世界中のファンの胸を打ち、“21世紀のRAINBOW”を象徴する1曲となった「Carry On... Jon」。「2017年6月28日バーミンガム公演」で1回だけ演奏された名曲をフィーチュアした映像集がリリース決定です。この名曲は演奏された事自体が驚きであり、感動でした。もともとはジョンの死去から1年ほど経った2013年6月に公開された曲。BLACKMORE’S NIGHTの『DANCER AND THE MOON』収録されたインスト曲でした。オリジナルは“ロックの盟友”へ贈るかのようにエレキギターで哀愁のメロディが綴られ、モノトーンのジョン写真に「RIP JON」とだけ記された動画として配信されたのです。それから4年。結局のところ、BLACKMORE’S NIGHTでもホンの数回演奏されただけだったのですが、誰も予想しなかった“ロック回帰”のステージで披露したのです。その美しい調べは、DEEP PURPLEやRAINBOWの名曲群を期待していた観客達の心までも掴み、単なるレア演奏の次元を超えて「2017年6月28日」を特別な日にしてしまったのです。本作は、そんなメモリアルな瞬間をさまざまな映像で切り取ったもの。6種類のライヴ映像と公式に公表されたトリビュート映像のコンピレーションです。まず登場するのは、5種類のオーディエンス・ショット。先日、当店でご紹介した『BIRMINGHAM 2017: THE VIDEO』のカットも含まれていますが、それ以外にも4種類を収録。ステージ正面の1階席から撮ったもの、ステージ左からリッチーを果敢にズームで収めたもの、2階席からの見下ろしショット……。それぞれのアングルで画質も音質も異なりますが、1つ共通しているのは素晴らしい視界です。いずれも遮蔽物がなく、真っ直ぐにステージを見つめられる。本作はネットに溢れる動画を闇雲に集めたのではなく、クオリティで厳選。ブレブレ・グシャグシャな映像など1つもありません。その中でも特に素晴らしいのは、正面からのショット。画質でナンバー1なのは『BIRMINGHAM 2017: THE VIDEO』のカットなのですが、左側からのアングルのため、スクリーンが斜めでした。しかし、正面ショットはジョンの姿が大写しになったスクリーンを真っ直ぐに見つめられるのです。そのクオリティで映し出されるのは、さまざまな視点で見つめるだけの価値があるシーン。シンプルなドラムだけを従え、スポットライトに照らされたリッチーがつま弾く美旋律。その背中には、巨大モニターに映し出される在りし日のジョン。その姿はDEEP PURPLEの若きオルガニストであり、旧交を温めた再編時代であり、年輪を重ねたマエストロでもある。その想い出1つひとつを噛みしめ、哀しみを振り払うように美旋律に没頭するギタリスト……。語る言葉もなく、ただひたすらメロディに想いを込められた名シーン中の名シーンなのです。そして本作には、そんなリッチーの想いを受け止める観客もいる。さまざまなカットには、それぞれに“そこ”にいる観客のため息やどよめき、「Oh, Jon…」の言葉さえも刻まれているのです。曲の前から次曲まで何のMCもなく淡々と進むのですが、スクリーンに映し出されたジョンの姿にリッチーの意志を感じ取り、想いをひとつにするかのように手拍子で参加する。そして、その調べが美しさを増すほどに圧倒され、思わず手も止まってしまう……。そんな刹那が1秒1秒克明に映し出されるのです。そして、6番目の映像はそんなオーディエンス・ショットを組み合わせて作り上げられたマルチカメラ。7番目はオフィシャルで制作されたトリビュート映像です。この公式映像は、現場スクリーンに映し出されたのとほぼ同じもの。この映像に夕日の写真を合成し、ややゆっくりとしたスピードにして使用されています。それぞれに視点は違うものの、いずれも極上視野の傑作ショットばかり。これだけの映像がいくつも残されたのは、それだけ多くの観客が感動したからでしょう。数多く撮影したからこそ、傑作も多くなった。「残したい」と思ったからこそ撮影し、分かち合いたいと思ったからこそ大勢が公開したのです。“21世紀のRAINBOW”は1日1日、1曲1曲に想い出をくれました。その中でももっとも強く、深く、記憶に刻まれるのは、この1曲。そんな「Carry On... Jon」を記録にも残すメモリアル・タイトル。
Live at Genting Arena, Birmingham, UK 28th June 2017 (43:19)
Carry On... Jon #1 Carry On... Jon #2 Carry On... Jon #3 Carry On... Jon #4 Carry On... Jon #5 Carry On... Jon #6 Carry On... Jon #7 (Official)