『DAMN THE TORPEDOES』のブレイクスルーから3作連続で全米トップ10に送り込み、波に乗っていた『LONG AFTER DARK』時代のトム・ペティ。その新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に記録されているのは「1983年3月14日ミルウォーキー公演」。その極上オーディエンス録音です。1983年のトムと言えば、本業だけでなくスティーヴィー・ニックスの『THE WILD HEART』にも参加するなど、ヒットメイカーとして大活躍。まずは、そんな当時のスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1982年・6月6日:PEACE SUNDAY COMMITTEE BENEFIT出演
・9月1日-19日:北米#1(4公演)・11月1日:パリ公演《11月2日『LONG AFTER DARK』発売》・11月30日-12月21日:欧州(14公演)1983年・1月17日-4月25日:北米#2(57公演)←★ココ★・6月1日-11日:北米#3(6公演)《6月10日『THE WILD HEART』発売》これが1982年/1983年のトム・ペティ。本作のミルウォーキー公演は、“LONG AFTER DARK TOUR”でもメインとなる「北米#2」の34公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作はごく最近になって発掘された初登場マスターなのですが、これが「超」の付く極上のオーディエンス録音。現在、世界は新型コロナ・パンデミックによって外出規制の嵐が吹き荒れており、その苦しみを少しでも癒そうとコレクターや録音家達が秘宝を続々と公開している。本作もその中から登場した銘品なのです。そして、本作のサウンドはその役割を見事に果たしてくれる。何よりも素晴らしいのは、力強く真っ直ぐに届く芯。響き渡るヴォーカルにほんのりとしたホール鳴りが感じられるのでオーディエンス録音と分かるものの、オンな感触も細やかなディテールも客録の常識を遙かに超えている。オーディエンスらしさが出やすいスネアも密度タップリならベースも腹にずっしりと響き、ピアノのタッチも超詳細。それ以上なのがギター。低音のヴァイヴは波形が目に浮かぶほど細やかですし、ちょっとしたコード・カッティングは鳴っている弦の本数が感じられるほど。さらに、オーディエンス・ノイズまで美しい。ヘッドフォンで耳を澄ますとちょっとだけ近い拍手も聞こえますが、ほとんど間近音がない。曲間に沸き立つ大喝采も骨太な演奏音より遙か遠く、黄色い嬌声のうねりが巨大なスペクタクルを醸しつつ、演奏音とのコントラストが見事。まったくもって「80年代にしては」の枕詞の要らない極上録音なのです。そんなサウンドで描かれるのは、今をときめく名曲群の宝庫。80年代のトムと言えば、伝統の公式盤『PACK UP THE PLANTATION: LIVE!』も浮かびますが、まったく異なるセットなのです。ここでは比較しながら整理してみましょう。・アメリカンガール:Breakdown/American Girl・ユア・ゴナ・ゲット・イット!:Listen To Her Heart(★)/I Need to Know・破壊:Don't Do Me Like That(★)/Here Comes My Girl(★)/Refugee
・ハードプロミス:A Thing About You(★)/The Waiting/A Woman in Love (It's Not Me)(★)/Kings Road(★)・ロング・アフター・ダーク:A One Story Town(★)/You Got Lucky/Change of Heart(★)/Deliver Me(★)/Straight Into Darkness(★)
・カバー:Hang On Sloopy(THE VIBRATIONS)(★)/Shout(THE ISLEY BROTHERS)※注:「★」印は公式盤『PACK UP THE PLANTATION: LIVE!』で聴けない曲。……と、このようになっています。やたらと「★」印が目立ちますが、それもそのはず。本作で披露される全18曲のうち、『PACK UP THE PLANTATION: LIVE!』と被るのは7曲だけなのです。しかも、その中身もバラエティ豊か。「Listen To Her Heart」のような定番も美味しいですが、80年代ならではの「A Thing About You」や「Kings Road」、このツアーだけの「A One Story Town」やTHE VIBRATIONSのカバー「Hang On Sloopy」など、貴重なレパートリーも盛りだくさん。極めつけは新曲の「Deliver Me」でしょう。何しろ、ライヴ演奏された記録がこのショウしかない。まさに究極の激レア曲を極上サウンドで楽しめるのです。その後も90年代初頭まで続くトム・ペティ&THE HEARTBREAKERSの快進撃。そんな栄光の黄金時代を現場体験させてくれる極上の初登場ライヴアルバムです。同時リリースの『COSTA MESA 1990 MIKE MILLARD ORIGINAL MASTER TAPES』も超絶ですが、本作もまた2020年だからこそ味わえる衝撃の新発掘。
Live at Mecca Arena, Milwaukee, WI, USA 14th March 1983 ULTIMATE SOUND
Disc 1(42:51) 1. Intro 2. A One Story Town 3. Listen to Her Heart 4. A Thing About You 5. MC 6. You Got Lucky 7. I Need to Know 8. Don't Do Me Like That 9. Here Comes My Girl 10. Change of Heart 11. MC 12. The Waiting
Disc 2(62:29) 1. Hang On Sloopy 2. Deliver Me 3. MC 4.Straight Into Darkness 5. A Woman in Love (It's Not Me) 6. Kings Road 7. Breakdown 8. Refugee 9. Shout 10. MC 11. American Girl
Tom Petty - lead vocals, guitars Mike Campbell - guitars Howie Epstein - bass, backing vocals Benmont Tench - keyboards, backing vocals Stan Lynch - drums, backing vocals





























