フィル・ライノットがTHIN LIZZY解散後に結成したPHIL LYNOTT'S GLAND SLAMの貴重なライヴ音源より、ツアー開始直後の'84年4月29日・アイルランドのリフォードにおけるショウが、オフィシャルをも凌ぐ超高音質サウン ドボード収録で登場です!フィルは'83年9月初頭のTHIN LIZZY解散後、自身の音楽を表現するための新たなソロ活動を計画し、ジョン・サイクスにブライアン・ダウニーのほか、'83年の夏に"THE THREE MUSKETEERS"としてフィルに協力したドイシュ・ナイグルや元MAGNUMのマーク・スタンウェイに参加を呼びかけました。しかしこの時サイクス はWHITESNAKE参加を選んだため、リード・ギタリストには当時無名の若手だったローレンス・アーチャーを加え、バンド名義も新たにPHIL LYNOTT'S GLAND SLAMとしてスタートしました。しかしフィルの状態は不安定でリハーサルにもあまり顔を出さず、これに不安を感じたダウニーはツアーが始まる直前(一説には1stギグの3日前)にバン ドを脱退してしまいます。フィルはSKID ROWにも在籍していたロビー・ブレナンを後任ドラマーとして迎え、'84年4月26日から5月11日まで全13公演のアイルランドツアーを行いました。本作に収録された'84年4月29日のリフォード公演はツアー開始4公演目に当たります。この日の音源はずっと以前に、関係者由来のステレオ・ライン音 源をフル使用した「LIVE」としてWithdrawnレーベルからリリースされ、フィルおよびLIZZYファン必聴の定番音源とされてきました。今回は このマスターを全面的にリマスター・トリートメントし、音源の素晴らしさに見合った最上級のアイテムとして蘇らせています!なお、GLAND SLAMのアイルランドツアーは、初期3公演からテイクをミックスしているというライヴ作品「LIVE 1984」が2002年に公式リリースされています。この作品も実は本リフォード公演のテイクを中心にしたもので、そこへS.E.のミックスほか様々な編 集を施したものでした。本作と公式を聴き較べると、ほぼ同水準のサウンドボード音源でありながら音の様相は大きく異なり、同じリフォードの音源であるはず なのにほとんど別のショウのように感じるほどです。本作は4月29日の演奏を余さず捉えた真実のテイクとして、"作品"に再構築された公式ライヴでは味わ えなかった生のドキュメントを思う存分に楽しめるでしょう!ショウのイントロでは公式ライヴでカットされていたメンバーの手慣らしプレイが聴け、これからショウが始まるという緊張感をより強く漂わせます。バンド が身上とするパワフルでリズミカルなビートは1曲目の「Nineteen」から早くも全開で、「Yellow Pearl」と共にさっそく聴き手の心を躍らせてくれます。このライヴ前半はゲイリー・ムーアにちなんだ選曲が大きな聴き所です。フィルの「LIZZYで はプレイしていなかった曲だ」というMCから始まる「Sarah」は、ゲイリーが全面参加した「BLACK ROSE」からのチョイスで、フィルらしい柔らかな歌いまわしが聴き手を和ませるポップな佳曲です。おなじみの「Parisienne Walkways」は、フィルが歌う"もうひとつのオリジナル"バージョンとしてファンの耳を惹き付けるでしょう。ライヴが中盤に差し掛かる「Crime Rate」は、オフィシャルではサイレンのS.E.がミックスされるなどかなり手が加えられていましたが、ここでは手付かずのままの演奏をじっくりと聴き 込めます。フィルのベースノートがダイナミックな曲想を演出する「Look In These Eyes」と合わせて、これらはGLAND SLAMの魅力が大いにアピールされる重要な場面と言うべきです。ライヴ後半の「Night In The Life Of A Blues Singer」では、2:00からオフィシャルでカットされていたのキーボードソロが約30秒にわたり確認できます。瀟洒で都会的なマーク・スタンウェイ のプレイはライヴのハイライトを美しく引き立てています。同様に「Dear Miss Lonely Hearts」のラストは編集されていない短めのエンディングで、オフィシャルとの違いをはっきりと確認できます。(オフィシャルは2:30から10秒間 の反復をカットポイントにパッチしてリズムを辻褄をあわせているだけです。)アンコールは7分を越える「Whiskey In The Jar」が情感たっぷりにライヴを締めくくり、聴き手の心に実際の演奏時間以上の満足感を残してくれます。超高音質ステレオ・ライン音源で真実のGLAND SLAMライヴをありのままにパッケージした本作は、聴けば聴くほど新たな発見が連続します! 収録時間は55分とやや短めではありますが、これは LIZZYファンだけでなく全てのハードロックファンを唸らせる55分になる事でしょう。
Live at The Pink Paradiso Inter County Hotel, Lifford, Ireland 29th April 1984 STEREO SBD(from Original Masters)
1. Intro. 2. Nineteen 3. Yellow Pearl 4. Sarah 5. Parisienne Walkways 6. Crime Rate 7. Young Boy 8. A Whiter Shade Of Pale / Like A Rolling Stone 9. Night In The Life Of A Blues Singer 10. Cold Sweat 11. Dear Miss Lonely Hearts 12. Whiskey In The Jar
Phil Lynott - Vocals, Bass Laurence Archer - Guitar Dougie Nagle – Guitar Robbie Brennan - Drums Mark Stanway - Keyboards
STEREO SOUNDBOARD RECORDING