そんな本作に刻まれているのは、新名盤『DEFINITIVE RESEDA 1983』と同じ「1983年10月31日リシーダ公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。冒頭でお話しした「3大サウンドボード」とは、伝統の日本公演オフィシャル、『LIVE GAMES』でもお馴染みのクリーヴランド公演、そして本作のリシーダ公演のこと。特にリシーダ公演は、最古のサウンドボードとして知られています。まずは、当時のスケジュールから3大名盤のポジションを整理してみましょう。1983年・9月1日+12日:ロサンゼルス(2公演)《10月15日『NO PAROLE FROM ROCK 'N' ROLL』発売》・10月31日:ロサンゼルス公演 ←★ココ★・11月18日:サンフランシスコ公演・12月21日:ハンティントン・ビーチ公演・12月26日:ミルウォーキー公演 1984年・1月24日ー29日:初来日(5公演)←※公式映像・2月19日ー4月21日:北米#1(11公演)・5月23日ー7月8日(?):北米#2(19公演)←※LIVE GAMES《イングヴェイ脱退→ヴァイ加入》 ・7月13日:カリフォルニア公演・10月3日ー11日:日本#2(5公演) これが1983年/1984年のALCATRAZZ。実のところ、イングヴェイ・マルムスティーンやマイケル・シェンカーは世界的な検証が進んでおらず、当時の記録も拙いものばかり。上記も矛盾のある複数の資料を組み合わせていますので、公演数などの細部は信じないでいただきたいくらいです。ともあれ、このショウは古くから名物番組“CAPTURED LIVE!”で放送された事でも有名で、現在ではオフィシャル盤『LIVE '83』でも広く知られるようになった大定番。この度『DEFINITIVE RESEDA 1983』によって最高峰が更新されましたが、本作は「従来マスターののベスト・バージョン」なのです。ざっくばらんに言えば、役目を終えた既発。「在庫処分?」と思われてしまうと身も蓋もないのですが、それだけではありません。そのポイントは「音楽アルバム感覚」。新名盤『DEFINITIVE RESEDA 1983』はサウンドだけではなく、DJも完全収録した長さも過去最長を更新していました。しかし、その一方でDJはドキュメント的な「ラジオ・アルバム」感覚を演出する代わりに、ライヴアルバム感は減退する。本作は冒頭から終わりまで「音楽作品」として聴き通せるのです。そして、もう1点がボーナス。「1984年1月28日:中野サンプラザ公演」の公式サウンドボードから6曲を追加収録しています。現在では『LIVE IN JAPAN 1984 (Complete Edition)』もリリースされているわけですが、当時は『LIVE SENTENCE』では未収録の6曲でした。こちらも役目は終えているものの、偶然そのうち4曲「Big Foot」「Lost In Hollywood」「Kojo No Tsuki」「Something Else」が本編リシーダ公演サウンドボードでは聴けないレパートリーでもあった。激レア「General Hospital」も聴けるリシーダ公演が「生演奏版NO PAROLE FROM ROCK 'N' ROLL」だとするなら、そこから更にバラエティを広げてくれるボーナスでもあるのです。最高峰を更新されたとは言え、本作も十二分に「超」付きの極上ステレオサウンドボード・アルバム。やたらめったら音圧稼ぎしていた公式盤『LIVE '83』よりもナチュラル感に優れた旧マスターのベスト・バージョンです。Live at the Country Club, Reseda, CA, USA 31st October 1983 STEREO SBD 1. Too Young To Die, Too Drunk To Live 2. General Hospital 3. Kree Nakoorie 4. Island In The Sun 5. Evil Eye 6. Since You Been Gone 7. Hiroshima Mon Amour 8. Suffer Me 9. Desert Song 10. Jet To Jet Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 28th January 1984 11. Big Foot 12. Suffer Me 13. Desert Song 14. Lost In Hollywood 15. Kojo No Tsuki 16. Something Else STEREO SOUNDBOARD RECORDING Graham Bonnet - Vocal Yngwie Malmsteen - Guitar Jimmy Waldo - Keyboards Gary Shea - Bass Jan Uvena - Drums