クルセイダーズ、80年代のライブ・コンピレーションです。Disc 1は82年7月12日モントルー・ジャズ・フェスのライブ、分離もはっきりとした素晴らしいサウンドボード録音で収録。この時の目玉はジミー・クリフが客演してのストーンズの「Satisfaction」をプレイしていること。この黒い演奏は素晴らしい、と言いたい所ですが、ゆるーいサウンドで、ジミー・クリフもやや酔いどれなボーカル。しかし真夏の、しかも由緒あるモントルー・ジャズ・フェスと言う空間で聴いたら、やっぱり感動したはず。82年はLP2枚組のライブ・アルバム『Royal Jam』がありますが、演奏曲は「Street Life」以外被っていません。またそのアルバムではBB Kingの客演がありました。当時のジャズとロック、そのクロスオーバーを正に具現化していたのがクルセイダーズと言えるでしょう。ボーカルをガンガンゲストに使って共に盛り上がるスタイル、これぞ80年代になって彼らの一つのパターンとなりました。ゲストがないと盛り上がれないそんな軟弱なバンドではありませんが、この後83年にファンキーの要、スティックス・フーパーが抜けてバンドがより流動化していくので、その直前の最後のかっこいいバンド・アンサンブルをこのライブで確認してもらいたいです。そしてJVCジャズ・フェス、こちらはそのスティックス・フーパーが抜けてしまった後となりますが、ナンシー・ウィルソンとの「The Way It Goes」はずばりの名曲です。クルセイダーズのボーカル・アルバムのライブ・バージョン、みたいな趣です。Disc 2は87年7月17日、東京NHKホールでのライブをステレオ・サウンドボードにより収録しています。NHKホールと言えばオフィシャル・ライブ・アルバム『Live In Japan』を思い出しますが、そちらは81年。この時の来日はファンキーの要、スティックス・フーパーが抜けてしまい、ウィルトン・フェルダーとジョー・サンプルのユニットとしてのみ機能して、正直パワーダウンしてしまったなーと思わせる頃のもの。当時のニューアルバム『The Good And Bad Times』から3曲の新曲、当然「Chain Reaction」等の名曲もプレイされていて、流石はクルセイダーズ、飽きさせない展開となっています。そしてなんと言っても来日公演であるということで、何らかのミラクルがそこにあるように感じさせられてしまいます。我ら日本人はメモリアルな意味も含めておススメです。Disc 1 1.The Hustler 2.(I Can't Get No) Satisfaction 3.Street Life 4.Put It Where You Want It Live at Montreux Jazz Festival, Montreux, Switzerland July 12, 1982 5.The Way It Goes 6.Chain Reactions JVC Jazz Festival 1986 Disc 1.Mischievous Ways 2.Chain Reaction 3.Blue Ballet 4.Good Times 5.Carmel 6.Burnin' Up The Carnival 7.Street Life 8.Sometimes You Can Take Or Leave It Live at NHK Hall, Tokyo, Japan July 17, 1987