『トミー』『ザ・ウォール』と並び称されるロックオペラの金字塔『眩惑のブロードウェイ』。そのサウンドボード・コレクションがまさかのアップグレード。新マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き上げた最高峰更新盤がリリース決定です。そんな本作に刻まれているのは「1975年1月10日ウェスト・パーム・ビーチ公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。“THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY Tour”は世紀の物語ツアーであるのと同時に、GENESIS史上希に見る極上サウンドボードの豊作時代でもありました。良い機会でもありますので、ツアー全体像を俯瞰しつつ、長尺サウンドボード・コレクションも整理してみましょう。1974年《11月18日『眩惑のブロードウェイ』発売》・11月20日-12月18日:北米#1(26公演)1975年・1月9日-2月4日:北米#2(19公演)←★ココ★・2月19日-4月12日:欧州#1(34公演)・4月14日-5月2日:英国(16公演)・5月8日-24日:欧州#2(13公演)これが“THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY Tour”の概要。長尺サウンドボードは「北米#1」「北米#2」「英国」の3レッグから7公演分が発掘されています。もちろん、当店ではそのすべてをベスト・マスターのプレス名盤でアーカイヴしております。ここで、一覧にしておきましょう。「北米#1」・12月16日『MAPLE LEAF LAMB』・12月17日『ROCHESTER 1974』「北米#2」・1月10日:ウェスト・パーム・ビーチ公演 ←★本作★・1月11日『DEFINITIVE LAKELAND 1975』・1月24日『LAMB MASTER IN LOS ANGELES』&公式・1月28日『THE LAMB LIES DOWN IN PHOENIX』「英国」4月19日『DEFINITIVE LIVERPOOL 1975』以上の全7公演です。中でも最多だったのは「北米#2」で、本作のウェスト・パーム・ビーチ公演はその序盤となる2公演目でもありました。このショウの最高峰と言えば、これまでは当店の『DEFINITIVE FLORIDA LAMB』だったわけですが、本作はそのアップグレード盤なのです。さらに長尺で、ナチュラル&美しい新マスター アップグレードの要因は「マスターそのもの」と「仕上げ」の両面に及びます。まず「マスター」。前回盤『DEFINITIVE FLORIDA LAMB』よりも長く、美しい新マスターなのです。「The Chamber Of 32 Doors」後や終演後が(若干)長く収録されているのですが、それ以上に重要なのは全編を貫くサウンド。前回盤でもオフィシャル級に思えたものですが、今回の新マスターと比べるとショウ中盤まで高周波ノイズが乗っており、それを解消しようとするノイズ・リダクションによって演奏音も(わずかですが)歪んでいました。ところが、今回の新マスターは高周波ノイズそのものが存在しない。当然リダクションの必要もないわけで、演奏音も歪みなく艶やかナチュラルなのです。こんなマスターがどこから出てきたのかと驚くばかりですが、正確に言いますと「知られていなかった」というのが実情。前回盤は「1stジェネのDATクローン」との触れ込みでベスト・マスター認定されてきたのに対し、今回マスターはラインエイジが未確定で見過ごされていた。しかし、今回は現存する全マスターを検証。今回マスターの真の実力を見いだしたわけです。ラインエイジ情報がないだけで、恐らくは全開マスターとは別ダビングの1stジェネか、大元からのトランスファーなのでしょう。明らかに今回マスターの方が上なのです。ブロードウェイ物語を通し体験できる補完パート 本作は、そんな新マスターに加え、「仕上げ」もアップグレード。「GRAF ZEPPELIN」リマスターだけにいつものようにピッチ/位相補正/帯域分析/バランス調整/ノイズ処理……といった各工程を異常な精度で施していますが、今回大きいのは「補填」の精度でした。ウェスト・パーム・ビーチSBDは長尺とは言っても完全ではなく、2ヶ所(「Anyway/Here Comes The Supernatural Anaesthetist」パートと「The Musical Box」序盤)にテープチェンジの録音漏れがあり、別音源で補填する必要があります。前回盤も補填されていたのですが、後の検証で補填音源が別日だと判明しました。本作は、その点も改善されている。「The Musical Box」序盤は同日録音が存在しないために別日ではありますが、「Anyway/Here Comes The Supernatural Anaesthetist」パートは、真なる同日オーディエンスで補完。これにより長大な『眩惑のブロードウェイ』物語を終始一貫の生演奏で楽しめるようになったのです。『トミー』『ザ・ウォール』とは違い、再演や映画化が望めない『眩惑のブロードウェイ』。だからこそ、当時の長尺サウンドボードが重要なのです。本作は、そんなサウンドボード・コレクションをさらにアップグレードさせた新名盤。「1975年1月10日ウェスト・パーム・ビーチ公演」のステレオ・サウンドボード録音。従来盤よりも長くナチュラルな新マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き上げた最高峰更新盤。従来盤では別日録音で繋いでいた「Anyway/Here Comes The Supernatural Anaesthetist」パートも同日オーディエンスで補完し、『眩惑のブロードウェイ』を終始一貫の生演奏で通し体験できます。前回盤とは別枝葉ですが、間違いなくアップグレードといえる音源より新規マスタリング。前回盤ではデジタル・ノイズリダクションの影響で音のザラ付き・ガサつきが目立ちましたが、本盤そのような事がなく、特に曲間などの静寂部でその違いが確認できます。欠落部を同日公演のAudで補填し、同日の補填素材がないライブ終盤のThe Musical Box冒頭部は、 '74年のプロヴィデンスまたは今回盤の翌日12日公演のレイクランド公演でそれぞれ補填されています。West Palm Beach Convention Hall, West Palm Beach, FL, USA 10th January 1975 STEREO SBD UPGRADE Disc 1 (48:33) 01. The Lamb Lies Down On Broadway 02. Fly On A Windshield 03. Broadway Melody Of 1974 04. Cuckoo Cocoon 05. In The Cage 06. The Grand Parade Of Lifeless Packaging 07. Back In NYC 08. Hairless Heart 09. Counting Out Time 10. Carpet Crawlers 11. The Chamber Of 32 Doors Disc 2 (69:29) 01. Story Of Rael 02. Lilywhite Lilith 03. The Waiting Room 04. Anyway ★1:48以降 同日のAud音源で補填 05. Here Comes The Supernatural Anaesthetist ★0:00-0:59 同日のAud音源で補填 06. The Lamia 07. Silent Sorrow In Empty Boats 08. The Colony Of Slippermen 09. Ravine 10. The Light Dies Down On Broadway 11. Riding The Scree 12. In The Rapids 13. It ★5:22以降 同日のAud音源で補填 14. The Musical Box ★0:00-1:18 '74年Providence公演のAudで補填 / 1:18-2:16 12日のLakeland公演で補填 STEREO SOUNDBOARD RECORDING Peter Gabriel - Lead Vocals Steve Hackett - Guitar Mike Rutherford - Bass, Guitar, Vocals Tony Banks - Keyboards Phil Collins - Drums, Vocals