JEMSによって紹介された新たなるビンテージ・テーパーのバリー・ゴールドスタインによって録音された音源の発掘が続きます。そんな中でも今回の音源は世界中のマニアに最大級の驚きをもたらしてくれるのではないでしょうか。それが1976年2月11日のLAフォーラム。稀代の名盤『STATION TO STATION』のリリースと共に敢行された通称「ISOLAR1」アメリカツアーは公式のナッソー・コロシアムという絶大な音源が存在しますが、その一方でツアー全体からは音源の現存数が限られており、アメリカ中のアリーナを回る大規模なツアーであった反面、ベールに包まれた時期でもあります。こうした状況を象徴するかのようにLAフォーラムでも三回の公演が行われていたにもかかわらず、今まで発掘されたのは2月9日ただ一日だけ、おまけに不完全収録なLP『WISH UPON A STAR』のみという有様。ところが二年前にJEMSが同日の別音源を発掘…ところが今回はマニアが慣れ親しんできた2月9日ではなく、何と11日のLAフォーラム。三回行われた同会場での公演から別の日の発掘というだけでもあまりに価値の高い録音となること必須な訳ですが、そのクオリティがまた素晴らしい!結果的に二種類存在する9日の音源のどちらと比べてみても圧倒的に音が良く、特にボウイの歌声の近さにはうっとりさせられるレベル。残念ながら「ISOLAR1」ツアーはマイク・ミラードが参戦しなかったことがJEMSによって既に確認されていますし、76年LAフォーラムのまともなCDと言えば『WISH UPON A STAR』のLP落とししか存在しなかったという有様。それが今回ようやく9日以外のLAフォーラム公演の音源が発掘され、おまけにそれがバリー・ゴールドスタインによって録音されたとなれば、もはやお墨付きのクオリティ。実のところライブ終盤の数曲が録音しそびれてしまった不完全版なのですが、そんなことがまるで気にならない衝撃の新発掘録音となれば文句の付けようもない。むしろ一枚で濃厚にじっくり聴ける完全初登場音源。そして内容もまた驚き。「ISOLAR1」ツアーはボウイの溢れ出る創作意欲を反映してツアー序盤は色々な変化が試みられていたのですが、その象徴とも言えたレパートリーが「Sister Midnight」。ご存じイギー・ポップによってリリースされたボウイ作ナンバーでしたが、ツアー序盤は作者自身がリリースしていなかったにもかかわらずレパートリーに投入。今までは『THE 1976 TOUR REHEARSAL TAPE』と『SEATTLE 1976』で聞かれましたが、さらなるライブテイクの発掘は貴重極まりない。またボウイの自己紹介は通常ですと「Changes」で行われるのが恒例のパターンでしたが、ここではまだこのツアーのキャラクター「Thin White Duke」に成り切れておらず(笑)フツーにバンド紹介の一環で自身を名乗るという地味な展開も面白い。何しろボウイの声が近くに捉えられていますので、その淡々としり口調は公式ナッソー・コロシアムとは別人のごとし、これまたツアー序盤ならではの光景かと。さらに「Panic In Detroit」におけるデニス・デイヴィスがスキャットで行う「口ドラムソロ」も控えめで、ここでは単なるドラムソロで終わっている。これもまたナッソー・コロシアムとはまるで違った場面が随所で見受けられ、なおかつそれが非常に聞きやすい音質で楽しめるとなればマニア歓喜のゴールドスタインによる「ISOLAR1」ツアー初登場音源。もはや前回の『LOS ANGELES 1974 FINAL NIGHT』をも凌ぐ衝撃の歴史的発掘!心して聞いてください。驚異の初登場・高音質音源The Forum, Inglewood, CA, USA 11th February 1976 TRULY PERFECT SOUND (73:21) 01. Station To Station 02. Suffragette City 03. I'm Waiting For The Man 04. Word On A Wing 05. Stay 06. Band Introduction 07. TVC15 08. Sister Midnight 09. Life On Mars? 10. Five Years 11. Panic In Detroit 12. Fame 13. Changes 14. The Jean Genie David Bowie - Vocals Carlos Alomar - Guitar Stacy Heydon - Guitar Tony Kaye - Keyboards George Murray - Bass Dennis Davis - Drums