デビュー30周年でありながら、企画作『TRANCE VISIONARY』『PSYCHIC TERRORISM』『BARE BONES』で知られるマーク・バーチ時代のWISHBONE ASH。その現場を極上体験できる貴重なオリジナル録音が全世界初公開です。そんな本作に吹き込まれているのは「2000年4月29日コールビル公演」。その極上オーディエンス録音です。当時のWISHBONE ASHはとにかく謎だらけ。普段ならここでツアー日程で活動の様子を解説するところですが、それもできない。多少ライヴ日程のデータは残っていてもとても全体像が掴めるほどではなく、世界のどこで、どのくらいのツアーをやっていたのかまったく掴めないのです。案の定、本作のコールビル公演のデータも知られていなかったのですが、日程からすると公式映像『30TH ANNIVERSARY CONCERT』のちょうど一週間前。同じく30周年ツアーの一環だと思われます。そんな謎の時代の現場を真空パックした本作は、まさに極上のライヴアルバム。独自ルートでもたらされた初公開マスターなのですが、これがとんでもなく素晴らしい極上品。スネアの音色から言ってオーディエンス録音に間違いはないのですが、オンな芯の力強さ、距離をまるで感じさせない鮮やかさ、機微の機微まで鮮明なディテール、クリスタル・クリアに透き通った空気感……。すべてがそんじょそこらのサウンドボードが裸足で逃げ出すレベルなのです。実際、ギター2本は絡み合っても混じり合わずに細やかなフレーズまでキッチリと味わえますし、そこに重なるヴォーカルもコーラスが以下に重なっても1人ひとりまで聞き分けられる。ベースは1つひとつのアタックがくっきりと描かれ、それが連なることで生み出されるグルーヴも芳醇。もちろん、ドラムもキットの構造が目に浮かぶほどリアルで美しいベース・ラインと綺麗に絡み合う。それぞれの楽器が生み出すノートを「糸」とするなら、それを編み上げたタペストリーの編み目の1つひとつまで見極められる超鮮明サウンドなのです。そんな客録離れしたくっきりサウンドで描かれるのは、歴史の闇から浮かび上がったフルショウ。前述の通り、2000年のライヴは映像作『30TH ANNIVERSARY CONCERT』にも残されていますが、本作は似て非なるセット。ここで比較しながら整理してみましょう。オリジナル・メンバー時代(7曲+α)・百眼の巨人アーガス:The King Will Come/Throw Down The Sword(★)/Sometime World(★★)/Blowin' Free (Bad Weather Blues)・その他:Phoenix/Vas Dis(★★)/Everybody Needs A Friend(★★)その後(6曲)・ローリー・ワイズフィールド時代:F.U.B.B./Come In From The Rain/Living Proof/Master Of Disguise(★★)・ストレンジ・アフェア:Wings Of Desire(★)/Strange Affair ※注:「★」印は公式作『30TH ANNIVERSARY CONCERT』で聴けなかった曲。特に「★★」印は『LIVE DATES 3』を併せても聴けない曲。……と、このようになっています。公式映像『30TH ANNIVERSARY CONCERT』では(当時の)新曲「No Joke」なども演奏していましたが、一週間後の本作はクラシックス重視。ほとんどが『JUST TESTING』以前のレパートリーなのです。もちろん、ただのグレイテスト・ヒッツではなく、「Vas Dis」や「Come In From The Rain」といった貴重曲も披露。特に「Master Of Disguise」「Everybody Needs A Friend」辺りは、ライヴ演奏されていた事実自体を初めて知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。30周年を祝いつつ、結局オリジナル・アルバムを残すことなく終わったマーク・バーチ時代。そのフルショウを現場体験できる初公開ライヴアルバムです。「もう1つの30TH ANNIVERSARY CONCERT」と呼べるほど極上のリアル・サウンドも眩しい新名盤。「2000年4月29日コールビル公演」の極上オーディエンス録音。独自ルートでもたらされた全世界初公開マスターで、オンな芯の力強さ、距離をまるで感じさせない鮮やかさ、機微の機微まで鮮明なディテール、クリスタル・クリアに透き通った空気感……すべてが極上。そんじょそこらのサウンドボードが裸足で逃げ出すレベルです。一週間前の公式映像『30TH ANNIVERSARY CONCERT』では聴けない曲もたっぷりの新名盤です。Century Theatre, Coalville, Leicestershire, UK 29th April 2000 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc 1 (53:50) 1. Intro 2. Come in From the Rain 3. Living Proof 4. The King Will Come 5. Throw Down the Sword 6. F.U.B.B. 7. Wings of Desire 8. Master of Disguise 9. Everybody Needs a Friend Disc 2 (48:18) 1. Band Introductions 2. Sometime World 3. Strange Affair 4. Phoenix 5. Blowin' Free / Bad Weather Blues 6. Vas Dis Andy Powell - guitar, vocals Mark Birch - guitar, vocals Bob Skeat - bass, backing vocals Ray Weston - drums, percussion