1982年「Hot Space」ヨーロッパ・ツアー4日目、スイスはチューリッヒ2公演の初日、4月16日のライヴを高音質オーディエンス録音で収録。本公演を収録した1982年にリリースされたイタリア製ブートレッグ3枚組LP「LONG LIFE TO THE QUEEN」をコンディション良好のオリジナルレコードより音盤化。冒頭のFlashと The Hero が未収、Somebody To Love、Fat Bottomed Girls、Sheer Heart Attackのエンディング未収という欠点は相変わらずですが、過去に出回っていたレコード落としのCDよりも遥かに良質なサウンドで収録、高かったピッチも調整、更にはLP6面に収録するために、間違った位置に収録されていたStaying PowerとUnder Pressureを、それぞれを正しい曲順の位置に並び変えた、文字通り、82年チューリッヒ公演初日のベスト・ヴァージョンを収録しています。元々紙ジャケ復刻CDの音が悪く、ファンにとっては印象がよろしくないこの日の音源ですが、今回のLPダイレクト復刻ヴァージョンは、まさに聞いてびっくり、CD化も当然と思える実に音でふくよかな高音質ステレオ・オーディエンス録音で収録されています。冒頭、Tie Your Mother Downは相変わらず音が荒れ気味ですが、サウンドは徐々に向上し、次のAction This Dayでは完璧なサウンドとなります。試しに、冒頭のMCでヒューン、ヒューンというSEが聞こえるPlay The Gameを聴けば、本盤が、ツアー屈指の名録音の1枚であることが容易に理解できると思います。なにせ、多くのマニアが指摘している通り、この夜のフレディはボーカルが絶好調!各所でノリノリのまさにドライヴのかかった絶品のパフォーマンスが堪能できます。Somebody To Loveの冒頭の見事なイントロ、高域を優雅にコントロールしまくる歌メロに、誰しもが惚れ惚れと(そして感涙の思いで!)聴き入ってしまうことでしょう。ここまで凄いSomebody To Loveのライヴテイクはそうないだけに、エンディングのカットと1982年ブートLPの(とんでもない)音処理は本当に残念に感じます(元が切れてしてはしょうがないのですが)。曲終演後には観客からWe Will Rock Youコールが巻き起り、ロジャーもサービスで叩き、ブライアンがそれに合わせてギターで煽ります。「新作がもう少しで出るけど、何か質問ある?」と良く分からないMCの後、新路線のStaying Powerがファンキーにプレイされますが、バンドはまだ演奏がこなれてない印象を受けますが、フレディが凄過ぎ。派手に楽曲を色付けするシンセサイザーも楽しさでいっぱいで、ライヴの中でも異彩を放っています。続く、ヘヴィなGet Down Make Loveは、バンドも打って変わっての強固なアンサンブルを聴かせ、聴く者を圧倒します。流石にやり慣れている曲は違います。奥行きのある高音質なサウンドがやけに良いので、こういった曲では思いっきり威力を発揮します。ラストのフレディのボーカル・クロージングも秀逸。終演後の、All Right, Yeah Yeahというフレディのノリノリの掛け声(掛け合い)も凄い迫力で本当にこの日は、なにをやらせてもやる気満々です。正しい流れで聴けるこの日のUnder Pressureは古くからのマニアには感慨深いものがあるのではないでしょうか。終演後、観客からはまたしてもWe Will Rock Youコールがかかります。それにアコギを手に語りかけるブライアン、全てがドラマチックです。Love Of My Life を歌わせるために、フレディが観客に大きな声で「1, 2, 3, 4」とカウントするのは珍しいのではないでしょうか。場内の雰囲気は、まるで南米公演のように熱狂的で、歌の2番も含めフルで観客に歌わせています。You remember...からフレディが美声で入るところは感動的。この日の緩急を効かせた歌いっぷりは本当に見事。音の良さもあるのですが、ちょっと聞いたことが無いと言うのが正直な感想です。曲が終わっても、ノリノリのフレディは観客を煽り、「タッタッ!タッタッ!タッタッタッタッタタッ!」とBack Chatのリズムでボーカル・ヴィぜーションを聴かせます。Back ChatをイントロにSave Meが歌われますが、これがもう、おそらくツアーベストの出来栄え。これで泣かないファンは絶対にいないと思われる大傑作テイク。全部凄いですが、とりあえず、この一曲を聴くために本盤を入手する価値ありのヴァージョンです。「正直、長年、ファンをやっていて良かった」と思う一瞬でしょう。ジョンのベースも良い感じの音で鳴ってるのにも注目です。Mustaphaのイントロはわざと低めにアラビックぽく歌ってますが、この余裕も調子が良くからでしょう。まるでツェッペリンのKashmirみたいな雰囲気になっています。ピアノのモーガン・フィッシャーの紹介に続いてはCrazy Little Thing Called Loveに入る前に「We need tempo!」と長めのリズムインプロを披露、歌メロを口ずさみながら歌に突入するところは聞き所。続いてはDeath On Two Legs をイントロにBohemian Rhapsody が演奏されますが、「声が出ているとこんな風に歌えるのか」と思う出来栄え。音質・内容極上とはまさにこのこと。アンコールのNow I'm Here手前では「Yeah Yeah Yeah」と叫びながらフレディが登場。アーハ!I Like It!」と叫び、間髪入れずNow I'm Hereのギターに突入する辺りは最高です。この曲はフレディは勿論、バンド全体がグループ史上最高のものを聴かせており、ブライアンのソロも凄い迫力です。フレディの4分台の観客とのコール&レスポンスも、いつもの「All Right, All Right」の長めのやりとりを楽しく聴かせてくれます。Dragon Attack突入前後のジャム風の演奏も迫力満点。ベースの音の効き方も最高で、ちょっと聞いたことのない程に優れたDragon Attackを楽しむことができます。前述の通りSheer Heart Attackのエンディングのカットが残念ですが、We Will Rock You、We Are The Champions、そしてラストのGod Save The Queen(フレディの「Let's Go Home!」も聴けます)まで完璧に収録されています。既に海外でも話題の超高品質「new vinyl rip」ヴァージョン。当レーベルはこれの音を更に整え、低域の迫力を加味し、サウンドの迫力を増しています。またレコード盤のノイズは全て、原音に影響が出ない範囲で全て除去しました。今回の「LONG LIFE TO THE QUEEN」は間違いなくクイーンのベスト・ブートレッグ。最後の最後までフレディの絶好調ぶりは続きます。Live at Hallenstadion, Zurich, Switzerland 16th April 1982 PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1(61:20) 1. Tie Your Mother Down 2. Action This Day 3. Play The Game 4. Somebody To Love 5. MC 6. Staying Power 7. Get Down Make Love 8. Liar 9. Under Pressure 10. Love Of My Life 11. Back Chat (improvisation) 12. Save Me 13. Mustapha (intro) 14. Fat Bottomed Girls Disc 2(39:33) 1. MC (Introduction of Morgan Fisher) 2. Crazy Little Thing Called Love 3. Death On Two Legs (intro) 4. Bohemian Rhapsody 5. Now I'm Here 6. Dragon Attack 7. Now I'm Here (reprise) 8. Another One Bites The Dust 9. Sheer Heart Attack 10. We Will Rock You 11. We Are The Champions 12. God Save The Queen