1969年1月いっぱいかけて行われたビートルズのセッションを通称「ゲット・バック・セッション」と呼ぶ。ホワイトアルバム以降、メンバー間の関係がぎくしゃくしており、このまま瓦解の方向に進んでいくのではないか、それを最も危惧したのはポールであった。そこでポールが音頭をとり、新たなプロジェクトが企画されたのである。1966年以降ライヴ活動は中止していたが、自分たちの結束を固めるためにはライヴが必要だと考えたポールは、再びコンサートツアーに出ることを提案したのである。しかし再びツアーに出ることはジョンとジョージが難色を示し、断念せざるを得なかった。次に、新曲のみのライヴを一度きり行ない、それを撮影してリリースするという提案が出た。実際に当時のマンスリー(ファンクラブ雑誌)では、その一度きりのライヴのための抽選が行われている。しかしご存知の通り結果的にそれは企画段階で頓挫してしまう。結局、着地点としては、ビートルズがスタジオでニューアルバムをレコーディングする、その様子を撮影する、最後にレコーディングした新曲を、観客を入れないながらもライヴ形式で演奏する、という骨子が完成した。それが後に「ゲット・バック・セッション」と呼ばれるセッションに至る概要である。当初のコンセプトが二転三転してのプロジェクトであった。レコーディングするにあたっては、原点に立ち返るという気持ちを込めてオーヴァー・ダビングは行なわず、シンプルなロックをということで、レコーディングは1969年1月2日から始まった。なにせ撮影を前提としたレコーディングであったため、使い慣れたアビーロード・スタジオではなく、撮影環境を優先してロンドンのトゥイッケンナム・フィルム・スタジオに録音機材を運んでのレコーディングとなったのである。しかし冬のロンドンにおいて、だたっぴろい撮影スタジオ、そして一挙手一投足を撮影しているカメラマンに囲まれ、レコーディングはけして良い雰囲気では行なわれなかった。メンバーには破棄がなく、演奏も怠惰で、思いつくままギターをつま弾くというお粗末なものであった。メンバー間の結束を促す目的で始まったプロジェクトが、皮肉にもメンバー間の緊張を高め、かつ心がかつてのようにひとつではないという姿をカメラの前で露呈してしまったのである。その象徴が1月10日のポールとジョージの口論である。このシーンは映画にも使用された有名なシーンで、何かと他のメンバーに口出すするポールにジョージが反抗している様子が痛々しいものであった。トゥイッケンナム・スタジオにおける撮影とレコーディングは1月16日まで続けられたが、けして実りあるものとは言い難く、結果的にフィルスペクターがプロデュースしたアルバム『レット・イット・ビー』には一切使われていない。続いてビートルズのメンバーは4日後の1月20日、場所をアップル本社ビル地下にあるアップル・スタジオに場所を変え、レコーディングを再開する。メンバー間の緊張を緩和するには他者の目が必要だと考えたジョージは、キーボードとしてビリー・プレストンをセッションに招聘した。ビートルズの共演者として正式にクレジットされるという栄誉は、トニー・シェリダンに続いてビリー・プレストンが二人目のことである。アップル・スタジオにおけるセッションはビリー・プレストンが緩衝材となったことなどから、トゥイッケンナム・スタジオにおけるセッションとは雰囲気が変わり、ビートルズの「魔法」が再び起こりつつあった。そして、それまでの緩慢な演奏とは異なり、改めて新曲をレコーディングするという意気込みが感じられる完成度の高いものとしても特筆される。ゲット・バック・セッション後半はこうして始まったのである。このようにゲット・バック・セッションはレコーディング風景そのものを作品化するという目的で始まったため、膨大な音源と映像が残されている。その多くは散漫なものであったり、あるいはディスカッションの様子など、マニアにとっては非常に興味深いものではあるのだが、音楽として鑑賞するには退屈な部分があることも否めない。そこでアナログ時代から、聴き所を編集して数多くのタイトルが生み出されてきたが、そこに編集者のセンスが問われる部分でもあった。そんな状況下で、ひとつの金字塔として長らく親しまれてきたのが「GET BACK JOURNALS」であった。「GET BACK JOURNALS II」は、「GET BACK JOUNALS」と並び、実にディスク4枚に渡って、このセッションのベスト盤的性格を持っている。とっかかりとしては最適のボリュームと内容を誇っているので、ゲットバックセッションが苦手だという人にも充分に楽しめるものとなっている。またオリジナルにない特色として、本作では、それぞれが何日の演奏であるのかクレジットしている。リリースされた当時は、まだデータ的なものが未整理な時代であったが、その後の研究が進み、どの演奏が何日のレコーディングであるのか明確になっているため、本作ではそれを記している。 名盤「GET BACK JOURNALS II」を完全復刻収録。「GET BACK JOURNALS」と一緒に揃えておきたいタイトルである。
DISC ONE
JANUARY 3, 1969
01. Sun King 02. Improvisation 03. All Things Must Pass 04. All Things Must Pass 05. All Things Must Pass 06. All Things Must Pass 07. All Things Must Pass 08. Improvisation 09. All Things Must Pass 10. All Things Must Pass 11. All Things Must Pass 12. All Things Must Pass 13. All Things Must Pass
14. Back In The USSR 15. Every Little Thing 16. (Take Another) Piece Of My Heart 17. Sabre Dance 18. (Take Another) Piece Of My Heart 19. Over And Over Again 20. I've Been Good To You 21. Maxwell's Silver Hammer 22. I Want You 23. I'm Gonna Pay for His Ride 24. Don't Let Me Down
JANUARY 6, 1969
25. Oh! Darling 26. C'Mon Marianne 27. discussion 28. I've Got A Feeling 29. High School Confidential 30. I've Got A Feeling 31. Hear Me Lord 32. Hear Me Lord 33. Improvisation 34. Improvisation / Tracks Of My Tears 35. Dizzy Miss Lizzy
36. Money (That's What I Want) 37. Fools Like Me 38. Sure To Fall (In Love With You) 39. The Right String But The Wrong Yo-Yo 40. Talkin' About You
【DISC TWO】
JANUARY 6, 1969
01. Live Show Dialogue 02. Don't Let Me Down 03. Don't Let Me Down 04. Don't Let Me Down 05. Don't Let Me Down 06. Don't Let Me Down 07. Don't Let Me Down 08. Don't Let Me Down 09. Don't Let Me Down 10. Don't Let Me Down 11. Don't Let Me Down 12. Don't Let Me Down 13. Don't Let Me Down
14. Don't Let Me Down 15. Don't Let Me Down 16. Two Of Us 17. Two Of Us 18. Two Of Us 19. Two Of Us 20. Two Of Us 21. Two Of Us
【DISC THREE】
JANUARY 6, 1969
01. Frere Jacques 02. It Ain't Me Babe 03. Two Of Us 04. Hear Me Lord 05. Hear Me Lord 06. Let's Dance / At The Hop 07. All Things Must Pass 08. She Came In Through The Bathroom Window 09. Carry That Weight
JANUARY 7, 1969
10. The Long And Winding Road 11. Golden Slumbers / Carry That Weight 12. The Long And Winding Road 13. Instrumental 14. Instrumental 15. Lady Madonna 16. Instrumental 17. She Came In Through The Bathroom Window 18. Improvisation 19. Instrumental 20. White Gold
21. Low Down Blues Machine 22. What'd I Say / Carry That Weight / Shout 23. Get Back 24. I've Got Rings On My Fingers (Bells On My Toes) 25. For You Blue 26. For You Blue 27. My Back Pages 28. I've Got A Feeling 29. She Came In Through The Bathroom Window
30. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again 31. Improvisation
【DISC FOUR】
JANUARY 7, 1969
01. I Shall Be Released 02. To Kingdom Come 03. For You Blue 04. For You Blue 05. Improvisation 06. Bo Diddley 07. What The World Needs Now Is Love 08. Instrumental 09. First Call 10. She Came In Through The Bathroom Window 11. I've Got A Feeling 12. Oh! Darling 13. The Long And Winding Road
14. Maxwell's Silver Hammer 15. Maxwell's Silver Hammer 16. Maxwell's Silver Hammer 17. Maxwell's Silver Hammer 18. Maxwell's Silver Hammer 19. Maxwell's Silver Hammer 20. Rule Brittania 21. Improvisation 22. Improvisation 23. Speak To Me
24. Oh! Darling 25. Maxwell's Silver Hammer 26. Maxwell's Silver Hammer





























