マティアス・ヤプスを迎え、黄金時代の扉を開いた1979年のSCORPIONS。そのハイライト公演を伝える極上サウンドボード・アルバムが登場です。そのハイライト・ショウとは「1979年8月25日レディング・フェスティバル」公演。そのステレオ・サウンドボード録音です。“LOVEDRIVE Tour”と言えば、マイケル・シェンカーの離脱やマティアス加入による黄金のフロントラインが完成した時代でもあり、時期によって意味がまったく異なるもの。良い機会でもありますので、1979年の活動全景を振り返ってみましょう。・1月30日:バーゼル公演・2月16日ー24日:欧州#1a(8公演)《2月25日『LOVEDRIVE』発売》 ・2月26日ー4月10日:欧州#1b(33公演)《4月:マイケル・シェンカー離脱》・5月12日ー24日:英国(9公演)・6月3日ー8日:日本(5公演)←※TOKYO 1979 PRE-FM MASTER・7月28日ー8月23日:北米#1(22公演)・8月25日ー9月14日:欧州#2(3公演)←★ココ★・10月3日:フォートワース公演《10月『ANIMAL MAGNETISM』制作開始》・11月3日ー12月7日:北米#2(20公演)これが1979年のSCORPIONS。ツアー序盤の大陸ヨーロッパ篇でマイケルが離脱。5月の英国ツアーからマティアスが加わり、黄金時代が幕を開けました。本作のレディング・フェス出演はその3ヶ月後にあたる「欧州#2」の初日でした。また、この大舞台は想定外の事件でもありました。この年のレディングは初日(8月24日)のトリがTHE POLIS、2日目(8月25日)がTHIN LIZZY、そして最終日(8月26日)はピーター・ガブリエルというラインナップでした。ところが2日目トリのTHIN LIZZYはツアー中にゲイリー・ムーアが脱退した事でキャンセル。その代役として、ヨーロッパでの人気が高まっていたSCORPIONSに白羽の矢が立ったのです。ともあれ、有名フェスのトリという大舞台だけあってその模様はラジオでも放送。そのFMサウンドボードが大定番となってきました。本作はその最高峰を更新する1枚なのです。その要は放送時期。幾多の既発群はほとんどが当時の放送をエアチェックしたものでしたが、本作は90年代になって再放送されたものなのです。そのクオリティは、まったくの別次元。既発群は多少の優劣はあるものの、基本的にはくぐもったヴィンテージ・サウンドボードでした。ところが本作はバリバリ・ギラギラ。曇りや濁りはまったくなく、エッジも鋭ければ、鳴りも鮮やか。「完全オフィシャル級」と呼ぶにはミックスが荒っぽかったりもするのですが、それさえも生々しさを生み出す大事な要素。全力の褒め言葉として「発掘オフィシャル級」と呼びたいリアル・サウンドボードなのです。そんなブリリアント・サウンドで描かれるのは、大舞台に勝負を賭ける大熱演。約40分の放送枠に沿って編集されているだけにフルショウとはほど遠いわけですが、1979年の最高峰でもある来日サウンドボード・アルバム『TOKYO 1979 PRE-FM MASTE』でも聴けない曲もある。ここで比較しながら整理しておきましょう。ラヴドライヴ(4曲)・Loving You Sunday Morning/Lovedrive/Always Somewhere/Another Piece Of Meat ウリ時代(4曲+α)・テイクン・バイ・フォース:We'll Burn The Sky/He's A Woman - She's A Man(★)・その他:Backstage Queen/Instrumental/Robot Man(★)※注:「★」印は『TOKYO 1979 PRE-FM MASTER』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。8曲(+α)というのはいかにも短いですが、約41分という尺はアナログLP感覚でもある。そして何より、その中身が濃密。ウリ時代よりもシャープな正道ハードロック・サウンドが確立され、クラウス・マイネのヴォーカルもキャリア・ハイの凄まじさ。マティアスは泣きに関しては前任2人に遠く及ばないものの、鋭い切れ味は歴代No.1。力尽くで黄金時代をたぐり寄せるような爆発力がスピーカーから噴き出してくるのです。最強ラインナップを固めた彼らは、快進撃を開始。4年後のUS FESTIVALではオジー・オズボーンやJUDAS PRIESTと並んで「欧州から来たヘヴィメタルなる新しい音楽」を象徴するまでに至りました。本作は、そんな黄金時代の幕開けを脳みそド直結の極上サウンドボードで味わえる歴史遺産です。「1979年8月25日レディング・フェスティバル」公演のステレオ・サウンドボード録音。以前から定番のFMサウンドボードですが、本作は90年代に再放送されたアップグレード・バージョン。くぐもった既発群とはとは次元が違うギラギラ・サウンド。曇りや濁りはまったくなく、エッジも鋭ければ、鳴りも鮮やか。生々しさも鮮烈な発掘オフィシャル級です。『TOKYO 1979 PRE-FM MASTE』でも聴けない「He's A Woman - She's A Man」「Robot Man」や大舞台に臨む大熱演が脳みそに直接流し込まれる文化遺産アルバムです。Reading Festival, Richfield Avenue, UK 25th August 1979 STEREO SBD(UPGRADE) (41:07) 1. Backstage Queen 2. We'll Burn The Sky 3. Loving You Sunday Morning 4. Love Drive 5. Always Somewhere 6. Instrumental 7. He's A Woman - She's A Man 8. Another Piece Of Meat 9. Robot Man Klaus Meine - Vocals Rudolf Schenker - Guitar Matthias Jabs - Guitar Francis Buchholz - Bass Herman Rarebell - Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING