素晴らしい。あまりにも素晴らしい映像作品が登場です。本作の正体は、かの名作『IN CONCERT 1976』。ビル・ブルーフォードが参加した“A TRICK OF THE TAIL TOUR 1976”のオフィシャル映像です。もちろん、公式品そのものではありません。実はこの映像、プログレッシヴ・ロックのひとつの頂点的作品にも関わらず、これまで重大な欠点が野放しになってきたのです。それは、スピード。これまでVHS、レーザーディスク、さらにはボックス『GENESIS 1976?1982』でDVD化も果たされているというのに、そのどれもが速く、ライヴショウ通りではなかったのです。本作は、そんな公式品に業を煮やした海外のコアマニアが制作したもの。狂っていたスピードを本来のライヴ通りに修正した逸品なのです。その仕上がりは完璧。元々オフィシャルでDVD化された鉄壁の映像美だったわけですが、そこに正しいスピードは演奏のリアリズムも引き上げている。「意図的にスピードを上げることで作品の質を高めていた」とムリヤリ考えることもできますが、本作の“本物感”の前にはそれでも納得できない。なぜオフィシャルが修正の機会逃し続けてきたのか………謎です。正直なところ、これ以上の説明は不要でしょう。これこそ、プログレッシヴ・ロックの“宝”。その“極み”です。「GENESIS+ブルーフォード」だからこそ到達し得た音楽表現を史上最高峰クオリティで収めた芸術作品。今までありそうでなかった歴史的な名作。どうぞ、この世紀の映像芸術を心ゆくまでご堪能ください。 Apollo Theatre, Glasgow, Scotland 9th July 1976 PRO-SHOT Bingley Hall, Staffordshire, England 10th July 1976 PRO-SHOT 1. Introduction 2. I Know What I Like 3. Fly on a Windshield 4. The Carpet Crawlers 5. The Cinema Show 6. Entangled 7. Supper's Ready 8. Los Endos Phil Collins - vocals, drums, percussion Steve Hackett - guitar Mike Rutherford - bass, guitar, backing vocals Tony Banks - keyboards, guitar, backing vocals Bill Bruford - drums, percussion PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.45min.