RAINBOWがグラハム・ボネットに替わる新たなヴォーカリストとしてジョー・リン・ターナーを迎えた1981年の「DIFFICULT TO CURE」リリースに伴うアメリカツアーより、中盤に当たる4月16日のイリノイ州シカゴ"インターナショナル・アンフィシアター"公演が、高音質オーディエンス・マスターを用いてリリース決定です。RAINBOWが"アメリカで成功する"ためにさらなるポップ志向を打ち出した「DIFFICULT TO CURE」は、「I Surrender」や「Magic」など一部の楽曲こそグラハム時代以上に洗練されキャッチーな方向性となったものの、ブルージーな「No Release」や「Midtown Tunnel Vision」の他、「Maybe Next Time」やタイトル曲「Difficult To Cure」などリッチーのギターを聴かせるアルバムでもあり、バンドの新たな魅力を多くのファンにアピールする内容となりました。アルバム発表に合わせて、2月後半でのバージニア州におけるウォームアップ・ギグ(この模様はShadesレーベルの「NO RELEASE IN VIRGINIA」として音盤化)の後、3月10日から本格的なアメリカツアーを開始したRAINBOWは、その後5月中旬まで丸2ヶ月を費やして精力的なアメリカツアーを行い、各地でバンドをアピールします。本作はそのちょうど中盤に当たる4月16日のシカゴ公演を、優良なオーディエンス録音で楽しめます。テーパーとステージの近さを感じるダイレクトなサウンドが本録音の特徴で、豊かな臨場感の中、くっきり浮き彫りになるような楽曲と演奏の明瞭さが素晴らしいです。またリッチーのギターが迫力満点に収められた音像も「Spotlight Kid」からファンを喜ばせるでしょう。加入直後のジョーが放つ瑞々しいヴォーカルも魅力たっぷりで、「Love's No Friend」で聴けるとブルージーな要素と「I Surrender」・「Can't Happen Here」でのキャッチーな魅力を併せ持った声は、まさに当時のリッチーが求めていたものだと納得させられます。約15分もの演奏を繰り広げる「Catch The Rainbow」は本録音の大きな聴き所。リッチーのギターも前半の繊細なトーンや後半の爆発的なソロなど冴えわたっており、ロニー時代を思い出させるプレイが印象的です。ここではロジャーのベースノートやドン・エイリーのキーボードもはっきりと掴める良好な分離感が素晴らしく、聴き手は当時のバンド・アンサンブルを満喫できるでしょう。アレンジを一新してグルーヴィなノリを強めた「Man On The Silver Mountain」や、グラハム時代以上にスピーディな演奏がファンの耳を惹き付ける「Lost In Hollywood」も、この'81年ツアーならではの特色です。ライヴの締めくくりはジョー加入後のお約束とも言える「Smoke On The Water」です。同曲のセレクトはジョーやマネージャーのブルース・ペインなどが「アメリカのオーディエンスにウケるから」・「リッチーこそDEEP PURPLEなのだから演奏するべき」とリッチーを説得して実現した事が知られています。しかしRAINBOWにおけるこの曲は、3月までのセットリストにおいては確認できず、まさにこのシカゴ公演周辺からセットインするようになったと思われます。リッチーがイントロでプレイする「Lazy」そして「Woman From Tokyo」とともに、ちょっとしたDEEP PURPLEメドレーになっている点も見逃せないでしょう。RAINBOWはこの約1ヶ月後の5月13日・マサチューセッツ州スプリングフィールド公演をもってアメリカツアーを終了し、6月~7月にかけてはヨーロッパ及びイギリスツアー、そして8月にはジャパンツアーを行い、ジョー・リン・ターナー時代の幕開けを世界中のファンに知らしめました。このアメリカツアーでの音源は放送音源で知られるボストン公演が有名ですが、本作に収められた4月のライヴも、ジョーを擁するラインナップの演奏が熟れていく段階を確かめられ、大変興味深いものがあります。Live at International Amphitheatre, Chicago, IL. USA 16th April 1981 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 1. Land Of Hope And Glory 2. Over The Rainbow 3. Spotlight Kid 4. Love's No Friend 5. I Surrender 6. Can't Happen Here 7. Catch The Rainbow Disc 2 1. Man On The Silver Mountain 2. Keyboard Solo 3. Lost In Hollywood 4. Difficult To Cure 5. Drum Solo 6. Long Live Rock 'n' Roll 7. Lazy/Woman From Tokyo 8. Smoke On The Water 9. Kill The King 10. Long Live Rock 'n' Roll(reprise) Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocal Roger Glover - Bass Don Airey - Keyboards Bobby Rondinelli - Drums