吹き付ける風までもが灼熱だった、1984年夏の西武球場。あの日、真に素晴らしいショウを魅せ、もっとも目映く輝いていたのは、間違いなく蠍団でした。本作は、その輝きを観客側のドキュメントとして記録したオーディエンス・アルバムです。ディスク1には「8月11日」、ディスク2には「8月12日」が収められており、どちらも同一テーパー、同一機材による録音。もちろん、録音者本人から渡されたカセットから直接デジタル化した、完全オリジナル録音です。この録音は、以前「SUPER ROCK '84 TOKYO DAY 1」「同DAY 2」としてリリースされていたもの。現在は、似たコンセプトのMiracle Man録音「TOKYO FIRST DAY」「TOKYO SECOND DAY」がCDになっていますが、それとは別録音です。ANVILやBON JOVIまで録音されていたMiracle Manマスターが選ばれましたが、サウンドだけなら本作も負けてはいない。「こっちの方が好きなんだけどなぁ……」というお客様もいらっしゃいました。実際、そのサウンドは非常に端正で、ディスク1の冒頭こそやや遠いものの、2曲目以降は安定。以降は、2日目のラストに至るまで、野外とは思えないほどベースもズ太い迫力サウンドでたっぷりと楽しめるのです。そして、その醍醐味はやはり臨場感。日本のHR/HM史上に輝くフェスだけに、その現場感覚はたまらない。フェス自体が灼熱で語り継がれていますが、まだ日の高いSCORPIONSの出番は、まさに熱波のピーク。プレスDVDでも、吹く風そのものが体温を超えていそうな暑さを感じさせましたが、観客側の熱気はその数倍と言ってもいい。特に象徴的なのは、ディスク1の「Can't Live Without You」で、イントロから1分ほどから、男性が「誰か!誰か来てよー!」と叫び続ける。近くで誰かが熱中症で倒れたのでしょうが、バンドの熱いパフォーマンスと悲痛な叫びのコントラストは、背筋が寒くなるような超リアリティです。それ以外の曲でも、頭のヒューズが数本焼け飛んだような怒号でコーラスを歌う観客のやけっぱち感……演奏を邪魔するほどではないとは言え、もの凄い迫力です。ディスク2では、音質はさらに素晴らしく向上しつつ、やはり熱狂は凄まじい。聴いているだけで室温が5℃は上がる灼熱ドキュメントです。実のところ「SCORPIONSこそベストアクト」と断言するのも、この録音があればこそなのです。極めて安定していながら、勢いに溢れ、そして観客を熱狂のるつぼに叩き込むライヴ。ウリ・ロート時代はもちろん素晴らしいですが、ドイツの殻を食い破り、全世界を席巻してみせたのは、このパフォーマンスなのです。翌1985年の武道館も素晴らしかったですが、ファンだけではない野外空間をも支配していく黄金期のアーティスト・パワーを感じられるのは、間違いなく本作です。現在「結成50周年」を迎えた蠍団。「今年こそ最後の来日公演があるかも!?」との噂は絶えないところですが、今まで幾多の伝説を築いてきた来日公演の中でも“SUPER ROCK ’84”は、格別に熱い一発でした。再会の実現を心から願いつつも、今はただ、31年前の熱狂に酔いしれようではありませんか。
Live at Seibu Stadium, Saitama, Japan 11th & 12th August 1984 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1
Live at Seibu Stadium, Saitama, Japan 11th August 1984
1. Blackout 2. Coming Home 3. Bad Boys Running Wild 4. Make It Real 5. Big City Nights 6. Coast To Coast 7. Rock You Like A Hurricane 8. Kojo No Tsuki 9. Can't Live Without You 10. Dynamite 11. The Zoo 12. Can't Get Enough
Disc 2
Live at Seibu Stadium, Saitama, Japan 12th August 1984
1. Intro. 2. Blackout 3. Coming Home 4. Bad Boys Running Wild 5. Make It Real 6. Big City Nights 7. Coast To Coast 8. Rock You Like A Hurricane 9. Kojo No Tsuki 10. Can't Live Without You 11. Dynamite 12. The Zoo 13. Can't Get Enough
Klaus Meine - Vocals Rudolf Schenker - Rhythm Guitars Matthias Jabs - Lead Guitars Francis Buchholz - Bass Herman Rarebell – Drums





























