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Beatles ビートルズ/Rubber Soul Recording Sessions Vol.2

ビートルズを意識していたローリング・ストーンズは、ブルースからソウルに至るブラック・ミュージックに活路を見出していた。言うまでもなくストーンズのメンバーはホワイトである。世のブラックたちはストーンズの事を「プラスティック・ソウル」、つまりまがい物のブラック・ミュージックであると揶揄していた。アンソロジーでも「アイム・ダウン」の後にポールが「Plastic Soul」と呟いているのが収録されている。これがアルバム『ラバーソウル』の製作中の仮題としてメンバー間で認知されていた。さすがに他人を揶揄する差別的な言葉をタイトルにするには憚られ、ゴムの靴底とかけて『Rubber Soul』と題したのである。いわばビートルズの言葉遊びである。アルバム・カバーはロバート・フリーマンがジョンの自宅庭で撮影した写真が採用されている。その時撮影した写真をスライドにしてビートルズに見せたところ、たまたまスライドの機械が傾いて写真が歪んでしまった。その状態が面白いということで、写真をわざと歪ませてアルバム・ジャケットに使われたのである。本作は、この『ラバーソウル』のスタジオ・セッションを集大成したタイトルである。デビュー前に既に地元リバプールで局地的に有名だったビートルズは、1962年のデビュー以来、1963年で英国と欧州を席捲、1964年が開けてすぐに「抱きしめたい」で全米ナンバー1を記録、わずかな期間で瞬くまに世界的スターとなっていった。その間プロモーションを兼ねて夥しい数のテレビやラジオ出演をこなし、平行してライブも行なうなど多忙を極めていた。1964年2月の初渡米はわずか2度のライブとエドサリバンショウの出演のみでファンの飢餓感を煽り、満を持して夏に全米ツアーを行なっている。さらにその間には映画撮影もあり、一体どこにアルバムを製作する時間があったのだろうかと思うくらいである。ビートルズのアルバムも最初はオールディーズの影響を色濃く反映したものであった。おそらくビートルズが『フォーセール』で解散していたら、後世オールディーズのバンドとして認識されていたであろう。それが『ヘルプ』以降、徐々にアイドル性よりも芸術性の方が高く評価されるようになり現在に至る。初期はジョンの才能がいち早く開花し、『ハード・デイズ・ナイト』ではジョンの魅力が溢れたジョンの独壇場ともいうべき名盤となっている。そして遅れてポールが才能を開花させ始めたのが『ヘルプ』以降であろう。『サージェントペパーズ』や『アビーロード』は言うに及ばず、後期のビートルズはポールが音楽的な主導権を握っていた。その過渡期において『ラバーソウル』で初めてジョンとポールが拮抗し、『リボルバー』においては完全にジョンとポールが逆転したアルバムとなっている。このように才能の開花時期が、ジョンが初期から中期、ポールが中期から後期と、微妙にずれたことが、ビートルズが60年代を通して長くトップランナーとして君臨させ、後世の評価に繋がっていると言える。このように、ビートルズ6枚目のアルバムである『ラバーソウル』は、ジョンとポールという二人の才能がそれぞれ拮抗した時代の名盤であるといえる。リリースは1965年12月。2度目のアメリカン・ツアー後、クリスマス商戦に間に合わせるため、わずか1カ月あまりで製作されたアルバムである。しかしそのような慌ただしさは微塵も感じられず、非常に落ち着いたしっとりとした印象を与えてくれるアルバムである。さらに特筆すべきは、このアルバムが古いロックンロールではない、という点である。美しい楽曲が並ぶ様は、ビートルズが単なるロック・バンドではないという事を知らしめるに充分であり、ブライアン・ウィルソンがこのアルバムを聴いてショックを受けたというのも頷ける、非常に芸術性の高い完成度を誇っている。本作は、この『ラバーソウル』のレコーディング・セッションを収録したものである。 【君はいずこへ】 古くから数多くのアウトテイクが存在することで知られる、『セッションズ』でも有名な「I’m Looking Through You」のセッションである。テイク1は単調なリズムに合わせてメロディに起伏をつけて曲の雰囲気を醸成している。かなり未完成な印象は払拭出来ないがポールの落ち着いたボーカルが、これがデモ音源であることを伺わせる。ポールはソロ・コンサートにおいてもこの曲を演奏している。1983年アビーロード・ショウやジョンバレット、セッションズ、アンソロジーなど、この曲のアウトテイクは全てこのテイク1が元となっている。エンディングはハチャメチャになりジョンが頓狂な声で騒いでいるのが面白い。トラック8のテイク4は二度イントロをやり直している。ちょうどテイク1と最終バージョンの中間のようなアレンジである。 【イン・マイ・ライフ】 これもまたジョンによる名曲であるのみならず、ビートルズを代表する曲のひとつ。歌詞に絡めてアンソロジーではオープニングのシーンで採用されている。ビートルズ時代はステージで演奏する事はなかったが、ジョージが1974年全米ツアーで、アレンジを大幅に変えて演奏している。ジョンの曲ということで定着しているが、ポールはあれが自分の曲で、ジョンは勘違いしていると主張している。いずれにしてもビートルズにとって重要な名曲であることに違いはない。レコーディングは10月18日に行なわれた。ディスク5トラック16はテイク3である。ボーカルトラックが右に寄っているのは左側のトラックをダビングのために空けてあるのであろう。間奏は未完成でギターで軽く流している。 この曲はジョージ・マーティンが担当したあの間奏の評価が高く、通常のスピードではなく2倍に早めて収録したアイデアと共に「In My Life」のキモの部分である。日付変わって10月22日のレコーディングではそれまで未完成だったその間奏に着手されている。トラック17は非常に面白い採用されたものとは全く異なるピアノソロが挿入されている。プロコルハルムのようなオルガンによるもので、習作の域を出ないが、間奏をギターではなく鍵盤で行なうという方向が決まった日だと言える。トラック18はピアノによる間奏の習作。さらにトラック19はピアノのスピードを倍に挙げてハープシコードのような音色に仕上がった。 【ウェイト】 地味であまり話題に挙がらない曲であり、『ラバーソウル』の中では異色の曲である。実はアルバム『ヘルプ』の為に用意された、その時はボツになった曲である。『ラバーソウル』にレコーディング最終日になって曲が足りないということになり、クリスマス商戦に間に合わせるため新しい曲を作る時間的余裕がなかったため、急遽復活した曲である。ディスク5トラック25はテイク4であるが、録音はこれだけ1965年6月17日である。ビートルズはこの録音をベースにダビングを重ねて曲を完成させることを決める。トラック26ではボーカル、トラック27ではペダルを踏んで調節するギター、そしてトラック28ではタンバリンとマラカスをダビングし、録音時期の異なる他の曲との違和を緩和している。 【恋をするなら】 1966年武道館公演で歌われた唯一のジョージのボーカル曲にして、1991年日本公演でも演奏されたビートルズ時代のジョージの代表曲のひとつ。煌びやかなギターの音色と軽やかなテンポに明るいメロディは、いかにもヒットしそうな雰囲気を持っている。当時はバンド内の力関係からシングルとしてリリースされなかったが、代わりにホリーズがカバーしてシングル・カットされている。セールス的には惨敗に終わりジョージは不満だったと言う。レコーディングは10月18日に行なわれた。まず最初に収録されているディスク5トラック31はテイク1、ジョージのカウントで始まるベーシックトラックである。この曲はアウトテイクが発掘されておらず、ここではマルチトラックから、ボーカル、タンパリンなどが収録されている。 【浮気娘】 アルバムの最後を飾るのは常に壮大な締めくくりの曲を配するのが一般的だが、『ラバーソウル』の最後はジョンいわく「やっつけ仕事」の「Run For Your Life」であった。ジョン自身もあまりこの曲を評価しておらず、当初ジョージに歌わせる予定であったとも述べている。やっつけ仕事を匂わせる要素としては、歌詞をエルヴィスの「Baby Let’s Play House」からそのまま借用している箇所からも伺える。ディスク6トラック1はテイク1。ただし演奏は含まれずジョージ・マーティンのアナウンスと演奏前のギターの音のみ。トラック2はテイク5。深くエコーがかけられたジョンのボーカルはシングルトラックで、コーラスは一切入っておらずジョンの生々しい独唱である。トラック5はレコーディング中のビートルズの様子である。ジョンが各メンバーに演奏に関する指示を出している。ジョンの「わかったか、ボーイズ?」に対し、ポールが変声で「了解だよジョニー」と答えているのが面白い。 【12-バー・オリジナル】 ラバーソウルのセッション時に収録されたインスト曲。ずっと未発表曲であったが、アンソロジーで初めて公開された。クレジットはLennon ? McCartney ? Harrison ? Starkeyと4人の連名になっている。当時ジョンはビートルズの未発表曲について「Some Lousy 12 Bar」という曲があるとラジオのインタビューで答えている。ディスク6トラック10は同曲のリハーサルである。奇妙なオルガンが前面に出ており、まるで違う曲のように聞こえる。トラック11のトラック1はきちんとアナウンスが入り演奏が始まるが、曲が始まってすぐジョンが「ごめん!ごめん!」とミスを謝って中断してしまう。そしてポールの高らかなカウントでテイク2が始まる。リズムに合わせてソロを次々に重ねていく曲構成は、およそビートルズとしてリリースするには不似合いな曲である。何らかの意図をもってレコーディングされたのであろうが、発表する前提ではなかったのだろう。 【ALTERNATE MIXES & WORLDWIDE VARIATIONS】 ビートルズのアルバムは時代が緩やかだったこともあり、世界各国によってミックス違いが数多く存在する事が知られている。このような世界各国盤のミックス違いを集めたのが最後のディスクになる。こうして並べて聴いてみると、同じ曲ながらこうまでも違うのかと驚かされることだろう。 DISC FIVE 【I’M LOOKING THROUGH YOU】 October 24, 1965 01. Take 1 BONUS 02. Take 1 “Abbey Road Show” Mix 03. Take 1 “John Barrett” Mix 04. Take 1 “1,2,3,4 Early Sessions” Mix 05. Take 1 “Sessions” Mix 06. Take 1 “Anthology” Mix 07. Take 1 Monitor Mix November 10, 1965 Re-Make 08. Take 4 November 11, 1965 09. Guitar SI (multitrack) 10. Vocals SI + Extra Guitar (multitrack) 11. Take 4 unedited full mix November 15, 1965 12. RM 13. RS US Mix 14. RS US DEXTERIZED Echo Mix 【IN MY LIFE】 October 18, 1965 15. Studio chat from Take 2 16. Take 3 October 22, 1965 17. Early Mix w/different piano 18. Piano original speed 19. Piano double speed October 26, 1965 20. RS BONUS 21. RS US DEXTERIZED Echo Mix MULTITRACKS 22. Instrumental 23. Single Vocal Track 24. Double Tracking Vocals 【WAIT】 June 17, 1965 25. Take 4 November 11, 1965 26. Double tracked vocals (multitrack) 27. Pedal Guitar SI (multitrack) 28. Tambourine and Maracas SI (multitrack) November 15, 1965 29. RS BONUS 30. RS US DEXTERIZED Echo Mix 【IF I NEEDED SOMEONE】 October 18, 1965 31. Take 1 w/Guitar SI (multitrack) 32. Vocals (multitrack) 33. Tambourine SI (multitrack) 34. Rough Mono Mix (partial) October 26, 1965 35. RS DISC SIX 【RUN FOR YOUR LIFE】 October 12, 1965 01. Take 1 (partial) 02. Take 5 w/original live vocal 03. Take 5 Guitar SI (multitrack) 04. Rough Vocal overdub w/dif. Lines 05. Studio Chat 06. Final vocal tracks (multitrack) November 9, 1965 07. RM November 10, 1965 08. RS BONUS 09. RS US DEXTERIZED Echo Mix 【12-BAR ORIGINAL】 November 4, 1965 10. Rehearsal 11. Take 1-breakdown 12. Take 2 November 30, 1965 13. Mono Mix 14. Acetate BONUS 15. Take 2 Anthology Mix ALTERNATE MIXES AND WORLDWIDE VARIATIONS 【DAY TRIPPER】16. US Jukebox 1988 Restored Stereo Mix【WE CAN WORK IT OUT】17. Japanese Odeon EP duophonic【DRIVE MY CAR】18. US “Rock and Roll Music” LP Reverse Stereo【NORGEGIAN WOOD】19. RS US DEXTERIZED Echo Mix 20. Japanese “Ballads” LP Mix 【NOWHERE MAN】21. Original Film Mix【THINK FOR YOURSELF】22. RS US DEXTERIZED Echo Mix【THE WORD】23. RS US DEXTERIZED Echo Mix【MICHELLE】24. UK “Love Songs” Center Mix【WHAT GOES ON】25. US “Yesterday and Today” Duophonic 【GIRL】26. UK “Love Songs” Center Mix 27. “Itunes Love” Mix【IN MY LIFE】28. UK “Love Songs” Center Mix 29. “Imagine” Film Mix

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