歴史的大名盤『REIGN IN BLOOD』を創り上げ、スラッシュ・メタルの極北を体現していた1986年のSLAYER。その苛烈なバンド・ポテンシャルを現場体験できるオリジナル音源が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1986年11月28日トロント公演」。その灼熱オーディエンス録音です。“REIGN IN BLOOD Tour”と言えば、途中でデイヴ・ロンバードの一時脱退もあって幻のトニー・スカグリオン時代も実現しました。そんな中で本作のトロント公演はどんなポジションなのか。早速、活動概要を俯瞰してみましょう。1986年・2月1日ー3月10日:北米#1(3公演)・8月12日:ニューヨーク公演《10月7日『REIGN IN BLOOD』発売》・10月17日ー12月7日:北米#2(30公演)←★ココ★《デイヴ・ロンバード脱退→トニー・スカグリオン参加》1987年・1月22日ー3月10日:北米#3(24公演)←※THE SCAGLIONE DAYS《ロンバード復帰》・4月10日+11日:ブルックリン(2公演)・4月17日ー5月20日:欧州(26公演)・6月5日:ロサンゼルス公演《12月『SOUTH OF HEAVEN』制作開始》これが1986年/1987年のSLAYER。スカグリオン時代は1987年初の「北米#3」のみ(その模様は当店の『THE SCAGLIONE DAYS』でお楽しみ頂けます)でした。本作のトロント公演はロンバード離脱前の「北米#2」。その22公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを真空パックした本作は、究極のスラッシュ現場をリアルにドキュメントする灼熱録音。当店では最近トロント録音のオリジナル・マスター発掘が相次いでおり、IRON MAIDENやMETALLICA、MOTLEY CRUE/WHITESNAKEなどが大好評。聴きやすさだけでなく、80年代だからこその熱気がそっくりそのまま吹き出すリアリティが評判となりました。本作は、そんなリアル録音シリーズの最新弾。同じルートから発掘されたSLYER篇なのです。実際、本作もこれまでのシリーズと同様に80年代の熱量がスピーカーから噴き出すのですが、実はそれ以上でもある。そのポイントは、主役がSLAYERだから。アグレッシヴで叩きつけるような出音は他バンドとは比較ならないほどぶっとくド迫力。豪腕でブン殴ってくるようなリフに距離感など生まれるはずもなく、ドスの利いたヴォーカルも、バスドラ連打にもスカスカ感など丸でない。さらに言えば、そんな剛力スラッシュをマトモに浴びている現場の熱狂もスゴい迫力。SLAYERだからこそねじ伏せていますが、普通のバンドだったら観客の熱狂の飲まれて掻き消されてしまったかもしれません。そんな大火炎サウンドで描かれるのは、あの『REIGN IN BLOOD』を創り上げた当時の4人によるフルショウ。まず気になるのは、あの大名盤ツアーでどんな曲をやっていたのか。オリメン時代のライヴと言えば公式『DECADE OF AGGRESSION』が一番有名ですので、比較しながらセットを整理してみましょう。レイン・イン・ブラッド(9曲)・Raining Blood/Angel Of Death/Criminally Insane(★)/Necrophobic(★)/Reborn(★)/Postmortem/Epidemic(★)/Altar Of Sacrifice/Jesus Saves その他(8曲)・ヘル・アウェイツ:Praise Of Death(★★)/Necrophiliac(★)/Hell Awaits/At Dawn They Sleep・その他:Die By The Sword/Captor Of Sin/Black Magic/Chemical Warfare ※注:「★」印は公式『DECADE OF AGGRESSION』でも聴けなかった曲。特に「★★」印はこのツアー以降演奏していない限定曲。……と、このようになっています。当時のSLAYERは新曲を大事にする傾向にあり、軸となっているのは明らかに大名盤『REIGN IN BLOOD』。セットの半分以上が新曲であり、「Piece By Piece」以外のアルバム全曲を大盤振る舞いしています。クラシックスは基本的に定番を中心にしていますが、その中で異彩を放っているのが「Praise Of Death」。このツアー以降は一切演奏されなかったレア曲です。それにしても熱い。熱すぎる。『REIGN IN BLOOD』が大名盤なのは当然すぎる話ですが、なぜSLAYERの4人があそこまで過激な音楽を作ろうと思い立ったのか。それは間違いなく「アイツらに聴かせてやりたい」の一念だったでしょう。その「アイツら」こそが本作の現場。極端に激しいメタルをSLAYERから引きだしたのは、当時のスラッシャー達なのです。本作は、そんな「アイツら」と共に「生演奏版のREIGN IN BLOOD」を浴びられるドキュメント・アルバムなのです。後のアルバム再現ライヴ『STILL REIGNING』とは次元の違う熱量で黒焦げになる1枚。「1986年11月28日トロント公演」の灼熱オーディエンス録音。アグレッシヴで叩きつけるような出音をぶっとくド迫力に捉え、豪腕でブン殴ってくるようなリフに距離感など生まれるはずもなく、ドスの利いたヴォーカルも、バスドラ連打にも強靱。しかも80年代だからこその熱気がそっくりそのまま吹き出すリアリティも圧巻で、『REIGN IN BLOOD』を創り上げた当時の4人によるフルショウ現場体験できます。The Concert Hall, Toronto, ON, Canada 28th November 1986 PERFECT SOUND(from Original Masters) (74:13) 01. Raining Blood 02. Angel Of Death 03. Die By The Sword 04. Praise Of Death 05. Criminally Insane 06. Necrophiliac 07. Necrophobic 08. Captor Of Sin 09. Reborn 10. Black Magic 11. Postmortem 12. Epidemic 13. Hell Awaits 14. Chemical Warfare 15. At Dawn They Sleep 16. Altar Of Sacrifice 17. Jesus Saves Tom Araya - Bass, Vocals Kerry King - Guitar Jeff Hanneman - Guitar Dave Lombardo - Drums