ホールとは全く違った演奏、しかもインプロビゼーションの嵐が吹き荒れるマイルス稀少すぎるクラブ・ギグ!ベテランのマイルス通に人気のあのライヴ、こんなに音が良かったかな?オリジナル・マスターを細部まで洗い直したリマスタリングが光る、その場にいるかの生々しい高音質で蘇った決定盤参上!!マイルス・ディヴィスくらいの大物になるとコンサートは大会場が当たり前だと、それは音楽産業が巨大化した80年代以降のカムバック以降の話。ロック界では60年代のビートルズを筆頭に人気アーティストになると皆大きな会場でいかに多くの観客を集めるかを競うようになる。しかしジャズの世界では単独で大きな会場を満杯に出来るアーティストなど1人も存在しなかった。忸怩たる思いを胸に沸々と沸る心を爆発させたのが、60年代後半にエレクトリック化し次代のヒーローに名乗りを上げた我らがマイルス・ディヴィスだった。しかしそんなマイルス、やはり生粋のジャズメンなのだ!大会場で多くの観客を前でのパフォーマンスではある程度の「キメ」が必要となる。つまりアレンジを事前にある程度用意する必要があった。しかし小さなクラブでのギグでは事前の打ち合わせは最小限で、ジャズ本来のインプロビゼーションを存分に盛り込んだステージを展開していたのだ。そう出演回数こそ少ないが、マイルス不定期ながらこういったクラブ・ギグも行っていたのだった。しかし未だにその音源は決して多くはなく、その全貌に辿り着くのは困難な現状ではある。そんなクラブ・ギグの一端を如実に捉えた稀少なライヴとして昔から人気の1974年8月2日マサチューセッツ州ボストンのポールズ・モール・クラブでのライヴが、20年前では考えられないくらい進化したテクノロジーを駆使して、元マスターテープを精査して細部までこだわり丁寧なマスタリングを施した、現行最良の状態にアップデートした決定版が入荷しました!!ジャズメンのクラブ出演は数日間連続で行われることが多く、この1974年度のマイルスのポールズ・モール出演は7月28日から8月3日までという記録が残っているが、連夜の出演だったのかは未だに不明だ。ところでこのポールズ・モール公演、6月のサンパウロ公演を最後にデイヴ・リーブマン がグループを去り、新たにソニー・フォーチュンが加入して最初のライヴとなっており、さらにドミニク・ガモー含むトリプル・ギター編成での稀少なライヴ。しかもここに収録されている「カリプソ・フレリーモ」は何と他に例の無いフォー・ビートで演奏しているし、「ライト・オフ」では、マイルスが「スローなブギーにしてくれ」と言ったかどうかは分からないが、グルーヴを重視したスローテンポで展開され、中盤からの必殺のシャッフル・パートではまるでジャム・セッションのような状態で皆ノリノリでインプロビゼーション大会となるなど、ホールでのコンサートとは全く別種の演奏を繰り広げている!もしかしたらマイルス、新加入のフォーチュンがバンドに馴染むように、このタイミングでクラブ・ギグをぶち込んだのか?しかし大きなホール公演とは違い観客も近いクラブというシチュエーションのなか、マイルスはじめメンバー全員がとてもリラックスした状態で、まるでジャムってるような、心底プレイを楽しんでいるような、そう手が届く距離にマイルスがいて、いつもより身近に感じるマイルスを体験してみては如何でしょうか!?!