スピーディーなファンクで猪突猛進する、ソリッドでクールなサウンドが持ち前のディーファンクト(デファンクト)。ある種の攻撃的さが唯一無二で、絶対に聴き手を躍らせることを使命としているかのようです。プリンスのライブ・バージョンのIrresistible Bitchを終始ライブで行っている、とでも説明すればプリンス・ファンにはそのファンクネスわかったもらえるでしょうか。今回彼らの全盛期の大変貴重なライブをこれでもかと詰め込んだタイトルの登場です。 CD 1 Mariahissen Stockholm Sweden 1981 (Broadcasted December 22, 1981 Swedish Radio P3 "Tonkraft") 1 Blues 2 Strangling Me With Your Love 3 Smooth Love 4 Make Them Dance 5 Avoid the Funk 6 Defunkt 7 In The Good Times 8 Illusion 80年にファーストDefunktをリリース、その頃の81年のストックホルムでのライブを、エアチェックしたカセットからリマスタリング、1曲目Bluesの冒頭と最後のIllusionがカットされておりその周辺がテープの寄れのため少し音が悪いですがそれら以外は大変良好なサウンドボード録音となっています。82年リリースのセカンドThermonuclear Sweatからの曲Avoid The Funkも既に披露されており、ファーストとセカンドがディーファンクトの傑作とされており、ある程度素晴らしい楽曲が網羅されていると言って良いでしょう。 CD 2 First Avenue Minneapolis March 8 1982 1 In The Good Times 2 Avoid The Funk 3 unknown title 4 Blues 5 Make Them Dance 6 Tried To Live Alone 7 Slow Down 8 Illusion 9 Big Bird (Au Private) 10 Stranglin' Me With Your Love 11 Defunkt 12 Believin' In Love 13 The Razor's Edge プリンスを出世させたことで有名なファースト・アヴェニューでのライブを良好オーディエンス録音でテープの入れ替え部分でのカット等を除けばほぼコンプリートで収録しています。81年のストックホルムより充実したセットリスト、ラストには当時12インチのリリースをしたThe Razor's Edgeをプレイ。また未発表曲らしきタイトルも演奏しています(3曲目です)。この日プリンスはザ・タイムを前座にしライブを行っています。実はディーファンクトが最初にファースト・アヴェニューでのライブをブッキングしていたのですが、プリンスもしたいと突如言い出して、デファンクトはプリンス達より前に演奏せざるを得なくなったのです。この時のプリンス達の演奏は録音されておりブートレッグとして出回っています。しかしこのディーファンクトのライブだけは録音されていませんでした、しかし独自にこのライブを録音したテーパーがいてリリースできたのです。そのテーパーは右側のバルコニーでライブを観ており、誰かに足を踏まれ、誰の仕業かと思ったらなんとプリンス!というハプニング。彼の隣にはボディーガードのビッグ・チックもいました。プリンスはそのまま通り過ぎはせずに止まって足を踏んだことを謝り、一方テーパーは、大丈夫、問題ない、と応え、プリンスにディーファンクトのライブはどうか、と尋ねたそうです。プリンスはとてもホットな演奏だ、と応えました。確かに凄いファンキーな演奏ですから、納得ですよね。そしてチックはテーパーをプリンスから離したい様子だったのですが、テーパーは動かなかったそうです。その時黒のロングのトレンチコートを着て録音機材を隠しながらその機材を固定していたので、その場を離れられなかったから。実際この録音を聴いてみてもそのプリンスとテーパーの会話はどこなのかわかりませんでした。この話が本当かどうかは別として、少なくともプリンスがデファンクトのライブを前倒しさせて、自分が演奏をした、その時のライブであることは間違いないでしょう。 CD 3 Peppermint Lounge NY July 27 1982 1 unknown instrumental 2 Blues 3 Smooth Love 4 In The Good Times 5 unknown instrumental 6 Defunkt 7 unknown title 8. Tried To Live Alone 9. unknown instrumental 10. Ooh Baby 11. Believin' In Love 12. applause 13. Thermonuclear Sweat 冒頭から超ソリッドなジャズ・ファンクを聴かせてくれる82年のニューヨークでのライブを良好オーディエンス録音で収録。ここでもアルバムには未収録の未発表曲がプレイされており、ボサノバあり、トラッドっぽいジャズあり、どれも素晴らしい演奏です。やはりカセット録音のようで、途中で交換のため音が切れる箇所があります。ラストのJBのCold Sweatを激ファンク化したThermonuclear Sweatは悶絶モノです。 CD 4 + 5 Danceteria NY December 13 1985 CD 4 1 soundcheck 2 Eraserhead 3 Peace Of Mind 4 Don't Take My Mind 5 Change - false start 6 Change 7 Tried To Live Alone 8 Cold Sweat* CD 5 1 Love You From Afar* 2 Defunkt* 3 Strangling Me With Your Love* 4 Big Bird (Au Private)* 5 Illusion* 6 Self-Disclosure* *with special guest - James Chance: alto sax/vocal 音のレベルが低いですが、オーディエンス録音としては悪くない貴重な録音です。88年にリリースのIn Americaからのナンバーを多く収録したライブ。ここではThermonuclear Sweatのようなバッキングではありますが実際にJBのCold Sweatをジェームス・チャンスというゲストが歌ってカバーしています。 DVD Metropol Berlin 06.11.1981 Intro In The Good Times Make Them Dance Can't Figure Out Avoid Defunkt Pondering I Tried To Live Alone Strangeling Me With Your Love Blue Bossa Believing In Love Illusion Smooth Love unknown title そして最後はディーファンクトのプロショット映像です。有名なRockpalastです。81年11月6日ベルリン、Meropolでのライブ。こんなステージなのか、と確認できる以上に超絶な演奏が楽しめます。ギターは2枚でカッティングを高速で弾き倒し、グルービーなベースははにかみがちな女性、トロンボーンを吹きながら歌い、トランペットを持ちつつコーラス。白人も黒人も一緒にプレイ。タバコも吸ってリラックス。プリンスもこれは一目置くどころか、このフリーな音楽集団に嫉妬も覚えたはずです。正直当時のファンク・バンドでは異質且つ稀有な存在ディーファンクト。一度知ったらきっと虜になってしまうことでしょう。 Joseph Bowie: trombone, vocals Ronnie Drayton: guitar Pablo Calogero: baritone sax Bill Bickford: guitar John Mulkerin: trumpet Kenny Martin: drums Kim Clarke: bass