ロンドン・ハイドパーク公演で、ライブ・ツアーにピリオドを打ったブラック・サバス。昨年、オジー・オズボーンを擁する編成では初めてとなった来日公演を行い往年のファンを大いに感動させてくれたのも未だ記憶に新しいところです。この来日以前、トニー・アイオミは2007年にもロニー・ジェイムズ・ディオと共に来日していますが、この時は厳密にはサバスではなく"HEAVEN & HELL"としてのツアー。アイオミがサバスとして前回来日したのは1995年。実に18年前の出来事でした。この時は'90年代の功労者トニー・マーティンをフロントに据えた時代。その最後である「FORBIDDEN」のプロモーションでした。本作「FORBIDDEN RULES」では、その1995年来日より、初演となった11月19日の東京・渋谷公会堂公演を、優秀なデジタル・オーディエンス・マスターから音盤化したもの。オジーやロニーの定番曲に加え、マーティン時代の名曲、さらに特別なサプライズなど、「この時だけ」のセットリストをじっくりと楽しめます。 6月後半のアメリカツアーから本格的にスタートした「FORBIDDEN」ツアーでは、当初コージー・パウエルが参加していたものの、コージーは8月のアメリカツアー終了と同時にバンドを脱退。'94年の「CROSS PURPOSES」でもプレイしていたボビー・ロンディネリを復帰させて、その後のヨーロッパツアーを乗り切りました。バンドはこの編成のまま、11月から12月にかけてアジアツアーを実施。その中心になったのが2年連続の来日公演でした。この日本およびアジアツアーは音源が少なく、その中でも本作はサウンド面で間違いなくトップレベルの録音。サバス・ファンならば絶対必聴の記録だと断言します。 オリジナル・リリースは2008年6月。ただ、この名盤「FORBIDDEN RULES」には二つの欠点がありました。一つはショウ中盤で演奏された「Can't Get Close Enough」の未収と、もう一つは「Iron Man」から「Paranoid」にかけてのデジノイズの問題です。それら2つの問題をほぼオールクリアーしたのが本作です。今回のボーナス・タイトル・リリース作成に際し、「FORBIDDEN RULES」の大元のマスターを入手。そこには「Can't Get Close Enough」が何の問題もなく収録されていました!残念ながらデジノイズの問題はそのままだったのですが、これは2014年現行の技術で可能な限り、丁寧に除去。原音を知るファンには驚きの、まさに「言われなければ気付かない」レベルまで軽減しました。これにて1995年東京公演決定版「FORBIDDEN RULES」が史上最良の形で蘇ることになりました! それではCDを再生してみましょう。録音は開演前のBGM「Ave Satani」からスタート。この時点から音のクリアネスやダイレクト感は素晴らしく、会場の熱気と楽音の聴き易さを備えた理想的なオーディエンス・サウンドを味わえます。バンドが登場して「Children Of The Grave」のイントロが紡がれた瞬間、場内は爆発的な盛り上がり。アイオミの磐石なギターは相変わらずの聴き応えです。この時期以降声質に変化が見られたマーティンは、無理なハイトーンを抑える代わりに中低域のコントロールが絶妙で、サバス・クラシックに独特の解釈を添えています。彼の代表曲「The Shining」は前半の聴き所でしょう。コージー・パウエルの後を受けたボビー・ロンディネリは、予想以上にサバスへフィットしたプレイを聴かせます。ニール・マーレイとのリズムセクションは非常にタイトかつパワフル。この時期のみの組み合わせで終わったのが、今更ながらに惜しまれます。「FORBIDDEN」からセットインした「Kiss Of Death」は壮大でメロディアスな曲想が秀逸。「Headless Cross」や「When Death Calls」といったマーティンの代表曲に混ざっても違和感はありません。キャッチーな「Rusty Angels」も、ショウ中盤でライヴの流れに程好いフックを与えています。ライヴ後半はサバス史に刻まれたドラマティックな楽曲が惜しげもなく連発されます!「Can't Get Close Enough」で盛り上げ、「War Pigs」そして「Black Sabbath」では、サバスのヘヴィネスを思い切り堪能させる。そしてアイオミのソロを含む「Heaven And Hell」は、20分近くに渡って聴き手を圧倒します!「Heaven And Hell」の後は、この日最大の聴き所が登場! 「VOL.4」収録の名バラード「Changes」が演奏されるのです! トニー・アイオミが奏でるキーボードをバックに、切々とメロディを歌い上げるマーティン。どちらのプレイも素晴らしく、「もっと早くセットインさせて欲しかった」と思わされます。ラストは「Iron Man」から流れ込む「Paranoid」が、場内をピークの盛り上がりのままクロージングします!本音源の録音のクオリティ自体は最上級。マーティンが歌う「Changes」をライン音源のようなリアルさ、ずば抜けたクリアネスで楽しめるのは本作のみなのです! 本作は全てのサバス・ファンが聴き逃せない、来日公演の特別な記録。まだ本録音を体験していないという方は、大傑作盤「FORBIDDEN IN NAGOYA」と合わせて、この機会にどうぞお楽しみください!
Live at Shibuya Kokaido, Tokyo, Japan 19th November 1995 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1(56:37)
1. Intro: Ave Satani 2. Children Of The Grave 3. Neon Knights 4. The Shining 5. The Wizard 6. Kiss Of Death 7. Headless Cross 8. Guitar Solo 9. Rusty Angels 10. When Death Calls 11. Sabbath Bloody Sabbath
Disc 2(64:42)
1. Can't Get Close Enough 2. War Pigs 3. Drum Solo 4. Mob Rules 5. Black Sabbath 6. Heaven And Hell 7. Changes 8. Iron Man 9. Paranoid
Tony Iommi - Lead Guitar Tony Martin - Lead Vocals Neil Murray – Bass Bobby Rondinelli - Drums Geoff Nicholls – Keyboards