CSN&Yのオリジナル・ドラマーだったダラス・テイラーの臓器移植手術の費用捻出(今で言うところのクラウドファンディング的な)チャリティ・コンサートにミラードが参戦、これまで『SANTA MONICA 1990: MIKE MILLARD MASTER TAPES』でCSN&Yのステージが既にリリース済みでしたが、今回はドン・ヘンリーのステージが遂に発掘。この時は二日間に渡って違う趣向のイベントが同じ出演者で行われ、次の日のヘンリーのステージも既に『SANTA MONICA 1990 2ND NIGHT: MIKE MILLARD MASTER TAPES』としてリリース済でした。それだけに初日の彼の音源もマニアは発掘を待ち望んでいた訳ですが、先に挙げたCSN&Yのリリースで明らかになっていたように、この日のミラードはいつもより後方からのポジションでの録音となってしまった模様。ところがこのイベントでヘンリーが挑んだアンプラグド・バンド・スタイルと本録音の距離感の相性は抜群。その広がりのある臨場感とバンドメンバー多めなアコースティック・スタイルがとても気持ちよく響き渡る実にクリアーな音質。それに何と言っても当時のヘンリーはソロ・キャリアの人気が絶頂にあったタイミングであり、イベント初日にしてヘンリーがアコースティック・バンドを従えてのステージを披露してくれる姿にオーディエンスは大熱狂。むしろメイン・アクトのCSN&Yを食ってしまいそうなほど。セットリスト自体は翌日と変わらないのですが『SANTA MONICA 1990 2ND NIGHT』の時にも申しましたように『MTV UNPLUGGED』の収録を終えたばかりというタイミング。それ故にイベント初日ながらも堂々としたステージを披露。それどころかフィナーレ「The Last Worthless Evening」になると翌日ですとヘンリーが冗談半分で歌詞を忘れてしまったりしていたのですが、こちらではそうしたハプニングもなく堂々たる歌いっぷり。むしろ初日にしてまったく危なげないステージを披露しているのも絶頂期ならでは。そこに加えて翌日以上に熱狂的なオーディエンスの反応も捉えられているのですが、もちろんミラード録音ですので、それがリスニングのストレスとなるようなことは(まったく!)ないのがお見事。そうした状況の中で披露されるイーグルス・クラシックになると彼らが大喜びしているのも微笑ましい。「Best Of My Love」と「Desperado」それぞれでやたらと盛り上がっているのも翌日以上かと。今回もまた40分程度のステージではありますが、絶頂にあったソロ時代ヘンリーの自信に満ち溢れたアコースティック・ステージの魅力をミラードならではのクオリティで捉えてくれた絶品オーディエンス・アルバム!Civic Auditorium, Santa Monica, CA, USA 31st March 1990 PERFECT SOUND (37:18) 1. Introduction 2. The End Of The Innocence 3. The Heart Of The Matter 4. Best Of My Love 5. Come Rain Or Come Shine 6. Desperado 7. The Last Worthless Evening Don Henley - vocals John Corey - guitar Frank Simes - guitar Timothy Drury - piano Jennifer Condos - bass Ian Wallace - drums, percussion Sally Dworsky - backing vocals Marilyn Martin - backing vocals Dolette McDonald - backing vocals