グレンデイルと同時にラスベガスも昇格リリースが実現!こちらもまた非常に素晴らしい音質のオーディエンス録音であったことから実現は必然。確かに曲間における音質の変化という状態がありましたが、それを差し置いてもなお素晴らしい音質の録音であったことは事実。何と言ってもあのミックの声の近さ。そのバランスは平均値が高い今回のツアーから生み出されたオーディエンス録音の典型と呼べるものかと。元の録音はオートレベルをオンにしたと思われる音量の変化が曲のイントロなどでもみられた訳ですが、それを差し置いても圧倒的に聞きやすいこの音質。それでいて全体のクリアーさにも秀でている。それにストーンズのエンジンが全開となったグレンデイルの次のショーということもあり、彼らの演奏がとにかく絶好調というのがあまりにも大きすぎる。ファン投票から演奏された「Like A Rolling Stone」の力強い演奏はそれを象徴するものでした。これに続いた「You Got Me Rocking」もまた見事なもので、実質「1994-95コーナー」と呼べる展開が見事に映えている。おまけにどちらの曲も現時点ではこの日だけしか披露されていない。それにニューアルバムからの「Mess It Up」の演奏もまた素晴らしいものでした。さらにこの日のトピックとしてキース・コーナー二曲というパターンが復活。しかも「Little T&A」に続いて演奏されたのが「You Got The Silver」というのは本当に絶妙。今のキースでもいい感じに演奏できる楽曲であるというのはもちろん、レパートリーの耐年数をとうに越した「Happy」よりも円熟味を出せるという点でこれからも期待の持てるセレクトでしょう。実際この日を境にキース・コーナーはこれら二曲の固定となっており、この日をして2024年型ストーンズのステージが完成したのは間違いない。そんな重要な一日を素晴らしい音質で捉えてくれたのだからリリースされるべき一日だとしか言いようがない。しかし何と言ってもこの日最高の演奏はフィナーレ「Satisfaction」。今回のツアーにおける同曲はスティーブ・ジョーダン加入後におけるライブ演奏において改めてオリジナル・バージョンの雰囲気を見直したようなアレンジが非常に新鮮で、毎晩演奏され続けてきた定番のお約束感が薄れて凄くいい感じに演奏されている。そうした中でこの日はさらにハイテンションさが際立っており、キースの弾くギター・ソロも激しい。この雰囲気の中でミックはコーラス隊を掛け合いを楽しんでいるのですが、エンディングが近づいてい来ると懐かしのライブアルバム『GOT LIVE IF YOU WANT IT!』での彼が乗り移ったかのようの「ガッタ!」を連発。そこにスティーブの揺るぎないドラミングやホーンが加わって爆発するかのようなフィナーレを迎えたのです。何しろ音像が近いので、この激しい演奏から伝わってくるミックを中心とした気迫は本当に凄まじい。セットリストが言うなれば80年代モードのグレンデイルに焚いて90年代モードのラスベガス。本当に今回のツアーは素晴らしいですね!Allegiant Stadium, Las Vegas, NV, USA 11th May 2024 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND Disc:1 (58:02) 1. Intro. 2. Start Me Up 3. Get Off of My Cloud 4. Let's Spend the Night Together 5. Angry 6. Like a Rolling Stone 7. You Got Me Rocking 8. Mess It Up 9. Tumbling Dice 10. You Can't Always Get What You Want 11. Band Introductions 12. You Got the Silver 13. Little T&A Disc:2 (53:43) 1. Sympathy for the Devil 2. Honky Tonk Women 3. Miss You 4. Gimme Shelter 5. Paint It Black 6. Jumping Jack Flash 7. Sweet Sounds of Heaven 8. Satisfaction