「俺が本気になればロック・バンドなど足元にも及ばない!」と言い放って、伝説のプロモーターのビル・グラハムが設立したロック/ソウル/ファンクなど当時最もNOWな音楽の殿堂フィルモア(イースト&ウェスト)にジャズ界から始めて乗り込んだマイルス・デイヴィス。会場閉鎖に伴い最後のフィルモア出演となった伝説のライヴが極上高音質で復活!!ジャズという狭い括りの中から飛び出して、当時最もヒップだったジミ・ヘンドリックス、オールマン・ブラザーズ・バンド、グレイトフル・デッド、スライ&ザ・ファミリー・ストーンらと並ぶ人気アーティストへと昇り詰めたマイルス・デイヴィスの切っ掛けとなったフィルモア(イースト&ウェスト)への出演。フィルモア(イースト&ウェスト)とは1968年から1971年まで存続し、当時のロック界に於ける最も重要なコンサートのいくつかがこの会場で行われた伝説の聖地。その後も長く人気アーティスト達のコンサートを仕切っていた伝説のプロモーター、ビル・グラハムがニューヨークとサンフランシスコというアメリカ東西の拠点に設立した伝説のコンサート会場。当時、このビル・グラハムの運営するフィルモア・イーストとウエストに出演することが、一流アーティストとしてのステイタスだった時代があった。幸いにも、其処での名演を記録した素晴らしいライヴ作も多数残されています。「フィルモアの奇蹟」と邦題の付いた、アル・クーパーとマイク・ブルームフィールドにカルロス・サンタナ、スティーヴン・スティルスらによる歴史的最重要作はじめ、オールマン・ブラザーズ・バンド、アレサ・フランクリン&キング・カーティス、ジミ・ヘンドリックス・バンド・オブ・ジプシー…現在、ライヴの大名盤、定番と言われる作品の多くがこのフィルモアでの実況録音盤。アーティストの実力はもちろんのこと、このフィルモアという場所には、神が宿っているとでも形容のしようが無い何かがある。上記のライヴ盤が証明しているように、アーティストの放つオーラ、凄みが、明らかに他所とは違う。その頂点に君臨するのが、我らがマイルスの「アット・フィルモア」だ!!ここでマイルス・デイヴィスのフィルモア(イースト&ウェスト)への出演をまとめておこう。1970年3月6,7日 イースト 197年4月9,10,11,12日 ウェスト 1970年6月17,18,19,20日 イースト 1970年10月15,16,17,18日 ウェスト 1971年5月6,7,8,9日 ウェストとなっている。本作はフィルモア(イースト&ウェスト)の閉鎖前の1971年5月7日フィルモア・ウェストに於ける、マイルスのフィルモア出演最後のステージとなる2日目を、既発を大幅に上回る極上の高音質にて収録した決定版です!!当日のステージはエルヴィン・ビショップのグループとマンドリルが対バンで、マイルスのグループがトリを務めたと思われる。当時45歳のマイルス、30歳のゲイリー・バーツ、26歳のキース・ジャレット、29歳のジャック・ディジョネット、30歳のアイアート、なんと若干19歳のマイケル・ヘンダーソンという、それぞれが最もカッコよかった時代の才能溢れるタレント揃いのスーパー・グループが、ロック・ファンで溢れかえるフィルモア・ウェストのステージで爆音よろしく大暴れしているのです!この後自らのグループ「コンポスト」を結成するディジョネットと、ソロに転向するキースの本国アメリカに於けるほぼ最後期のステージ(この後すぐにヨーロッパへと旅立ってしまう)にしてフィルモアでの最後のライヴということもあり、マイルスはじめメンバー全員のテンションの高さも半端なく、あっちこっちに派手に動き回るキースのキーボード、ほとんどロック・ドラミングのディジョネット、ワーワーでグイグイとバンドを引っ張るマイルスと、誰も止められない凄まじいステージを展開!とりわけこの日のステージでとんでもなく調子が良いのが、メンバーの中で最も若いマイケル・ヘンダーソン。この時代のマイルス・グループのサウンドの要となるトレードマークのブイブイ・ファンク・ベースが最初から最後まで唸りまくり、また嬉しいことに既発ではこもってしまっていたベース音が、丁寧なマスタリングにより輪郭がハッキリとしてその凄さをより実感出来る最高の音像となっています!マイルス・デイヴィスの存在をポピュラーにした天下のフィルモアでのラスト・ステージの決定版を聴くべし!!