新たな音楽「ヘヴィメタル」を全世界に広めたジェイク・E・リー時代のオジー・オズボーン。その現場を定点観測できる姉妹のライヴアルバムが同時リリース決定です。姉妹作の正体は、同一録音家による“BARK AT THE MOON Tour”・“THE ULTIMATE SIN Tour”の同会場録音。本作は、その後編にあたる「1986年5月13日アルバカーキ公演」の初登場オーディエンス録音です。ジェイク時代の2つのツアーを同じ条件で聴き比べられる姉妹リリース。“THE ULTIMATE SIN Tour”の本作もツアー全景から振り返ってショウのポジションを確認してみましょう。1986年・2月6日ー3月4日:英国(20公演)《2月22日『罪と罰』発売》・3月27日ー5月20日:北米#1(37公演)←★ココ★・5月24日ー6月2日:日本(7公演)・6月10日ー17日:北米#2a(6公演)・7月2日ー8月3日:北米#2b(24公演)・8月16日ー31日:欧州(MOR4公演)・9月5日ー10月12日:北米#3(25公演)1987年・2月23日:ロサンゼルス(ジェイク最終公演)これが『罪と罰』にまつわる活動全景。メンバーが激しく入れ替わった“BARK AT THE MOON Tour”とは違い、メンツを固定して世界を駆け巡りました。本作のアルバカーキ公演は、その序盤である「北米#1」。その33公演目であり、来日の約10日前という直前のコンサートでした。また、この「北米#1」のカンサス・シティ公演が公式映像『THE ULTIMATE OZZY』ともなったわけですが、本作はその1ヶ月半後でもあります。そんなショウを真空パックした本作は、同時リリースとなる『ALBUQUERQUE 1984』の妹録音。同会場・同録音家に加え、機材まで同一(アイワのTPS-30)ならポジションも近い(アリーナ左側)という完全姉妹作です。しかも、本作はそんな新録音を「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリング。原音の可能性を最大原因引き出した最高峰盤なのです。ただし、2年の差で出音が違ったのか、サウンドは本作の方がより一層オンでクリア。ギターやリズム隊は『ALBUQUERQUE 1984』と良い勝負かも知れませんが、ゼロ距離感覚で迫ってくるヴォーカルの密着感は絶大です。そんな演奏音以上に違いを感じるのは、現場のムード。とにかくスゴい盛り上がり! 新作『罪と罰』はオジー初の全米トップ10入り(6位)を果たしたわけですが、その熱量がスピーカーから吹き出すよう。さすがに演奏が始まれば当代きってのメタル・サウンドに熱狂も掻き消されますが、曲間になると間欠泉のように大歓声が沸騰する! オジーは常にシーン最大級の人気者であり続けてきたわけですが、本作から透ける人気ぶりはマイケル・ジャクソンかプリンスかと思うほどの凄まじさ。いやはや、80年代アメリカのオジー人気がここまでとは……(繰り返しになりますが、もちろん1曲1曲の演奏が始まればしっかり音楽アルバムとして聞き込めます)。そんな灼熱サウンドで描かれるのは、オジー史上でも最も個性的と言われる“THE ULTIMATE SIN Tour”のフルショウ。今回はジェイク時代の2つのツアーを定点観測できる貴重な機会ですので、同時リリースの姉妹作『ALBUQUERQUE 1984』との比較で整理してみましょう。ジェイク・E・リー時代(6曲)・月に吠える:Bark At The Moon・罪と罰:Never Know Why(★★)/Shot In The Dark(★)/Killer Of Giants(★)/Thank God For The Bomb(★★)/Secret Loser(★★)その他(7曲)・ランディ時代:Suicide Solution/Mr. Crowley/I Don't Know/Crazy Train/Flying High Again・サバス時代:Iron Man/Paranoid ※注:「★」印は同会場の姉妹作『ALBUQUERQUE 1984』では聴けない曲。特に「★★」印はこのツアーだけの限定曲。……と、このようになっています。このツアーだけの限定曲「Never Know Why」「Thank God For The Bomb」「Secret Loser」も美味しいですが、それ以上に大きいのは配分。ランディ時代を踏襲していた“BARK AT THE MOON Tour”から一転、一気にジェイク時代の名曲が大増量しており、ショウの約半分を占める大躍進となっているのです。オジーのソロライヴと言えば、80年代は『ブリザード・オブ・オズ』の一極集中、90年代は『ブリザード』&『ノー・モア・ティアーズ』の二本柱が基本スタイル。散りばめられる新曲はせいぜい2ー3曲というところで、こんなに大量の新曲を導入したのは、後にも先にも“THE ULTIMATE SIN Tour”だけ。しかも、その新曲がことごとくレア。上記の限定曲3つだけでなく、「Shot In The Dark」「Killer Of Giants」もいつでも演奏するド定番というわけではない。これこそが前述した「オジー史上でも最も個性的」の正体なのです。同会場・同録音家コレクションでジェイク時代の2つのツアーを体験できる姉妹作。その妹篇アルバムです。ソング・ライターとしても非凡だったジェイク・E・リーの才気が大爆発した“THE ULTIMATE SIN Tour”を現場体験できる名作。「1986年5月13日アルバカーキ公演」の初登場オーディエンス録音。『ALBUQUERQUE 1984』と同会場・同録音家・同機材の姉妹作で、大元カセットからダイレクトにデジタル化された銘品で、サウンドはより一層オンでクリア。特にゼロ距離感覚で迫ってくるヴォーカルの密着感は絶大です。『罪と罰』大ヒット中の熱狂は凄まじく、姉妹作と合わせれば、ジェイク・E・リー時代の2つのツアーを定点観測できる貴重な姉妹作です。Tingley Coliseum, Albuquerque, NM, USA 13th May 1986 TRULY AMAZING SOUND 1. Carl Orff "Carmina Burana" 2. Bark at the Moon 3. Suicide Solution 4. Never Know Why 5. Mr. Crowley 6. Shot in the Dark 7. I Don't Know 8. Killer of Giants 9. Guitar Solo 10. Thank God for the Bomb 11. Flying High Again 12. Secret Loser incl. drums solo 13. Iron Man 14. Crazy Train 15. Paranoid Ozzy Osbourne - Vocals Jake E. Lee - Guitar Phil Soussan - Bass Randy Castillo - Drums John Sinclair - keyboards