来日公演の記憶も新しいIRON MAIDENの最新ライヴアルバムが到着です。4月に北米→日本→中国を回った彼らですが、その後はニュージーランド/オーストラリアへ突入。本作は、そのオセアニア・ツアーの代表作です。まずは、日本公演以降の歩みを確認してみましょう。
・4月20日・21日:日本公演(両国国技館)・4月24日・26日:中国公演(北京&上海)・4月29日:クライストチャーチ公演・5月1日:オークランド公演・5月4日:ブリスベン公演【本作】・5月6日:シドニー公演・5月9日:メルボルン公演・5月12日:アデレード公演・5月14日:パース公演
このように、日本2公演、中国2公演の後に実施されたオセアニア・レッグは7公演。本作はその3公演目となる「2016年5月4日ブリスベン公演(オーストラリア)」のオーディエンス・アルバムです。そんな本作の最大の旨みはサウンド。“THE BOOK OF SOULS WORLD TOUR 2016”というと、どういうわけかツアー初期の南北アメリカ・ツアーでロクな録音がほとんどなかった。日本公演が“初めてのマトモな記録”とさえ言えるほど音源不足でした。録音先進国の北米でそのザマなのですから、わずか7公演のオセアニアには期待できない……と思っていたのですが、まさかまさかの大逆転! 本作は日本公演の大傑作『JAPAN FINAL 2016』にも迫る素晴らしいサウンドなのです。正直なところ、日本公演の現場となった両国国技館はロック・コンサートに向いているとは言えず、『JAPAN FINAL 2016』も、名録音家が意地と技術と運を総動員して会場のハンデをひっくり返した名盤でした。それに対し、本作の現場である“ブリスベン・エンターテインメント・センター”は、多目的アリーナではあるものの、コンサートも定期的に行われている会場。本作からも、しっかりとコンサート向きの音響であることが伝わるサウンドなのです。詳しい録音ポジションは伝わっていませんが、そのサウンドは極めてクリアかつダイレクト感たっぷり。熱狂の大歓声も拾っているためにオーディエンス録音なのは間違いありませんが、楽音自体はほとんどサウンドボード・レベルに図太いのです。複雑に絡み合う3本のギター、MAIDENの顔でもあるスティーヴ・ハリスのバッキバキ・ベース、そのベースと幾何学的な骨格を築くニコ・マクブレインのドラミング。いちいちキチキチとキメまくる楽曲のエッジも鋭く伝わるド直球ぶりは、オーディエンスの常識とはちょっと違う次元です。もちろん、その上に轟くヴォーカルもまた、素晴らしい。日本公演でも「これが病み上がりの歌なのか!?」と衝撃を振りまいたヴォーカリゼイションが鮮烈。鋭いシャウトはもちろんのこと、囁く語りの表現の細やかさ、ヴィヴラートの揺れ幅、ロングトーンの艶やかさに至るまで放送音源かのよう。「本当にラインで繋がってないの?」と言いたくなるほどに鮮明なのです。その上で、熱狂の大歓声がまた凄い。『JAPAN FINAL 2016』はACCEPTの男声コーラスを思い起こすような分厚い大合唱でありながら、間近の歌声は皆無という奇跡録音でしたが、本作は間近から遠くまで幅広い。もちろん、耳障りな絶叫はありませんが、多種多様な距離感の唱和が折り重なるタイプなのです。『JAPAN FINAL 2016』の唱和は「美しい」で、本作は「熱い」とでも言えばいいでしょうか。より一層、“現場にいる”感覚のリアリティが鮮烈なのです。南北アメリカ→日本→中国→オセアニアと回ったIRON MAIDENは、現在、南アフリカへ移動中。その後は、いよいよ主戦場ヨーロッパをサーキットする予定です。さすがに南アフリカからは録音は出てこないでしょうから、次なる名録音が登場するのは、恐らく6月中旬以降になるでしょう。本作は、2016年2月から始まった“THE BOOK OF SOULS WORLD TOUR 2016”でも、日本公演と並ぶ名作です。もちろん、何よりもまずは日本が世界に誇る『JAPAN FINAL 2016』こそお勧めいたしますが、本作は「海外公演でも何か」となったときの最有力候補なのです。結成41年にして、未だ全盛期をひた走るIRON MAIDENを極上サウンドで味わえる銘品。日本公演を思い起こしても良し、海外の熱狂にあてられるのも良し、リアルタイムで彼らと共に世界を旅するのも良し。今週末も、どうぞ鋼鉄の処女をたっぷりとお楽しみください!
Live at Brisbane Entertainment Centre, Brisbane, Australia 4th May 2016 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(51:54)
1. Opening Movie: Take The Ed Force One 2. If Eternity Should Fail 3. Speed of Light 4. Children of the Damned 5. Tears of a Clown 6. The Red and the Black 7. The Trooper 8. Powerslave
Disc 2(62:49)
1. Death or Glory 2. The Book of Souls 3. Hallowed Be Thy Name 4. Fear of the Dark Iron Maiden5. Iron Maiden 6. The Number of the Beast 7. Blood Brothers 8. Wasted Years





























