通称「Corrosion」で知られるインプロヴィゼーションでも愛されてきた名録音がアップグレード。ベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が仕上げた最高峰更新盤が2CDで登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1970年11月27日ハノーファー公演」。その全貌を語り継いできた伝説のオーディエンス録音です。「あれ? Corrosionはハンブルクじゃなかったっけ?」というコレクターの方もいらっしゃる事でしょう。実は、そこも本作の大きなポイント。その意味をご説明するためにも、まずは当時の活動概要から始めましょう。・1月10日ー2月28日:欧州#1(18公演)←※LIVE AT LEEDS他《3月1日『原子心母』制作開始》・3月5日ー30日:欧州#2(15公演)←※NUREMBERG 1970他・4月9日ー5月16日:北米#1(17公演)←※FILLMORE WEST 1970他《機材盗難でツアー中断》・6月27日ー7月26日:欧州#3(7公演)←※HYDE PARK 1970《7月26日『原子心母』録音終了》・8月8日ー9月12日:欧州#4(4公演)・9月26日ー10月25日:北米#2(20公演)←※PEPPERLAND 1970他・11月6日ー12月22日:欧州#5(21公演)←★ココ★ これが1970年のPINK FLOYD。本作のハノーファー公演も問題のハンブルク公演も『原子心母』がリリース後に行われた「欧州#5」のことでした。さらに日程をフォーカスしてみましょう。「欧州#5」の詳細・11月6日:アムステルダム公演*11月7日『ROTTERDAM 1970: 4TH GEN』*11月11日『GOTHENBURG 1970』*11月12日『COPENHAGEN 1970』・11月14日:ハンブルク公演*11月21日『MONTREUX 1970 DAY 1』他*11月22日『TOO EARLY FOR A GIG』他*11月25『ATOMIC ENSEMBLE』*11月26日『KILLESBERG HALLE 1970』*11月27日:ハノーファー公演 ←★ココ★*11月28日『PICTURES OF PINK FLOYD』*11月29日『MUNICH 1970・12月3日ー21日(6公演)*12月22日『SHEFFIELD 1970 REVISITED』……と、このようになっています。さて、ここで冒頭の話に戻りますが、これまで「Corrosion」で知られる名録音はハンブルク公演とされており、当店でもプレス名盤『CORROSION:HAMBURG 1970(Sirene-235)』として親しまれてきました。しかし、現在その情報は更新。実は「第二のハノーファー録音」と「真のハンブルク録音」が発掘され、「伝統録音=本当はハノーファー」と明らかになったのです。そして、そんな伝統録音の最高峰更新盤となるのが本作。従来のSirene-盤『CORROSION』と録音自体は同じなのですが、コア・コレクターNeonknight氏が公開した「Stratcat58カセット・マスター」を採用し、さらに「GRAF ZEPPELIN」がイチから磨き直したものなのです。実際、そのサウンドは過去最高。従来マスター(「T136」と呼ばれるトランスファー)も「Stratcat58」マスターも具体的なジェネは不明なものの、音の精度が格段に上がっています。しかも、ナチュラル。従来の「T136」マスターは(現代基準からすると稚拙な)ノイズ・リダクションが施されて音が暗かった。さらにモノラル録音にも関わらず定位が右に寄っており(リールにの左右チャンネルには同じ音が記録されていながら、位相がズレていたために定位が狂っていたのです)、ピッチも2%も速かったのです。ところが、今回の「Stratcat58」マスターはそうした問題がほとんどない。もちろん、厳密には狂いも生じてはいたのですが、「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングによって徹底的に(偏執的に)補正されているのです。そんな最高峰更新サウンドで描かれるのは「Corrosion」も語り草となっている伝説のショウ。緻密に作曲された未発表曲と言うよりは、その場の感性で綴られるインプロヴィゼーションなのですが、これが濃厚。基本的には「星空のドライブ」の中間部を思わせる即興なのですが、終盤にはロジャーのアジ演説のような絶叫が轟き、「毛のふさふさした動物の不思議な歌」を思わせる。様々な実験を経験しつつ、サイケデリック・ロックからプログレッシヴ・ロックへ進化を遂げようとしていた1970年ならではの生演奏なのです。半世紀を超えての研究により、真なる会場が判明したハノーファー録音。本作は、その真の姿を永久保存したプレス2CDです。単に「会場・日付」が明らかになったのではなく、サウンド面でも2024年のノウハウを駆使して「現場音」に迫った至高盤。「1970年11月27日ハノーファー公演」の伝説オーディエンス録音。これまで「11/14のハンブルク」と誤解されてきた伝統録音で、コア・コレクターNeonknight氏によるベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き上げた最高峰更新盤。従来マスターより鮮度が良く、位相やピッチのズレも徹底補正。歴史的なインプロヴィゼーション「Corrosion」も正しい姿で体験できます。音声そのものは、かつて11月14日のハンブルグ公演とされてきたもの。近年(2012年?)本物のハンブルグ公演および11月27日ハノーファー公演の音源が数曲ずつ同時に発掘され、かつて11月14日ハンブルグ公演とされていた音源は11月27日のハノーファー(発掘音源とは別音源である)と判明した、というややこしい話。つまりハノーファー公演には音源が2種存在することになる。本ライブ、そもそも音源が出回った70年代当時は「Germany 1970」くらいの情報で流通していたようで、いつしか11/14ハンブルグ公演として広まっていたもの。ちなみに、80年代末にも「LOST IN THE CORRIDORS」というアナログLPなどにCORROSIONとEmbryoのみが収録。そこでは70年7月HANOVERとジャケにクレジットされていた。収録時間の都合でCorrosionとそのままメドレーのEmbryoをDisc2へ移動し、ボーナス収録なし。Disc2はめい一杯の収録。ちなみに既発盤SireneではCD1枚目にEmbryoまで収録できているが、これはEMBRYOなどピッチが2%くらい早い部分があるため【整理】11月14日ハンブルグ・・数曲のみ近年発掘。これによりかつてハンブルグとされていた音源が、違うライブであることが判明11月27日ハノーファー・・Rec1: かつて11月14日ハンブルグとされた130分ほどのモノラルAud11月27日ハノーファー・・Rec2: 数曲のみ近年発掘された。ステレオAudでかつてハンブルグとされていたライブ(Rec1)と同一の演奏であった Niedersachsenhalle, Hanover, Germany 27th November 1970 PERFECT SOUND UPGRADE Disc 1 (52:17) 1. Astronomy Domine 2. Fat Old Sun 3. Cymbaline 4. Atom Heart Mother Disc 2 (79:01) 1. Tuning 2. Corrosion 通称Corrsion。 "星空のドライブ"のライブ中間部、または"MOONHEAD"のような演奏で、終盤のロジャーの演説みたいな叫びは、アルバム「UMMAGUMMA」の" Several Species Of Small Funny Animals Gathered Together In A Cave And Grooving With A Pict"を彷彿とさせるロジャーによる演説調の語りが印象 さらに言うと、本ライブではやたら演説調の異様なロジャーのMC(語り)がライブ中に数ヶ所あるのが非常に興味深いもの。3. The Embryo 既発盤でカットしていた演奏前の異様なロジャーの語りパートもノーカット収録 4. Green Is The Colour 5. Careful With That Axe, Eugene 6. Set The Controls For The Heart Of The Sun 7. A Saucerful Of Secrets