外を流れる景色を見ながらハイウェイについて歌い出す……。その状況をメンバー各人がそれぞれの視点で語るわけですが、それがリアルで多彩。バスはどこへ向かっていたのか、質問した記者リチャード・グリーンとは何者だったのか、作曲した当日にライヴ演奏した逸話は本当なのか等々(ちなみにバスの行き先はポーツマス公演。1971年9月13日だと思われます)。メンバーだけでなく、音楽ジャーナリストのクリス・チャールズワースも登場。「素人に曲づくりを実演してみせながらつくられた曲というのは極めて画珍しくこんな例は他にないでしょう」と語っています。さらに話は録音段階へ。カジノ火事の件も出てきますが、それは「Smoke On The Water」篇で詳しくやっているのでわりとあっさり。ここでのメインは歴史的なギター/キーボード・ソロで、ジョンがバッハ風のシークエンスからあのソロへと発展していく様子をキーボードで実演してくれます。激しいロックンロールにクラシックのエッセンスを注入し、まったく新たな「ハードロック」の雛形となった「Highway Star」。その誕生となったツアーバスや伝説ソロの成り立ちをじっくりと教えてくれる日本制作の大傑作ドキュメンタリーです。見応えでは語り尽くされた感の強い「Smoke On The Water」篇も上回る大推薦の1枚。日本独自ドキュメンタリー・シリーズのパープル編がリリース。メンバー5人が全員登場する傑作回で、誕生の現場となったバスやソロの成り立ちも詳しく語られる。「Smoke On The Water」篇を超える見応えの大推薦盤です。Featuring exclusive interviews with Ian Gillan, Roger Glover, Jon Lord(RIP) & Ian Paice Chris Charlesworth (journalist), Ian Hansford (roadie) 1. Programme Intro 2. Segment 1 3. Segment 2 4. Segment 3 5. Segment 4 6. Segment 5 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.46min.