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Fleetwood Mac フリートウッド・マック/NJ,USA 1975 Complete S & V

リンジーとスティーヴィーが参加した最初の75年全米ツアーより、米国ニュージャージー・キャピトルシアター会場で行われた驚きの完全未発表プロショット白黒映像(DVD)とSBD音源(CD)。収録はどちらも10月17日の公演ですが、この日は午後のアーリー・ショウと夜のレイト・ショウとして2回行われており、SBD音源となるCDにはアーリー・ショウを収録し、DVDにはこれまで謎に包まれていた完全未発表のレイト・ショウを極上プロショット白黒映像+極上ライン音質で収録しています。メンバーチェンジ後間もないこの時期のマックの未発表映像はまさに衝撃です!まずはアーリー・ショウを収録したCDから御紹介しましょう。これの元ソースはアメリカのFM番組『キング・ビスケット・フラワー・アワー』で1990年に放送された発掘音源ですが、本盤はこれに徹底したノイズ除去を施して原音の響きを最高値で届くよう細心の注意を払ってリマスタリング収録したものです。恐らく現時点でこれがベストの音質・品質と言って差し支えないでしょう。例えばトラック(1)のイントロ部分で出てくる特殊楽器・フレクサトーンの響きが左右に大きく振られるシーンが出てきますが(00分11秒付近~19秒)、ここで既にその圧倒的な透明度とワイドなステレオ感に驚かれると思います。その響き豊かな音像の中から「Station Man」が厳かにスタートしてゆきますが、3つの楽器と2つの声(クリスティンとスティーヴィー)の綺麗に分離したハーモニーがひとつに組み合わさる音像は驚異的です。低音域の明瞭なアタックと空間性もよく出ているので演奏の心地良いドライヴ感もしっかり満喫出来ます。「Spare Me A Little Of Your Love」では浮遊感のある曲想が鮮明な音質で捉えられており、前半のリリカルなパートと曲後半でリズムが大きく動き出すパートの対比が立体感のある艶やかな音像で飛び出してきます。名曲「Rhiannon」ではスティーヴィーの伸びのある歌声が素晴らしい解像度で伝わってきますが、その後ろで鳴るギターの音色も鮮明に捉えており、この新加入の2人がどれだけ当時のマック・サウンドに大きな変革をもたらしたのかがよく分かるシーンとなっています。指弾きによってメロディがより多面的な表情を見せて拡散してゆく様子も克明に報告され、例えばスティーヴィーの歌唱から引き継がれてゆくギターソロ(3分20秒付近~)や、その歌声の後ろで大きく掻き鳴らされるシーン(6分22秒付近~)はそれが実感出来る大きな聴きどころです。「Landslide」もまたこのステレオSBDの極みが感じられる一曲です。ここでは左右で質感高く鳴るギターのアルペジオとセンターから真っ直ぐに届けられる芯の強い歌唱との対比が眩しく、音の輪郭とエッジの深さを実感させてくれるでしょう。一方「I'm So Afraid」は中音域と低音域の魅力がよく出ており、新生マックの濃縮な音の弾き込みが堪能できる一曲です。特に曲後半~終曲ではギターとオルガンの響きが見事に溶け合う様子が報告され(3分56秒付近~終曲)、その音色の膨らみの中にドラマチックな曲想が次々に弾け出る様子を御確認戴けると思います。「World Turning」は分離感の良さに注目です。シャカシャカしたマラカスの音を明瞭に拾っているのは勿論のこと、歌唱メロディ、ハイハットの打音、そしてギターが分離良く聴こえる為、曲の冒頭から弱音表現の豊かさが鮮明に浮き出ています。リズムが動き出す1分53秒付近からの展開も鮮烈で、各パートがこれほどしっかり立った音で楽曲の運動性を報告してくる音源は既発のどのタイトルにも例が無いのではないでしょうか。終曲手前、7分55秒からのギター、ドラム、オルガンが三位一体で同時進行する濃密な響きにも圧倒されること間違いありません。「Don't Let Me Down Again」は1分51秒付近からの色彩豊かなサウンドの広がりが特筆されるでしょう。粒の揃ったハイハットの湿った響き、右チャンネルから鮮烈なグリッサンドで入ってくる鍵盤、そしてメインで鳴り響くギターが素晴らしい音楽対話をしている様子に聴き惚れてしまう筈です。「Hypnotized」は、声と各楽器が濡れそぼった湿り気のある音色でゆっくりと交錯してゆく様子が極上の音質で記録されています。アダルト・タッチの美しい陰影が幾つも描写され、最後の一音まで気を抜けない必殺のラスト・チューンです。そしてDVDディスクには、CDと同日の夜に行われたレイト・ショウを収録。完全初登場の映像で、プロショット・マルチアングルの美麗な白黒の画面に映し出される初々しい新生マックの姿が鑑賞出来ます。こちらもCDサイド同様に徹底したノイズ除去と画質向上を試みた事で、現時点で最高品質映像と言える仕上がりになっている一枚です。レイト・ショウはセットをかなり変えており、アーリー・ショウではプレイしなかった曲が多々含まれているのが特徴でしょう。冒頭の「Get Like You Used To Be」もそのひとつですが、マルチアングルの多彩なショットを程好く交えながら、まずはクリスティンの落ち着いた歌唱がブルージーな曲想に溶け込んでゆく高画質映像にびっくりされると思います。驚かされるのは鮮明な画質だけでなくその収録音も極めて優秀なライン録音であるという点で、喜びと同時に驚嘆のライブ映像が目の前に広がる事をこの1曲目からお感じになる筈です。「Spare Me A Little Of Your Love」からはスティーヴィーも登場。シルクハットを被ったお馴染みの姿ですが、驚くのはその存在感です。ここではいつも通りクリスティンのボーカルをサポートするに留めていますが、既にそのオーラが画面から大きく出ている事に嫌でも気付かされるでしょう。またバンドとしてのアンサンブルの見事さも特筆され、曲中盤から終曲にかけてのテンポアップする部分では演奏のキレの良さや旋律が大きく踊る様子が見事に捉えられており、これが美麗な白黒画面で流れてゆくのは大変見応えがあります。「Rhiannon」は曲中盤のギターソロ部分からの収録ですが、ソロ後の歌唱に戻ってからのスティーヴィーが魅惑的で、あの可愛らしい姿から芯のある声量が飛び出してくる事に圧倒されるのは勿論のこと、音楽の推進力を押し上げるその歌い方やアプローチにもシンガーとしての並々ならぬ力量が感じ取れる映像になっています。「Let Me Down Again」は、画面に殆ど映らないもののベースとドラムが際立っているのが特徴で、ギターソロの部分ではそのリズム隊との訴える力に充ちたアンサンブルが音楽をより大きくしている事を実感出来るでしょう。「I'm So Afraid」はアーリー・ショウで披露したものより更に一音一音に奥行きが感じられる明晰なタッチと美しい音色が際立ち、強奏でも決して濁らない濃密な響きが視覚として追えるのも魅力です。「Oh Well」と「The Green Manalishi」もこのレイト・ショウのみで聴ける曲ですが、ここでは御期待通りこの時期らしい快活で濃密な演奏が炸裂しています。秀逸過ぎる収録音もこのシーンの魅力を大きく後押ししており、特に「The Green..」ではスティーヴィーの喘ぐ様な歌唱の濃淡表現をカメラがしっかり捉える中、オルガン、リズム隊、ギターが見事に綴れ合ってゆく音像に圧倒されること請け合いです。「Blue Letter」もまたこのレイト・ショウでのみ聴ける曲です。終曲手前で繰り広がるギターとドラムの緊迫感溢れるシーンもカメラがツーショットで克明に追っており、威力ある官能的な響きが観る者の想像力を強く刺激する映像となっています。「Hypnotized」はアーリー・ショウ同様にアダルト・タッチな曲想がよく出ていますが、ここでは"呼吸"が演奏を読み解くキーワードとなっている気がします。クリスティンやスティーヴィーがどの様な呼吸でハーモニーするかを初めとして、適度に打ち鳴らされる打音の呼吸、絶妙に入ってくる鋭いベースの呼吸、そして指弾きギターのマイルドな呼吸が克明に捉えられているのですが、メンバーチェンジ後の当時のマックを鑑賞するうえで音楽上の呼吸の一致がどれだけ感じられるかは重要な要素でしょう。つまるところ曲が良いだけでは決して説明の付かない新生マックの魅力が最後にしっかり感じ取れる映像になっている訳です。これら美麗な白黒映像DVDと極上音質のCDという同日・別プログラムのカップリングはブレイク前夜のマックの一日をしっかり辿れるだけではありません。リンジーとスティーヴィーの個性が従来のマックの演奏に重なる事で生まれた音色の瑞々しい衝撃、即ちこの日のオーディエンスが受けた新生マックが出す響きのショックそのものが、鮮度が完璧に保たれた驚異的な音像で追体験出来るのです。あまりに優れた内容だけに当店としても音の調整を入念に行い、時間を掛けてパーフェクトにアジャストした上でのリリースとなりましたので、熱心なマック・ファンにもきっと御満足して戴ける仕上がりになっていると確信しています。75年の新生マックの魅力を最高品位の音質・画質で封じ込めた本作は全てのファン必携です。R.I.P. Christine McVie (12th July 1943 - 30th November 2022) Live at Capitol Theatre, Passaic, New Jersey, USA 17th October 1975 Early & Late Shows (STEREO SBD/PRO-SHOT) CD(51:43) Live at Capitol Theatre, Passaic, New Jersey, USA 17th October 1975 (Early Show) 1. Introduction 2. Station Man 3. Spare Me A Little Of Your Love 4. Rhiannon 5. Landslide 6. I'm So Afraid 7. World Turning 8. Don't Let Me Down Again 9. Hypnotized STEREO SOUNDBOARD RECORDING DVD Live at Capitol Theatre, Passaic, New Jersey, USA 17th October 1975 (Late Show) (42:35) 1. Get Like You Used To Be 2. Spare Me A Little Of Your Love 3. Rhiannon 4. Let Me Down Again 5. I'm So Afraid 6. Oh Well 7. The Green Manalishi 8. World Turning 9. Blue Letter 10. Hypnotized PRO-SHOT B&W NTSC Approx. 43min. Mick Fleetwood - Drums, Percussion Christine McVie - Keyboards, Vocals John McVie - Bass Lindsey Buckingham - Guitar, Vocals Stevie Nicks - Vocals

Fleetwood Mac フリートウッド・マック/NJ,USA 1975 Complete S & V

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