Y&T、WINGER、FIREHOUSEという80年代ハードロック・ヘビーメタルファンにはたまらない組み合わせで行われたイベントから、川崎公演の2日目のライヴをサウンドボード録音に匹敵する超高音質オーディエンス録音で約4時間に渡って3バンド・完全収録した4枚組。録音者はあの、キッスの「Invades Japan」(4CD, Zoidac)の幕張公演を録音したテーパーでbeatleg誌でも「明らかに違う次元の高音質で収録」とまで書かれた達人テーパーによるもので、今回もライン録音と聴き間違える程のスーパーサウンドでショウの全貌を捉えています。あまりに凄い録音で、「隠密録音というのも、ここまで来たか」と惚れ惚れ・しみじみと聴き入ってしまう程。まさに別次元サウンドで、この感動的なイベントライヴを再現してくれます。最初に登場したのはFIREHOUSE。今回は7年ぶりとなる来日ですが、C.J. スネアの衰えを一切感じさせないクリアーなハイトーン・ボーカルはまさに健在そのもの。勢いに満ちたボーカル・パフォーマンスで聴衆をグイグイ引っ張っります。ビル・レバティーのテクニカルなギタープレイも圧巻の一言で、バンド・コンビネーションも抜群で、往年のファンを大いにエキサイトさせてくれます。初日に対し、曲順を若干入れ替えたほか、この日は「Don't Walk Away」の代わりに「Oughta Be A Law」を演奏しています。CJの日本語を流暢に織り交ぜたMCを挟みながら、テンポの良いステージで聴衆を楽しませてくれます。とにかく楽音がオンに収録されていますので、スピーカーいっぱいに飛び出してくるC.J.のボーカル、そしてビルのソロプレイに圧倒されること間違いなし。サウンドバランスも良好で、いかに当日の音が良い音だったかが判ります。次に登場したのは今やWHITESNAKEのデイヴィッド・カヴァデールの片腕となったレブ・ビーチが在籍するWINGER。脱退していたオリジナルメンバーのポール・テイラーが復帰し、当時のオリジナルメンバーが揃う形で1988年のデビュー25周年を祝うライブとなりました。ライブは再結成後のアルバム「KARMA」からのハードチューン「Pull Me Under」でスタート。今を生きるバンドの姿をファンに提示します。その後は事前の予告通り全米21位まで上昇した1988年に発表された1sアルバム「WINGER」の完全再現をメインに、こちらも全米15位まで上昇した1990年の2ndアルバム「IN THE HEART OF THE YOUNG」からの曲を中心としたセットリストで聴衆を大いに楽しませてくれました。現DEEP PURPLEのスティーブ・モーズとDIXIE DREGSで活動していたロッド・モーゲンスタイン、ALICE COOPER BAND出身のキップ・ウインガー、そしてレブ・ビーチといった演奏力に定評があるメンバーが集まっているのが当時から売りでしたが、その演奏力の高さは25年経った現在も変わらず、円熟やロートルなんて言葉とは無縁の衰えの一切ない切れ味鋭いプレイを全編にわたって聞かせます。今はWHITESNAKEの音楽性に合わせ正直地味なプレイ、ダグ・アルドリッチのサイドギター的なポジションに回っているレブ・ビーチはWINGERでは独特で複雑なタッピングとアーミングを駆使したテクニカルなプレイ、速弾きを聞かせます。WHITESNAKE加入後のレブ・ビーチのプレイしか知らないファンはこれを聞くと驚くのではないでしょうか。サイドギタリストのジョン・ロスもソロを取る場面も多くレブ・ビーチに負けないテクニカルなソロを聞かせます。続いて登場したのはバンド結成40周年を迎えたY&T。Y&Tとして変名後最初に発表された1981年のアルバム「EARTHSHAKER」から現時点の最新作「FACEMELTER」までの曲を万遍なく披露し、こちらはベストオブY&Tと言えるライブとなりました。これまで発表した名曲の数々を編集したイントロ(SE)が終わり、オープニングは1983年の名作「MEAN STREAK」のタイトル曲から勢いよくスタートし、その後も「Black Tiger」、「Midnight in Tokyo(ニューアレンジが興味深いです)」、「Rescue Me」、「Open Fire」、「Forever」など次々と披露される名曲に全てのファンが満足できるセットリストとなりました。オリジナルメンバーはデイヴ・メニケッティのみとなってしまいましたが、バックを固めるメンバーも無名ながらデイヴ・メニケッティを堅実に支えています。やはり素晴らしいのがデイヴ・メニケッティの歌とギタープレイ。現在のハードロック・ヘビーメタルシーン、いやロックシーンの中でデイヴ・メニケッティ以上にギタープレイに泣きや魂を感じさせるプレイヤーはいません。「Winds of Change」、「I'll Cry for You」、「I Believe in You」といったバラードでのプレイを是非聞いてください。ギターが慟哭するようにむぜび泣いています。一音一音に感情が込められた、正に情念のプレイと言えます。Y&Tは名前くらいしか知らない、デイヴ・メニケッティもよく知らないというロックファンに是非聞いて頂きたいです。デイヴ・メニケッティがいかに素晴らしいプレイヤーか分かっていただけるかと思います。音だけでも十分伝わります。前回の2011年の来日直前に急逝したオリジナルメンバーのフィル・ケネモアがボーカルを取っていた「Squeeze」が披露されたのもファンには感動的な場面でした。Y&Tは当初の持ち時を上回る100分に及ぶ、イベントのトリを飾るにふさわしい貫禄溢れるライブとなりました。ハードロック・ヘビーメタルが最も輝いていた80年代に活動した3バンドがその時代の楽曲と衰えのない演奏を聞かせた今回の素晴らしいイベント。また3バンドともノスタルジーに浸ることなく今を生き続ける姿もファンに提示した感動的なイベントでした。あの時代のハードロック・ヘビーメタルファン必聴のライブが、まさにこれ以上はないと断言できるほどの超高音質録音にて収録した注目の決定版。 Live at Club Citta, Kawasaki, Japan 12th January 2014 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) FIREHOUSE Disc 1 (57:57) 1. Introduction 2. Shake & Tumble 3. All She Wrote 4. You're Too Bad 5. Oughta Be A Law 6. Rock On The Radio 7. When I Look Into Your Eyes 8. Hold Your Fire 9. Overnight Sensation 10. Perfect Lie 11. Love Of A Lifetime 12. Band Introduction 13. Reach For The Sky 14. Don't Treat Me Bad C. J. Snare - Vocals Bill Leverty - Guitars Michael Foster - Drums Allen McKenzie - Bass WINGER Disc 2 (74.38) 1. Introduction 2. Pull Me Under 3. Can't Get Enough 4. Madalaine 5. Hungry 6. Seventeen 7. Without The Night 8. Purple Haze 9. State Of Emergency 10. Time To Surrender 11. Poison Angel 12. Hangin' On 13. Headed For A Heartbreak 14. Miles Away 15. You Are The Saint, I Am The Sinner 16. Easy Come Easy Go Kip Winger - Vocals, Bass Reb Beach - Guitar John Roth – Guitar Paul Taylor - Keyboards, Guitar Rod Morgenstein - Drums Y&T Disc 3 (58:19) 1. Introduction 2. Mean Streak 3. Don't Be Afraid Of The Dark 4. Lonely Side Of Town 5. Don't Stop Runnin' 6. Black Tiger 7. Midnight In Tokyo 8. Eyes Of A Stranger 9. Hurricane 10. Surrender 11. Winds Of Change 12. I Want Your Money Disc 4 (47:11) 1. Rescue Me 2. I'll Cry For You 3. Squeeze 4. I Believe In You 5. I'm Coming Home 6. Open Fire 7. Forever Dave Meniketti - Guitar, Vocal John Nymann - Guitar Brad Lang – Bass Mike Vanderhule – Drums