マイルス・デイビス'64年の初来日公演より、7月12日東京・日比谷野外音楽堂と7月15日京都円山公園野外音楽堂をカップリングした2CD決定盤!ファンにはすっかりお馴染みのライブであり、過去にも散々リリースされてきた両ライブですが、リリース量の割には意外もクオリティ(マスタリング)的に厳しいものばかり。近年では量販ハーフ系のDomino盤の東京及び京都のカップリング2CDタイトルが知られていますが、そこでは、特に東京公演については量販系アイテムにありがちな強烈なヒス・ノイズ・リダクションにより高域が減退し、シュルシュルというデジタルノイズが漂うもの(*このDomino盤、京都公演については、東京公演ほど酷くもないのですが、、)。このようなノイズリダクションは、音量の大きな箇所では気にはならないかも知れませんが、"Stella By Starlight"序盤などの静かで繊細なパートでは、ノイズ・リダクションの影響でシュルシュル、シュイーン、パシャパシャっとした、妙なデジタル的な質感が如何せん耳障り。さらに、ヒスノイズを取りすぎたことで、あたかも耳栓をしながら真空状態で聴いてるかのような(?)、深みのない薄っぺらいサウンドが非常に聞きづらい。しかも、12日の東京公演については、そのDomino盤からのコピータイトルまで複数存在するものだから、ホント実に困ったものです。本盤では、当然既発アイテムからのコピーではなく、現状ベストとされるマスターから最新のマスタリングにより収録されています。レーベル独自の丁寧緻密なマスタリングにより、両日とも初めてアナログ的で安定した「聴ける」サウンドで登場!安易なノイズリダクション処理はなされていない分、ヒスノイズ成分はそれなりに含みますが、帯域分析のうえ、緻密かつ考え抜かれたバランスの調整がなされ、ヒスは含みつつもアナログ・テイストに溢れたそのバランスは過去最高。また位相のズレもなく、センターにズッシリとモノラル録音らしく音像が定位してるのは当然のこと。ピッチに関しても的確な調整がなされ、一部テープのワウ・フラッターも補正されており、両日も終始ほぼ安定したサウンドで、堪能頂けます。収録内容的にも、Disc1の東京公演に関しては一部他盤で見られるような歓声をオーバーダブするような処理は当然一切なく、終演後の例のアナウンスは当然収録。「聴け!」では入れるなと散々言われたこのアナウンス。歴史的見地から、これはさすがに入れない訳にはいかないのではないでしょうか。Disc2の京都公演については、冒頭に非常に音の悪いイントロダクションを付け足したアイテムも存在しますが、音質クオリティを考慮すると、現状本盤で使用されたマスターがベストではないかと思われます。また、5トラック目"All Of You"終盤(CDタイム8:23付近)にて本盤ではカットがありますが、この近辺で演奏を重複収録してる既発タイトルも複数ありますが、本盤は上記カットがあるものの、当然重複収録はございません(現状この1箇所のカットは必ず存在するもの)で、現状最善のマスタリングがなされています。なお、Disc2についても一部の他盤で見られるような、歓声をオーバーダブするような作為的な処理は一切なく、ありのままで収録。“THE WORLD JAZZ FESTIVAL” Disc 1: Hibiya Yagai Ongaku-do, Tokyo, July 12th, 1964 Disc 2: Maruyama-Koen Ongaku-do, Kyoto, July 15th, 1964 Disc 1 (40:08) Tokyo July 12th 1. Autumn Leaves 2. So What 3. Stella By Starlight 4. Walkin' 5. The Theme / Announce Disc 2 (44:27) Kyoto July 15th 1. If I Were A Bell 2. Oleo 3. Stella By Starlight 4. Walkin' 5. All Of You ★8:23付近カット (他盤では音がダブったままか、削除しすぎの場合あり) 6. Seven Steps To Heaven (cut out) Miles Davis - trumpet Sam Rivers tenor sax Herbie Hancock - piano Ron Carter - bass Tony Williams - drums