今回のマイク・ミラードによるZEP1975年3月27日LAフォーラム録音に関しても同時にdadgad制作によるリマスター・バージョンが公開されています。これまでもそうだったように、dadgadのセンスが最大限に活かされたリマスターはマスターのイメージからいい意味で大きな変貌を遂げました。同じようなミラード録音でも『L.A. FORUM 1975 FINAL NIGHT』の「Liriodendron」リマスターとは10年以上の開きがあり、なおかつ元にしているミラード音源が今回はマスター。今となってはその段階で今回のバージョンとの差が既についてしまっているのは聞き比べるまでもないレベル。そこに輪をかけて2024年の最新テクノロジーを駆使してdadgadがリマスターしてくれたものだから、その仕上がりは見事としか言いようがない。確かにこれまで以上に元のミラード・マスターからかけ離れた状態ゆえ、そこはマニアからすると「異種」に部類されてしまうのは否めない。それでもなお今回のdadgadリマスターのトータルな仕上がりの良さ、その洗練された音質は非常に魅力的です。元々がサウンドボードと誤解されかけたほど音像がオンな録音状態でもありますし、そこへきてdadgadの完成度高めなリマスターの仕上がりと相まって実に聞きやすい印象。中でもdadgadが注視したのはライブ終盤「Whole Lotta Love」でみられた音のこもりやレンジの狭まりを極力解消しようとしたこと。これは同曲が始まって会場が沸き立ったがゆえに総立ち状態となってしまい、そのせいで音がこもってしまったことは容易に想像できるもの。それ以前の音質がいつものミラード・クオリティ炸裂だっただけに、彼の3月27日LAフォーラム録音で唯一惜しまれる点がここだった。この問題に取り組み、なおかつ俄然聞きやすい状態へと生まれ変わらせてくれたのが今回のdadgadリマスターのハイライトだと断言いたしましょう。そんなミラード・マスターが驚きの洗練された状態へと生まれ変わったバージョンの違いをぜひお確かめください!The Forum, Inglewood, CA, USA 27th March 1975 ULTIMATE SOUND Disc 1 (70:20) 1. Introduction by Linda Lovelace 2. Rock And Roll 3. Sick Again 4. Over The Hills And Far Away 5. In My Time Of Dying 6. The Song Remains The Same 7. The Rain Song 8. Kashmir 9. Since I've Been Loving You Disc 2 (70:50) 1. MC 2. No Quarter 3. Trampled Underfoot 4. Moby Dick Disc 3 (78:00) 1. MC 2. Dazed And Confused 3. Stairway To Heaven 4. Whole Lotta Love / The Crunge 5. Black Dog