今なお、語り草となっている2003年のジャパンツアー。その真実を伝える極上ライヴアルバムが登場です。当時は毎年恒例のようになっていた来日公演ですが、この年はベーシストのアーネスト・ティブスが新加入したことに加え、なぜかチャド・ワッカーマンが鬼神の如き大活躍で魅せた。その一部始終を極端なまでの極上&リアル・サウンドで記録しきったオーディエンス録音です。そんな本作に収められているのは「2003年5月5日:六本木ピットイン」公演。オフィシャルのライヴアルバム『ALL NIGHT WRONG』のちょうど1年後にして、同じ会場のコンサートでした。ここで、当時のツアー日程を確認しておきましょう。
・4月25日:京都・福知山FARM ・4月26日:神戸・チキンジョージ ・4月27日:京都・ライブスポットラグ ・4月28日:金沢・金沢AZ ・4月29日:名古屋・ボトムライン ・5月1日-5日:東京・六本木ピットイン(5公演)←★ココ★
以上、全10公演。“六本木ピットイン”では5日間の連続公演となったわけですが、本作はその最終日なのです。そんな本作のサウンドは、まさに絶品・極上・超高音質。実のところ、当時Masterportレーベルから登場した録音なのですが、その際にも専門誌から「超リアルオーディエンス録音の最高峰」「たっぷりと空気感を詰め込んだ、贅沢でリッチなダイナミックレンジの広さ」「限界ぎりぎりの高音質」と、言葉を尽くした賛辞が寄せられたほど。本作では録音家提供のオリジナルDATマスターから改めてCD化しましたが、とてもDAT録音とは思えない。現代のデジタル基準に照らしても、そうそうはない超絶サウンドなのです。そのサウンドで描かれるのが、当時大いに話題になった名演中の名演。まず、何と言ってもアランの調子がすこぶる良い。全公演で安定した演奏を聴かせてくれましたが、本当に演奏を楽しんでいるのはアリアリと伝わる。ロックサイドへの再挑戦のような息継ぎなしのフラッシーな弾き倒しとアーミングの多用は、ソフトワークスでのまどろむような節回しと対照的。オープニングの「Leave 'Em On」「Texas」では、いきなりフルスロットルで快調に飛ばし、フリーパートをはさんだ「Zone」ではロマンチック&駆け上がりフレーズの往復もスリリング。「Alphrasallan」では長く自由なソロも素晴らしく、ラストで観客に応えてブルージー余興フレーズを弾いているのが面白い。そんな演奏を紡ぐ硬質でワイドかつタイトなギターサウンドも素晴らしい。エフェクト関係はほぼUD-STOMP×2台のみ。ボリュームペダル2つでバッキング用とソロ用をDGコンボアンプ2台で振り分けて、微調整は直接アンプのつまみを動かす。質素で軽快なツアー用システムは、アラン本人もかなり気に入っていて、ビルディラップギターの作りの良さが伝わる。ふくよかで輪郭のはっきりした、ミッドレンジの充実したサウンドを聴かせてくれます。そのアランを支えるリズム隊がまた好演。新加入のアーネスト・ティブスはルート重視ながらも野太くキープして地を這い、ハーフシャッフル系のビートは前任ジミー・ジョンソンより重く心地よい。それ以上に鮮烈なのがチャド・ワッカーマン。とにかく全編を通じて飛躍的にスケール・アップしており、「今まで来日公演では実力の半分も出しきれていなかったのか?」と思うほどの豹変ぶり。前半の「Water On The Brain」ではダイナミズム溢れるビートが強烈ですし、「The Things You See」と「Material Reals」の合体という新アレンジでも素晴らしいドラミングを披露。もちろん、お馴染み「Letters Of Marque」のドラムソロでも尋常ではないド迫力で迫る。まさに過去最高に練り上げられたリズム・セクションが炸裂するのです。そして極め付けの名演なのか「Letters Of Marque」。ドラムソロでも尋常ではないド迫力迫るチャドは、無限に新技を繰り出しつつ、疲れた様子も見せず飄々と叩きまくる。そんなチャドに対して「これでどうだ!」と言わんばかりにアランも鮮烈で活力に漲るフレーズの数々で応戦。とてもシンプルな機材とは思えないカラフルなフレーズには、アイデアとインスピレーションが詰め込まれているのです。とにかく、格段にスケール・アップしたリズム隊と、若さを取り戻したアランの弾きっぷり。全編手抜きなしの名演には、毎年来日公演に通いつめる常連の方々も興奮を隠しきれず、「ここ数年のベスト」と口々に絶賛されました。そんな一部始終を極上究めるサウンドで描ききったライヴアルバムの大傑作。14年の時を超え、ここに復刻です。
Live at Roppongi Pit-Inn, Tokyo, Japan 5th May 2003 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Disc 1(42:24)
1. Leave’Em On 2. Texas 3. Water On The Brain 4. Above And Below 5. Bo Beep 6. Zone
Disc 2(50:30)
1. The Things You See/Material Reals 2. Gas Lamp Blues 3. Lanyard Loop 4. Alphrasallan 5. Letters Of Marque 6. Proto Cosmos
Allan Holdsworth - Guitars Ernest Tibbs - Bass Chad Wackerman – Drums





























