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Paul McCartney Wings ポール・マッカートニー ウイングス/バンド・オン・ザ・ラン Band on the Run Newly Discovered Rough Mix Tapes

昨年海外のオークションに出て世界中のマニアを驚かせたウイングスのアルバム『BAND ON THE RUN』ラフミックス音源(ラゴスでのセッションテープ)の完全決定盤がついにリリース!同アルバムのレコーディングにてエンジニアを務めたジェフ・エメリックが所有していたもので、とかくレア音源に乏しかった同アルバムから初めてのまとまったラフミックスの流出ということでも世界中のマニアを驚かせることになりました。そんな今年話題の初登場音源ですので既にHMCレーベル等からいくつかのアイテムがリリースされてはいるものの、それらは曲間が微妙にカットされていたり、別のアイテムでは、曲の前後の会話を聞き取りやすくするためなのか突然テープヒスが上下するような不自然な音量調整があったりと編集跡が気になるものでした。またアイテムのとしての内容面においても何かしら問題を抱えたままのリリースとなっています。ウイングス久しぶりの初登場音源ゆえ速攻でリリースされた反面そうした状況へと陥りがちなのもやむなしかと思われますが、本タイトルは元音源を入手し丁寧なCD化を実現。その上でDisc-1には細心の注意を払ってリマスターされたバージョンを収録。この仕上がりが実に素晴らしく、ラフミックスならではの生っぽい質感やアナログ感が最大限に仕上がった聞き心地は格別。丸みを帯びたナチュラルな音質は現行のリマスターの完成度は高いがモダンな仕上がりとは別次元。ビートルズやポールには、こうしたアナログチックな音質が本当に似合う。そしてラフミックス本体は違いが実に分かりやすい。まずストリングスやホーンといった装飾楽器は総じてオーバーダビングされておらず、また『BAND ON THE RUN』を彩ったスライドギターのパートも皆無。例えばオープニングを飾る「Mamunia」からしてマラカスやバックコーラスの追加録音がなく、それでいて各楽器のバランスも控えめ。またアルバムタイトル曲になると歌入れ時にあったポールのお喋りが随所で聞かれ、バンドの演奏もまだベーシックな状態に少し音を加えたという段階。一方「Mrs. Vandebilt」や「Let Me Roll It」のラフミックスを聞いていると、まずベーシックトラックはポールのドラムとデニー・レインのギター、たまにリンダのシンプルなキーボードが加わるという編成で録り、そこから色々と肉付けしていったという過程が今回の音源を聞いているとよーく分かります。ほとんどのトラックがポールのカウントから始まるというのもまたそれを偲ばせます。昨年リリースされて話題を呼んだ『BAND ON THE RUN [Underdubbed Mixes]』はあくまで装飾楽器を取り除いて作られた「新たな完成品」であり、ラフミックスとは性質がまったく異なるもの。「Drink to Me (仮タイトル)」の終盤でポールとリンダが「Banana Boat Song」を歌い出す場面は"Underdubbed Mixes"で話題を呼びましたが、今回はラフミックス故そこが余計に大きく聞こえる。そして今回の音源はアルバム未収録で同時期のシングルのみんな大好き「Helen Wheels」のラフミックスまで含まれており、演奏が始まる前にポールはおろか、リンダまでカウントしている場面を聞けば一見貢献度が低そうなリンダもしっかりセッションに参加している様子が伝わってきます。それにこのラフミックスでは付け加えられたギターパートの音量が消えたり現れたりするなど、本当に作業の途中という段階の文字通りラフなミックスであることが伺えるかと。一枚目の後半に収録されているのは2021年に登場した別のジェフ・エメリックテープで、アルバム収録曲にインサートして使われる予定で用意された効果音素材。特に「Band On The Run」の"脱走"をイメージして用意されたと思われるエフェクトはかなり手の込んだ音ながら結局は未使用に。この"脱走"効果音の存在については2022年に出版された洋書「The McCartney Legacy: Volume 1 1969-73」でも触れられており、「ポールの考えでは、これらの音は映画的な深みを与える為に使用される予定だったが、過度に芝居掛かっている事が判明したため使わないことにした。」と記述されています。トラック13は「Drink to Me」の途中で挿入されているフランス語放送のミックス前の元音源。マルチトラックマスターへコピーする前のソースなだけあって、くっきりした生々しいAMラジオの音が聴けてしまうのが何とも面白い。二枚目の前半は今回のラフミックステープの"Unprocessed"な未編集ソースを収録。EQ処理等の一切の手が加えられていない分、繊細でアナログ・リールらしい質感は"Flat Transfer"な状態とも言え、一枚目と比べてもさらにナチュラルな質感の違いをじっくりと味わってもらえるかと。なお、トラック2「Band on the Run」は曲の繋ぎ目がぶつ切りでリンクしていない状態ですが、オークション出品時の説明にも"Not yet linked together"と表記されていた通りこれがテープからコピーしたそのままの編集です(ディスク1のリマスター版は聴きやすさを優先して欠落箇所をUnderdubbed Mixでパッチ)。そしてボーナスにはオマケとしてウイングスを率いて作られた、有名な子供向けアニメ「ルパート」の未発表サウンドトラックを収録。これはウイングス最終ラインナップにとって「BACK TO THE EGG」セッション最初期のレコーディングとなり、アニメーションのサウンドトラックアルバムとして完全に完成していながらお蔵入りしてしまったというもの。後の『ルパートとカエルの歌』のアニメとはまったく別の内容で、曲の合間にポールの語りが入るという絵本の朗読のような展開。しかし子供向けとはいえ楽曲はポールとウイングスによって完成されたトラックばかり散りばめられており、タイトル曲はメロトロンの旋律に加えてリンダやデニーのコーラスが素晴らしく、なおかつ「RAM」のアウトテイクだった「Sunshine Sometime」や「WILD LIFE」のアーカイブコレクションで日の目を見た「When The Wind Is Blowing」、更にはビートルズ時代のゲットバックセッションでも演奏されていた「The Castle of the King of the Birds」を流用して組み込むなど非常に完成度が高く、ウイングスのイチアルバムとして大変楽しめる仕上がり。これまではバンドメンバー所有のアセテートからCD化された際にスクラッチノイズが目立ち、特にポールの語り部分ではそれが耳障り、あるいはそれをねじ伏せるべく強烈なイコライズが施されたYellow Dog系のMoonlightレーベルのタイトルなどがありましたが、今回はノイズがほとんど気にならないクリーンな状態かつ音質も最高というアップグレードを実現。それに近年は完全に見過ごされていた音源ですので、初めて接せられる人も少なくないのでは。このボーナスも含め、話題の『BAND ON THE RUN』初登場ラフミックスを文字通りのベストな状態で収録した最強盤です!去年オメガオークションに出品されたジェフ・エメリック所有の「Band on the Run」の未発表ラフ・ミックスより、リールからのダイレクト音源!既発盤に収録されていたようなAI分離によるフェイク音源を使った水増し収録は一切なし!ディスク1はEQ補正し、トラック2「Band on the Run 」の音が欠落している箇所2:17~2:22は"Underdubbed Mix"でパッチ。ディスク2はEQなし、パッチなしのUnprocessedバージョンを収録!ボーナスで「Rupert The Bear」未発表サウンドトラックのアップグレード音源を収録!Newly Discovered Rough Mix Tapes (From The Master Reel) STEREO SBD Disc 1: (46:18) Band on the Run: The Lagos Tapes (Remaster Version) Tape 1 - R243A Recorded at EMI studio, Lagos Nigeria 3rd-14th September 1973 01. Mamoonia (Mamunia) 02. Band on the Run 03. Helen Wheels 04. Mrs Vanderbilt (Mrs Vandebilt) 05. No Words 06. Let Me Roll It Tape 2 - R243B Recorded at Ginger Baker ARC Batakota Lagos Studio 17th September 1973 07. Drink to Me (Picasso's Last Words) Tape 3 - Sound Effects 08. Jail Noises (Unused) 09. Laughter 1 (Mrs Vanderbilt) 10. Laughter 2 (Mrs Vanderbilt) 11. Laughter 3 (Unused) 12. Laughter 4 (Unused) 13. French Broadcaster (Drink to Me) 14. Party Noises (Unused) Taken from the Geoff Emerick tapes Disc 2: (70:00) Band on the Run: The Lagos Tapes (Unprocessed Version) Tape 1 - R243A 01. Mamoonia (Mamunia) 02. Band on the Run 03. Helen Wheels 04. Mrs. Vanderbilt (Mrs. Vandebilt) 05. No Words 06. Let Me Roll It Tape 2 - R243B 07. Drink to Me (Picasso's Last Words) -Bonus Tracks- Rupert The Bear: Unreleased Soundtrack Recorded at Spirit Of Ranachan Studio, Kintyre, Scotland, UK 5th July 1978 08. Rupert Song (Version 1) 09. Tippi Tippi Toes (Parents Theme) 10. Flying Horses 11. Cohen The Wind Is Blowing 12. The Castle Of The King Of The Birds 13. Sunshine Sometime 14. Sea/Cornish Wafer 15. Storm 16. Nutwood Scene 17. Walking In The Meadow 18. Sea Melody 19. Rupert Song (Version 2) Taken from the original acetate

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