バッドフィンガーにこんな素晴らしい映像ドキュメンタリーがリリースされていたことすら忘れ去られてしまった感のある『A RIVETING AND EMOTIONALLY GRIPPING SAGA』。今や懐かしのVHSやレーザーディスクといったフォーマットで1997年にリリースされた際には世界中のマニアが狂喜したものでした。何しろバッドフィンガーはLPの時代からアルバムが軒並み廃盤かつCD化が遅れたこともあり、そのバブルは凄まじいものがあった。彼らの各アルバムが晴れてCD化された後もバッドフィンガーの映像となると絶望的な状況が延々と続いたのです。ましてやアップル時代の彼らを捉えた映像となるといよいよ厳しく、VHSブートの時代にはマニアが欠片のような映像をかき集めて見ていたものでした。ところがこの『A RIVETING AND EMOTIONALLY GRIPPING SAGA』ときたら、栄光のアップル時代の彼らの姿をふんだんに収めてくれていたものだからさあ大変。中でも「No Matter What」や「Baby Blue」といった大ヒット曲に関してはテレビ出演にありがちな演奏こそカラオケながら歌はしっかり生で収録されていたバージョンを収録。また「Day After Day」や前身バンドアイヴィーズ時代の「Maybe Tomorrow」に関しては当時作られたMVの映像にて収録。特に後者の映像にて動くアイヴィーズまで鮮明な画質にて見られたことは本当に驚きだったものです。果ては純生ライブ収録の「Suitcase」演奏シーンまで見られるときたのですが、これがまたここ数年ロックファンの間では話題なアメリカの音楽番組『MIDNIGHT SPECIAL』での演奏シーンでもあったという。こうした映像の数々が見られた一方、当時存命していた人物によってバンドの歴史が語られているのも貴重。というのも、この映像に登場する関係者の中で今や存命しているのはジョーイ・モーランドただ一人。ドラマーのマイク・ギビンズやジョーイの妻キャシーといった人物も鬼籍の人となって久しく、結果として今なお価値の色褪せないドキュメンタリーとなってしまったのです。特にギビンズはピート・ハムと同じく非業の死を遂げてしまったトム・エヴァンスのことを意外なほど辛辣に語っており、意外なバンド内の実情を明かしてくれると同時にこれまた今となっては貴重な証言となってしまいました。にもかかわらず現在は廃盤となって久しく、おまけにYouTube上などでも見られない。おかげで現在はその存在すら忘れ去られつつある貴重なバッドフィンガーのドキュメンタリーでもある。一応DVD創世記の1999年に海外ではDVDバージョンもリリースされていたのですが、当然そこには字幕がない。そこは日本リリース版に頼るしかない訳ですが、これまたVHSとレーザーのどちらも廃盤になって久しい。そこで今回は画質に秀でた国内LDバージョンからダイレクトにDVD化。現在の目で見ても十分に鮮明な画質であり、現在のようなデジタル修復が登場する前のリリースですので、むしろこちらのほうが自然な画質にも映る。今でこそYouTube上でバッドフィンガーのレア映像の数々が見られるようになっていますが、それでもなお価値が色褪せない名作中の名作を最高画質かつ字幕付きにてリリース。彼らの絶頂期ライブ映像に関しては大ベストセラーと化した『SET OF SIX: GRANADA TV MASTER 1972』を見ていただくとして、グループの歴史を綴った映像に関しては今なおこれが決定版。マニアにとって懐かしさいっぱいのドキュメンタリーが遂に復刻!Taken from the original Japanese Laser Disc(VPLR-70694)★字幕入り。そして綺麗 1. Intro 2. Come And Get It 3. Carry On Til' Tomorrow (Episode) 4. Maybe Tomorrow 5. Interview 6. Come And Get It 7. Interview 8. No Matter What 9. Without You (Episode) 10. I Don't Mind (Episode) 11. Day After Day 12. Interview 13. Baby Blue 14. Apple Of My Eye 15. Money (Episode) 16. Suitcase 17. Interview 18. Name Of The Game 19. Ending / Take It All Pete Ham - vocals, lead guitar, keyboards Tom Evans - vocals, bass, acoustic guitar Mike Gibbins - vocals, drums, percussion, keyboards Joey Molland - vocals, guitar, keyboards PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.58min.