エレクトリックに舵を切ったマイルスが「ビッチェズ・ブリュー」録音前の「マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥー・ダウン」のほぼ初演はじめ、いよいよ本格的にエレクトリックに変貌する瞬間を如実に捉えたニューヨークの名門ヴィレッジ・ゲイトに於ける歴史的ライヴが、驚異の極上高音質決定版にて独占入荷!!この1969年3月のライヴ音源を聴くと、レパートリーの大半がアコースティック時代の楽曲をエレクトリックで演奏している止まりで、これが4月になると後に「ビッチェズ・ブリュー」でレコーディングするエレクトリック・マイルス最初の成果ともいうべき「マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥー・ダウン」という、明らかにエレクトリックでの演奏でしかサマにならない楽曲がセットインする。そして7月になるとオープニングに「ディレクションズ」が加わり完全にエレクトリック・ジャズへと変貌する。まさにスタジオ作品と同様に急速に変化を遂げている。このエレクトリック・マイルスの雛形となる4月と7月の間の過渡期である1969年5月23か24日のニューヨークはヴィレッジ・ゲイトでのライヴは、もう20数年前にリリースされ当時大変な反響を伴って迎えられた。元々ニューヨーク公演ということで内容の素晴らしさはもちろん、関係者かメンバーが記録用に録音したものでとても音質も良かったので瞬く間にファンの定盤となりました。因みに現在は廃盤となっています。しかし現在それを聴くと、音は良いが例えばディジョネットのシンバルなど各楽器の音が散漫で、落ち着いて聴けないような箇所が目立ちます。本作はオリジナル・マスターを精査して各楽器のそれぞれの音、バランスを独自の丁寧なマスタリングによりこのまま正規発売可能な!レベルまで引き上げた、ロースト・クインテット初期の音源の中でも屈指の極上高音質となった決定版にて生まれ変わっています!!演奏はというと、イントロダクションに続く初っ端のチック作による「ディス」から緊張感溢れるスリリングな展開。マイルスのひと吹きから突入する「フットプリンツ」のカッコ良さったら!マイルスのソロもこの曲のベストといえる文句なしのプレイ!そして聴きどころとなる「マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥー・ダウン」は、1月前のブルー・コロネットでの演奏と比べると同じ楽曲とは思えないくらい進化を遂げており、普通なら数年かかるような成長をたった1月程度で遂げているのには改めて驚かされる。ラストのアコースティック時代の名残「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」でも、例のブリッジ以降超高速な4ビートで展開する、まさにエレクトリック・ジャズとなっている。また特筆すべきは、この日のマイルス、ショーター、チック、ホランド、特にぶっ叩きまくりのど迫力のディジョネットと、メンバー皆が相当に調子が良く、最初から最後まで圧倒されっぱなしの名演奏を繰り広げているのです!!