往年のイメージを取り戻した力作『KILLING THE DRAGON』を発表しつつ、さらに本来のギタリストも復帰した2003年のDIO。その現場を伝えるとんでもないライヴアルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「2003年7月22日ハートフォード公演」。その超・極上オーディエンス録音です。本作の何か「とんでもない」かと言えば、取りも直さずクオリティなのですが、もう1つポイントなのがギタリスト。一般に“KILLING THE DRAGON TOUR”と言うとダグ・アルドリッチのイメージがありますが、彼はツアー中に脱退してWHITESNAKEへ加入してしまいました。そんな状況を理解する意味でも、当時のスケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。2002年《5月21日『KILLING THE DRAGON』発売》・5月31日-8月4日:北米#1(44公演)・8月27日-10月9日:欧州#1(33公演)・11月8日-12月15日:北米#2(26公演)←※公式映像
2003年《4月:ダグ離脱→クレイグ・ゴールディ復帰》・6月26日-7月12日:欧州#2(12公演)・7月21日-8月30日:北米#3(28公演)←★ココ★ これが2002年/2003年のDIO。ツアーの模様は公式映像『EVIL OR DIVINE』でもお馴染みですが、その後にダグが離脱。家庭の事情で抜けていたクレイグ・ゴールディが復帰しました。本作のハートフォード公演は、クレイグ復帰後となる「北米#3」の2公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は「超」の付く極上のオーディエンス録音……です、たぶん。頼りなげな書き方になってしまいましたが「本当にコレがオーディエンス!?」との疑念が頭の中をグルグル回ってしまう。ギターもヴォーカルも距離感どころが脳内侵入レベルのシンクロ感ですし、ベースもゴリッゴリのバッキバキなら空間感覚の出やすいスネアも超密度。ヘッドフォンを付けて目を閉じ、耳を澄ませてオーディエンスらしさを探してみると……見つからない。曲間に沸き立つ喝采の中に生々しい会話が少しあるかな……という次元。まるでサウンドボード……いえ、このまま公式のデラックス・エディションにできてしまう超極上の音世界なのです。そんなサウンドで描かれるのは、本来の姿となったDIO。この日はIRON MAIDENやMOTORHEADとのカップリング(なんて贅沢!)なのでショートセットなのですが、そこに定番の名曲もこの時期ならではのレパートリーも濃縮。ギタリストは異なるものの、『EVIL OR DIVINE』と比較しながら整理してみましょう。DIO・HOLY DIVER:Stand Up And Shout/Rainbow In The Dark/Holy Diver・THE LAST IN LINE:The Last In Line/I Speed At Night(★)
・DREAM EVIL:Dream Evil(★)・KILLING THE DRAGON:Killing the Dragon/Rock and Roll その他・RAINBOW:Stargazer(★)・BLACK SABBATH:Heaven And Hell ※注:「★」印は『EVIL OR DIVINE』では聴けない曲。……と、このようになっています。いつも通りの「クラシックス+新曲」スタイルではありますが、細かく見ると色々と美味しい。『THE LAST IN LINE』の隠れ名曲「I Speed At Night」や『DREAM EVIL』のタイトル・トラック、さらにはRAINBOWの「Stargazer」も復活。ダグも器用ではありますが、ロニー歴代の名曲を熟知しているのはクレイグの方であり、どんなレア曲でも対応できる。さらに新曲の「Rock and Roll」もポイント。アルバム『KILLING THE DRAGON』でギターを弾いていたのは勿論ダグですが、曲づくりに携わっていたのはクレイグであり、「Rock and Roll」も彼のペンによる曲。真のオリジネイターによるバージョンを極上サウンドで体験できるわけです。そして、そのセットを綴る演奏がまた素晴らしい。とにかくロニーがえらく絶好調。さすがに歌鬼も2005年あたりから伸びに陰りが見えてきましたが、2003年の本作にはその予兆すらない。北米ツアー2公演目というタイミングからか、MOTRHEADやIRON MAIDENへの対抗心からかは分かりませんが、いつも以上に歌い込みが熱く、ねちっこい。さらに特筆すべきはサイモン・ライト。後期DIOでは少しずつコージー・ネタを導入していったわけですが、ここではドラムソロにチャイコフスキーの「1812年」を使用! まさにあのドラマティック・ソロを再現してくれるのです。とにもかくにも、ド肝を抜く超極上サウンド。本当にオーディエンスなのか疑念が拭えず、卓直結サウンドボードだとしても超極上レベルという超絶のクオリティにビビるライヴルバムです。実のところ、クレイグの弾く後期DIOがそれほど珍しいわけではなく、“KILLING THE DRAGON TOUR”にしてもダグの『EVIL OR DIVINE』の方が貴重かも知れません。しかし! このド級サウンドはちょっと他では聴けません。その音世界で絶好調のロニーが吠え、「I Speed At Night」が駆け抜け、「1812年」が轟き渡る。ハッキリ言って公式盤『EVIL OR DIVINE』も問題にならない大充実の1枚。
Live at the Meadows Theater, Hartford, CT, USA 22nd July 2003 ULTIMATE SOUND (52:15)
1. Intro 2. Killing the Dragon 3. Last In Line 4. Stargazer 5. Stand Up And Shout 6. Drum solo 7. Rock and Roll 8. I Speed At Night 9. Dream Evil 10. Guitar Solo 11. Rainbow In The Dark 12. Holy Diver 13. Heaven And Hell
Ronnie James Dio - Vocals Craig Goldy - Guitars Jimmy Bain - Bass Simon Wright - Drums Scott Warren - Keyboards





























