数週間前にリリースしたビートルズの「LAST LACQUERS」。現在出回っているビートルズのアセテート盤に刻まれた音源を手際よくまとめた内容が大好評となり、予想だにしなかった当店ギフト・アイテム史上における最大のヒットを記録するほどの大反響を巻き起こしました。その人気の秘訣は「三枚のディスクにまとめられていて解りやすい」、「名曲の別ミックスがてんこ盛りで楽しい」といったもの。ビートルズのアセテート音源は主に完成直前に作られるミックスの違いを聞き比べる為に作られたものがほとんど。よって別テイクと言うのはそれほど多くなく、あくまで別ミックスに音源が集中しているのです。このことからも解るように、リリースされる音源に複数のリミックスを作成し、そこから精査してリリース用ミックスを選択するという作業が行われていたことを証明する音源でもあります。作られたミックスの種類はステレオの場合が「RS」(=リミックス・ステレオ)、モノラルの場合が「RM」(リミックス・モノ)と呼ばれ、例えば「RS1」という表記ですと「リミックス・ステレオのバージョン1」ということになり、これが裏ジャケにクレジットされている表記の意味するところです。既にそうしたビートルズのアセテート音源をまとめた、それこそコンプリートな内容を誇るアイテムは近年リリースされており、それらと比べて今回の「LAST LACQUERS」の内容はコンプリートと呼べるものではありません。この点においてコア・マニアの方であれば、むしろ過去のアイテムの方が満足されることでしょう。それにもかかわらず、これがギフトとして異常とも言える人気を誇った理由、それが先にも触れた「聞きやすさ」。それに加えて一枚目のディスクにはキャバーン・クラブにおけるライブ音源まで収録され、デビュー前ビートルズのアツきライブ・パフォーマンスがサウンドボード録音で聞けてしまうというのもポイントが高い。そうした解りやすい編集内容でまとめてくれたのが現在のビートルズ・レア音源界における名クリエイターであるMaster Jedi。これはギフト・リリース時にも申したことですが、マニア・リリースの先駆者だったパープル・チックや「BACK TO BASICS」シリーズが活動を停止してしまった現在、ファンにとって希望の光とも呼べる存在なのです。彼が「LAST LACQUERS」おいて独自のセンスを発揮してくれたのは、音源のいくつかをわざわざLPアイテムにまで遡って収録してくれたということ。これこそマニアをも唸らせる編集の妙でしょう。「NOT FOR SALE」や「DIG IT」といったLPからのセレクトは本当に懐かしい。そうした収録ソースに徹底的なこだわりを見せてくれた一方で、ピッチ修正以外に余計なイコライズのような小細工を加えないところも彼の仕事ぶりの良いところ。さらなる聞きやすさに磨きをかけるべくいくつかの面白味を欠いたアセテート音源を削除、さらには今話題のちょっとした新音源を代わりに付け加えています。まず一枚目のディスクですが、中盤にアルバム「HELP!」からの音源が集中します。それらは同名映画の制作時、撮影チームに送られたリリース前のモノ・ミックスのアセテートが元となっています。それらの中ではミックスの違いが解り辛くて盤の状態も酷い「Yes It Is」カット。他の「HELP!」アセテートはボーカルがドライな状態であったり、あるいは「You're Going Lose That Girl」のようにギター・ソロが別テイクといった違いが楽しめるもの。二枚目は「Kenney Everett Interview」を削除。ホワイト・アルバムを制作中だったレコーディング・スタジオで行われたインタビューということから、随所でジョンが楽器を玩んだり、あるいは各メンバーが即興で歌ったりすることで有名な音源でしょう。とはいえ所詮はインタビュー。英語が解らないと10分を超える会話が楽しめないのも事実。さらに言えば懐かしのテイチク盤「GOLDEN BEATLES」では「LAST LACQUERS」も正しい収録内容かつ対訳付きで楽しめる訳で、やはり今回のリリースからはカット。三枚目は何と言っても四バージョンも収録されているジョンの未発表曲「What's The New Mary Jane」を半分に削減。いくらミックスに違いがあるとはいえ、何しろ奇妙な曲調です、それを四回も続けて聞くのは辛くないですか?(爆)。そこで違いがさほど大きくない二つのバージョンを省きました。これによってさらに聞きやすくなったことは間違いないでしょう。反対に二枚目のディスクの最後に収められた「Revolution 9」の別ミックスですが、これが中々に面白い。ジョンが「トム・ジョーンズ」と呟いてみたり、さらにはマニアにはおなじみの台詞「take this brother, may it serve you well」に対してジョージが「サンキュー」と返すなど、随所でリリース・バージョンとは違う場面が聞けて意外と楽しめるものですよ。そして、ささやかながらも一枚目に収録された注目の新音源は「What Goes On」のデモ録音を収録したアセテート音源。1965年のアルバム「RUBBER SOUL」でリンゴが歌っていた曲ですが、実際にはジョンとポールがデビュー前に作っていた曲であり、1963年にはレコーディングを試みようとしたものの、その日のアビーロード・スタジオの利用時間を過ぎてしまったことから諦めてしまい、結果的に65年までお蔵入りという憂き目に遭ってしまいます。今回のアセテートにはそのレコーディングを踏まえてジョンとポールがプライベートに録音した演奏を刻んだもの。この盤は以前にもオークションに出品されたことがあったのですが買い手がつかず、この秋に改めてオークション・サイトから出品されました。その際に幸いにもサウンド・サンプルが公開され、30秒足らずながらも録音を垣間見ることが出来たのです。そうして聞かれるようになった断片からでも、当初ジョンとポールが作っていた曲調と後にリンゴが作詞を手伝った上で歌った「RUBBER SOUL」バージョン(昨年の来日公演でもリンゴが歌ってましたね)とはまるで印象が違っていてびっくり。コーラス箇所以外は歌詞も歌メロも全然違い、ほとんど別の曲と錯覚してしまいそうなほど。そして古くから噂されてきたジョンとポールによる歌を実際に聞けるという価値は、30秒という抜粋ながらも十分すぎるほどに高い。ここでの演奏が二年後にはあんな風に生まれ変わったのだから驚きです。他にもオリジナルのMaster Jediバージョンでは若干ながらピッチの狂いがあった「Across The Universe」と「Not Guilty」を微調整。そして先に挙げた以外にもエンディングのリフが差し替えられる前でツインリードの弾き違いが聞ける「And Your Bird Can Sing」、ジョンのカウントから始まる「Helter Skelter」といったレア・ミックスの違いを秋の夜長に聞き比べるもよし、あるいはずらりと並んだ名曲群の別ミックスをひたすら流すもよし。とにかく全体を通して抜群の聞きやすさ!
The Essential Collection of Beatles' Acetates 1958-1970 ★再編集盤
Disc 1 (53:28)
1. That'll Be The Day (Anthology 1 Remaster) 2. In Spite Of All The Danger (Anthology 1 Remaster) 3. Love Me Do (Anthology 1 Remaster) 4. Some Other Guy (Kicks, Kudos and Cash) 5. Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey (Kicks Kudos and Cash) 6. Bad To Me (Not For Sale Vinyl)
7. What Goes On (Auction download) 8. It's For You (Auction download) 9. One And One Is Two (Ultra Rare Trax Vol. 3&4 Vinyl) 10. Ticket To Ride (Production Acetate) (Help! Original Mix) 11. I Need You (Production Acetate) (Help! Original Mix) 12. Another Girl (Production Acetate) (Help Sessions)
13. The Night Before (Production Acetate) (Help! Original Mix) 14. You Like Me Too Much (Production Acetate) (Help! Original Mix) 15. You've Got To Hide Your Love Away (Production Acetate) (Help Sessions) 16. You're Going Lose That Girl (Production Acetate) (Help Sessions)
17. Help! (RM4) (Help! Original Mix and Help Sessions) 18. 12-Bar Original (RM1) (Acetates) 19. Taxman (Auction download) 20. And Your Bird Can Sing (Auction download) 21. Eleanor Rigby (Auction download) 22. Strawberry Fields Forever (RM3) (Strawberry Fields Forever Vinyl)
Disc 2 (41:35)
1. A Day In The Life (RM1) (Acetates) 2. Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band (RM1) (Acetates) 3. Magical Mystery Tour (RM4) (Another Tracks Of Magical Mystery Tour) 4. Magical Mystery Tour (RM7) (Acetates) 5. Your Mother Should Know (Take 8) (Acetates Vol.1)
6. I Am The Walrus (RM4) (Acetates Vol.1) 7. Blue Jay Way (RM1) (Acetates) 8. The Fool On The Hill (Take 1) (Strawberry Fields Forever Vinyl + Acetates) 9. Flying (RM4) (Lost Lennon Tapes 88-36 + SPLHCB-AHOTBY)10. Step Inside Love (As It Happened, Baby)
11. Across The Universe (RS3) (Dig It Vinyl) 12. Revolution 9 (Master Take) (Revolution)
Disc 3 (47:24)
1. Not Guilty (RM1) (Nothing In Real vinyl) 2. Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey (RM5) 3. Yer Blues (RM1) 4. Back In The USSR (RM1) 5. Helter Skelter (RM1) 6. Birthday(RM1) (Primal Colours) 7. Goodbye (Acetates Vol. 1)
8. The Ballad Of John and Yoko (Ch*#%t You Know It Ain't Easy!) 9. All Things Must Pass (Take 2) 10. Old Brown Shoe (Take 2) (Auction download) 11. Something (Take 1) (Acetates Vol. 1) 12. What's The New Mary Jane (RS2) (Live at Shea Stadium vinyl)
13. What's The New Mary Jane (RS5) (What A Shame Mary Jane Had A Pain At The Party vinyl) 14. I Me Mine (take 16) (Not For Sale vinyl)





























