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Paul McCartney ポール・マッカートニー/Live Archives 2010-2012

ポールマッカートニーの70年代はほぼ彼の30代に重なる。才能と意欲が熱く燃えたぎる30代をウイングスというバンドを率いて実り多き70年代を疾走した。そしてそれは80年代以降も続くものと思われていた。しかし80年代の初年度にポールにとって大きな事件が2つ生じた。まず1980年1月、コンサートのために訪れた日本において大麻所持で逮捕されてしまう。ポールは拘留され、いつ終わるかもしれぬ取り調べが続く中、痺れを切らしたバンド・メンバーが帰国してしまう。特に忠実な“フライデー”であったデニー・レインまでも帰国したことで、ウイングスは瓦解してしまう。ポールはバンドを失い、それによりツアーに出る事が不可能となった。そして同年末、ジョンレノンが狂気を帯びた人物に殺害されてしまう。岡田有希子が自殺した時に後追いする若者が続出し、国会でも議題に挙がったように、いつの時代も、どのようなケースにおいても、感化され模倣しようとする人がいるものである。ポールはこの時、次は自分の番ではないか、ステージに立つと客席から撃たれるのではないかと本気で恐れていたようである。結果として、80年代はツアーは一切行なわず、ことライヴ活動という点においては沈黙の時を過ごす事になる。一方で、ツアーにこそ出なかったものの、単発でのライヴ出演はそれなりに数をこなしている。本作は、そんなポールの単発ライヴ出演にスポットを当て、多くのコレクターズ・アイテムには収録されないような、細かいライヴ演奏を年代順に収録したシリーズである。第6弾となる本作は2010年から2012年までの単発ライヴ、テレビ出演、ラジオ出演などを収録している。以下に注目すべき聴きどころを列挙する。 2012年7月14日ブルーススプリングスティーンのコンサートに飛び入りし、一緒に「I Saw Her Standing There」「Twist And Shout」を演奏した。ブルースのバンドの演奏をバックにしているので、通常のポールのライブのものとは趣を異にしている。そのため「I Saw Her Standing There」もかなり歌いまわしを変えたものとなっており、普段と異なるポールを聴くことが出来る。そこから間髪入れずに始まるのは「Twist And Shout」である。ジョンのパートであったリードをポールが歌うとは驚きであろう。2012年7月17日のロンドン・オリンピックでの演奏は記憶に新しいところである。珍しい「The End」の最後の部分のみのバージョンに続き「Hey Jude」を歌った。しかしご存知の通り事前収録のマイミングと実際のライブ音声とのタイミングにズレが生じてしまい、途中で歌詞を飛ばして無理やり合わせようとしている様子が克明に記録されている。この時点でマイミング音声を諦め通してライブ演奏に切り替えたようだ。別ボーカル・バージョンも存在し、本作ではその両方を収録している。そして最大の驚きは2012年9月8日のAFRICA EXPRESSというイベント出演時の演奏である。なんとウイングスでの1979年以来となる「Good Night Tonight」を演奏しているのだ。しかも11分以上に渡る長大な演奏である。この1曲だけでも本作の価値があるというものだ。続く2012年9月8日モータウンのイベントで演奏した「Money」もポールが歌うバージョンは初めてのことではないだろうか。 DISC ONE SATURDAY NIGHT LIVE December 11, 2010 01. Jet 02. Band On The Run 03. A Day In The Life - Give Peace A Chance 04. Get Back GRAMMY AWARDS, USA February 13, 2012 05. My Valentine 06. Golden Slumbers - Carry That Weight - The End (With Joe Walsh & Bruce Springsteen) QUEEN’S DIAMOND JUBILEE, UK June 4, 2012 07. Magical Mystery Tour 08. All My Loving 09. Let It Be 10. Live And Let Die 11. Ob La Di Ob La DaTHE RONNIE WOOD SHOW, UK June 25, 2012 12. Twenty Flight Rock 13. Blues Improvisation 14. Chains 15. That’ll Be The Day 16. Peggy Sue HARD ROCK CALLING, HYDE PARK, UK July 14, 2012 17. I Saw Her Standing There (with Bruce Springsteen) 18. Twist and Shout (with Bruce Springsteen) LONDON OLYMPICS 2012, UK Rehearsal July 10, 2012 19. I Saw Her Standing There Opening Ceremony, July 17, 2012 20. The End 21. Hey Jude (International Version/mic failure with Backup tape) 22. Hey Jude (American version, alternate vocal intro) DISC TWO HAMPTONS BENEFIT, USA August 11, 2012 01. Twist And Shout (with John Bon Jovi) AFRICA EXPRESS, GRANARY SQUARE KING'S CROSS, UK September 8, 2012 02. Coming Up (with Damon Albarn) 03. Goodnight Tonight PROJECT MOTOWN HARMONY, USA September 18, 2012 04. Money (backstage Rehearsal) 05. Money CONCERT FOR SANDY December 12, 2012 06. Helter Skelter 07. Let Me Roll It 08. Nineteen Hundred and Eighty Five 09. My Valentine 10. Blackbird 11. Cut Me Some Slack 12. I've Got A Feeling 13. Live And Let Die 14. Alicia Keys and all with Empire State of Mind

Paul McCartney ポール・マッカートニー/Live Archives 2010-2012

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