「初期型DARK SIDE OF THE MOON」が始めて完全演奏された歴史的な夜。その全貌を語り継いできた伝説録音がブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」によって磨き上げられた最高峰更新サウンドCDでリリース決定です。そんな本作に刻まれているのは「1972年1月21日ポーツマス公演」。その絶品オーディエンス録音です。“DARK SIDE OF THE MOON Tour”と言えばフロイド史に特別な輝きを放つ記念碑ツアーであり、時期によって刻々と変化していった『狂気』の進化度合いが醍醐味でもある。まずは、当時の活動概要からコレクションを整理しつつ、本作のポジションも探っていきましょう。1972年・1月17日ー19日:リハーサル・1月20日ー2月20日:英国(16公演)←★ココ★・3月6日ー13日:日本(6公演)←※SAPPORO 1972他・3月29日+30日:マンチェスター(2公演)・4月14日ー5月4日:北米#1(17公演)←※CARNEGIE HALL 1972・5月18日ー6月29日:欧州#1(5公演)←※BRIGHTON 28TH JUNE 1972 《5月31日『狂気』の本録音開始》・9月8日ー30日:北米#2(17公演)←※※HOLLYWOOD BOWL 1972他・10月21日ー12月10日:欧州#2(23公演)←※ZURICH 1972 MATRIX他 1973年・1月13日ー2月4日:パリ(4公演)《2月9日『狂気』完成→3月1日リリース》・3月4日ー24日:北米#3(16公演)←※DEFINITIVE BOSTON 1973他・5月18日+19日:ロンドン(2公演)←※EARLS COURT 1973 2ND NIGHT他・6月17日ー29日:北米#4(13公演)←※TAMPA 1973他・10月12日ー11月4日:欧州#3(4公演)←※RAINBOW 1973他 ※注:各レッグとも代表タイトルのみ。これが“DARK SIDE OF THE MOON Tour”の全体像。本作はその序盤も序盤となる「英国」の一幕でした。この時期は極初期型の『狂気』が聴けることでも人気で、様々な名作が発掘されてきました。ここでさらに日程をフォーカスしてみましょう。「英国」レッグの詳細*1月20日『BRIGHTON JANUARY 1972 REVISITED』*1月21日:ポーツマス公演 ←★本作★・1月22日ー2月13日(10公演)*2月17日『RAINBOW THEATRE 1972 1ST NIGHT』・2月18日:レインボー・シアター公演*2月19日『RAINBOW THEATRE 1972 3RD NIGHT』*2月20日『THE BEST OF TOUR 72』……と、このようになっています。本作のポーツマス公演は、ツアー2公演目という極初期でした。初日のブライトン公演こそが『狂気』の全世界初演中だったのですが、その最中に機材トラブルが発生。「Money」で演奏が止まってしまいました(その模様は当店の『Sigma 254』でお楽しみ頂けます)。そして、一夜明けたポーツマスでは遂に『狂気』の完全演奏が実現。本作は、その「世界初の完全形」が楽しめるライヴアルバムなのです。そんな歴史的なショウは『ECLIPSED BY THE MOON』で初めて知られるようになったわけですが、本作はその伝説録音の最高峰を更新するもの。ベースとなっているのは前回盤と同じ4thジェネ・マスターですが、一度ソース音源に立ち返って「GRAF ZEPPELIN」が磨き直した業物なのです。ここで「なんだ、4thジェネか」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、これがまったく侮れない。フロイド・コレクター間では有名な“マーバル・コレクション”であり、今なお超えるモノのないベスト・マスター。現在では『ECLIPSED BY THE MOON』だけでなく「2ndジェネDAT」も出回っているのですが、ハッキリ言って本作の方が比較にならないほど音が良い。ウソをつく気も毛頭ないので公開情報通りに「4th」とお伝えしますが、音だけを聴いたら1stジェネと言われても信じてしまうほどです。しかも、本作はその最高峰マスターを入念に磨き込んでいる。前回盤では一部で音量が変化していたパート(One of These Days後半など)もキチンと整え、帯域分析の上でバランスも調整。ややきつかったヒスノイズも緩和されて、グッと聴きやすくなっています。それ以上に効果的なのが周期的に入っていた「パチッ」というノイズ。音量的にはヘッドフォンで耳を澄ますと聞こえる程度で、ざっくり3秒に1回くらいの割合。現場の拍手や演奏音にも紛れるほどささやかなものなのですが、「GRAF ZEPPELIN」はその1つひとつを入念に精査。現場音ならば残し、ノイズならキレイに取り除くという執念の補正を行っているのです。そんな最高峰サウンドで描かれるのは、ツアー初日の『BRIGHTON JANUARY 1972 REVISITED』とも異なる「原初のDARK SIDE OF THE MOON」。例えば「Any Colour You Like」にシンセソロがなくトーキング・モジュレーターで進行するなど、初期型アレンジの『狂気』なわけですが、初演だった前日ブライトンから一晩でもう変化してもいる。特に「The Travel Sequence」「Breathe (Reprise)」の違いは明らかで、それぞれ1分近く短くなっており、「Breathe (Reprise)」には歌詞も付いています。そして、必聴なのが「Money」以降。機材トラブルで中断してしまった前日から一転、本作では最後まで通し演奏が実現している。最後の「Eclipse」がまだなく、サイレンと効果音で曲が崩壊して終了する。そんな黎明のエンディングが世界で初めて演奏された現場を体験できるのです。まさに文化遺産。これぞ、世界で最初の『狂気』。ロック史に燦然と輝く大名盤の原初の姿なのです。本作は、そんな唯一無二の現場を史上最高峰サウンドで体験できるライヴアルバム。マーバル・コレクションのベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き抜いた至高の2枚組。初めて『狂気』が完全演奏された「1972年1月21日ポーツマス公演」の伝説的オーディエンス録音。“マーバル・コレクション”から発掘されたベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き直した最高峰更新盤。音量/バランス調整やピッチ補正、各種ノイズといった基本に忠実な作業ながら、かつてなく偏執的な精度で実施。歴史上もっとも初期型な『狂気』の完全体が楽しめる文化遺産以外の何物でもないライヴアルバムです。現状このマーバルの4th Genが流通しているバージョンの中では鮮度的にベストである。'90年代末にHighland盤「Eclipsed By The Moon」で登場したライブですが、音質は俄然今回盤の方が良い。(ちなみに同音源で2nd Genというものもトレーダー間には流通しているが、そちらは明らかに鮮度が落ちたサウンドとなっている。)★全体の音量バランスを整えています*前回盤ではライブ出だし、「吹けよ風」の後半のみ大きかった鮮度を失わない範囲で帯域バランスを補正。強烈だったヒスをいくぶん緩和(あくまで幾分です) 終始入っていたパチというノイズをピンポイント除去。Guildhall, Portsmouth, UK 21st January 1972 PERFECT SOUND(UPGRADE) ★初の『狂気』完全演奏 Disc 1 (43:45) The Dark Side Of The Moon 01. Speak to Me 02. Breathe 03. The Travel Sequence 04. Time 05. Breathe(Reprise) 06. The Mortality Sequence 07. Money 08. Us And Them 09. Any Colour You Like 10. Brain Damage ★まだこのときはEclipseは演奏していない Disc 2 (70:24) 01. Tuning Up 02. One of These Days 03. Set The Controls For The Heart Of The Sun 04. Echoes 05. A Saucerful Of Secrets