エリック・クラプトンの2013年大阪公演の極上マスターも登場です。今回、過去のツアーにはなかったことに、珍しくたった1回のみの公演となった大阪でしたが、クラプトンは良くも悪くもファンには聞き逃せない内容のステージを展開しました。本盤のマスターを録音したテーパーは、昨年当店が速攻リリースを実現したポール・マッカートニーのタイトル、「Out There In Osaka」を録音したのと同一人物で、それだけでいかにクオリティが高いマスターであるかがお分かりいただけるでしょう。このマスターは、今回のクラプトンの2014年ジャパンツアーでリリースをしてきた武道館初日公演タイトル「200th Concert In Japan」、武道館2日目&3日目の「Budokan 2014: 2nd & 3rd Night」、4日目横浜公演の「Yokohama 2014」の極上マスターに比肩する素晴らしいクオリティを誇ります。大阪公演も本盤に決め打ちしていただいて問題なし、と断言させていただきます。冒頭にステージ内容を「良くも悪くも」と申しましたが、この日のクラプトンはオープニングのPretendingのエンディングで、バンドと息が合わずにミスっています。原因は彼が後奏のソロの締めのフレーズを分かり難い感じで差し込んだため、バンドメンバーが気づかなかったからです。何とか終わりのコードを引き延ばして曲を終えたクラプトンは当然苦笑いだったでしょう。その様子を観た近隣のオーディエンスがこのミスを喜んで沸き返っている様が捉えられているのがリアルです。ファンはむしろこうしたミスを「オンリーワン体験」として喜ぶものなのでしょうか。Wonderful Tonightではコード弾きの新アレンジのイントロに続くお決まりのフレーズをギターのボリューム調整でミスり、音が出てこない、同曲の中間のソロの締めの音でもミストーンを出すといった「ケアレスミス」のほか、I Shot The Sheriffの後奏のソロでも2ヶ所でミストーンを発しています。こうレポートしますと、「何だ、プレイクオリティが低い日だったんじゃないか」と思われるかもしれません。ところがここからのクラプトンの巻き返しが凄かったのです。I Shot The Sheriffは2ヶ所のミスにより、このままクラプトンの心が折れていくのかと思いきや、俄然速弾きを駆使して一気にテンションをMAXに持っていったのです。これに感動するオーディエンスのレスポンスも克明に記録されています。今回のクラプトンのツアー後半のステージは、こうした玉石混淆が堪らないと言えます。イージーミスは見受けられるものの、それを「倍返し」するようなプレイの煌めきが必ずあったのです。それだけにファンの方には、全公演を聴いていただく必要、聴いていただく価値があります。大阪公演では早くも決定版と断言できる本盤で大阪での起伏に富んだパフォーマンスをどうぞお楽しみください。Live at Osaka-Jo Hall, Osaka, Japan 26th February 2014 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc 1 (70:14) 1. Introduction 2. Pretending 3. Key To The Highway 4. Tell The Truth 5. Hoochie Coochie Man 6. Honest Man 7. Wonderful Tonight 8. I Shot The Sheriff 9. Driftin' 10. Nobody Knows You When You're Down And Out 11. Alabama Women 12. Layla 13. Tears In Heaven Disc 2 (49:49) 1. How Long 2. Before You Accuse Me 3. Crossroads 4. Little Queen Of Spades 5. Cocaine 6. High Time We Went Eric Clapton - Guitar, Vocals Chris Stainton - Piano, Keyboards Paul Carrack - Organ, Keyboards, Vocal Nathan East - Bass, Vocal Steve Gadd - Drums Michelle John - Backing Vocals Sharon White - Backing Vocals