名作『CREATURES OF THE NIGHT』を引っさげ、ヴィニー・ヴィンセントと共にロードに帰ってきた1983年のKISS。その現場をフル体験できる極上録音が新発掘。そんな本作に吹き込まれているのは「1983年1月12日ケベック・シティ公演」。その極上オーディエンス録音です。当店ではKISSをオール・キャリアでアーカイヴしており、もちろん貴重なヴィニー時代も可能な限りの名作群をご紹介してきました。そんな中で本作のポジションはいかなるものなのか。当時のスケジュールから紐解いていきましょう。1982年《10月13日『CREATURES OF THE NIGHT』発売》《12月:ヴィニー・ヴィンセント加入》・12月29日ー31日:北米#1a(3公演)←※SIOUX CITY 1982他 1983年・1月1日ー2月4日:北米#1b(23公演)←★ココ★・2月11日ー3月1日:北米#2(12公演)・3月9日ー4月3日:北米#3(15公演)←※EL PASO 1983他・6月18日ー25日:南米(3公演)←※RIO DE JANEIRO 1983《7月『LICK IT UP』制作開始》1983年10月にはノーメイク時代の幕開け“LICK IT UP Tour”が始まりますが、本作はその前の“CREATURES OF THE NIGHT Tour”でした。ツアーのキックオフは1982年末だったものの、3公演のみで年越し。この「北米#1b」は名作の宝庫でもありますので、さらに日程をズームしてみましょう。「北米#1b」の詳細・1月1日ー2月4日(23公演)*1月12日:ケベック ←★本作★*1月13日『MONTREAL 1983』*1月14日『TORONTO 1983 SOUNDBOARD』・1月1日ー2月4日(23公演)……と、このようになっています。『TORONTO 1983 SOUNDBOARD』『MONTREAL 1983』といった強力タイトルがありましたが、本作のケベック公演はその直前。3夜立て続けの連続ライヴアルバムなのです。もちろん3夜連続は単なる偶然でして、ポイントなのはクオリティ。この日はショボい録音が有名だったりするのですが、本作はまったくの別モノ。これがとんでもなくハイ・クオリティなのです。実は『MONTREAL 1983』と同じ録音家の作品でもあるのですが、あの名作よりも数段上を行く。クリスタル・クリアに透き通った空気感のド真ん中をレーザー光線のようにクッキリとした芯が貫き、細やかなディテールが曇りも濁りもせずに耳元に飛び込んでくる。オーディエンス録音ではスカスカか爆音の両極端になりがちなベースも1音1音がしっかりと捉えられ、それらが連なって生まれるグルーヴ感も美味しく味わえるのです。そして何より、美しい。『TORONTO 1983 SOUNDBOARD』だけでなく、この時期のサウンドボードはミックス卓直結系が多いのですが、本作はそういった剛力タイプのサウンドボードより遙かに美麗。鳴りは端正で瑞々しく、アンサンブルもトータルで均整が取れている。音色的にサウンドボードと間違えたりはしませんが、音楽的に美しいのは卓直結サウンドボードよりも本作。つまり、いわゆる「オーディエンスだけの美」に満ち溢れた絶世の美録音なのです。そんな淡麗サウンドで描かれるのは、新生KISSの魅力がこぼれて溢れ出す“CREATURES OF THE NIGHT Tour”のフルショウ。最後に、そのセット内容も整理しておきましょう。CREATURES OF THE NIGHT(4曲)・Creatures of the Night/I Love It Loud/War Machine/I Still Love You 70年代クラシックス(11曲)・KISS:Firehouse/Cold Gin/Black Diamond/Strutter・DESTROYER:Detroit Rock City/God Of Thunder/Shout It Out Loud・その他:Calling Dr. Love/I Want You/Love Gun/Rock And Roll All Nite セレクト自体は『TORONTO 1983 SOUNDBOARD』と同一なものの、曲順は異なる。「Firehouse」が4曲目で早々に披露される一方、「Cold Gin」が中盤、「War Machine」が後半に演奏される。『MONTREAL 1983』では聴けなかった「Strutter」も盛り込まれていますし、3夜連続にも関わらずショウ構成は全部違う。本作自体が優れたライヴアルバムでもありますし、『MONTREAL 1983』『TORONTO 1983 SOUNDBOARD』と合わせることで、急速にセットを練り上げていく様子も浮かび上がるのです。それにしても、これほどの名録音が40年以上も知られてこなかったとは。卓直結サウンドボードにも負けないサウンドクオリティを誇り、美しさと聴き応えでは勝ってさえいる衝撃の新名盤です。「1983年1月12日ケベック・シティ公演」の極上オーディエンス録音。当店の独自ルートで発掘された大元マスター起こしで、従来知られてきたショボ録音とはまったくの別モノ。クリスタル・クリアに透き通った空気感のド真ん中をレーザー光線のようにクッキリとした芯が貫き、細やかなディテールが曇りも濁りもせずに耳元に飛び込んでくる。美しさと聴き応えではSBDも凌駕するサウンドで、“CREATURES OF THE NIGHT Tour”をフル体験できる新名盤です。Colisee de Quebec, Quebec City, QC, Canada 12th January 1983 TRULY PERFECT SOUND UPGRADE Disc:1 (32:40) 1. Intro 2. Creatures of the Night 3. Detroit Rock City 4. Calling Dr. Love 5. Firehouse 6. I Want You 7. I Love It Loud 8. Cold Gin Disc:2 (56:27) 1. Bass Solo 2. God of Thunder 3. Guitar Solo 4. MC 5. Love Gun 6. Drum Solo 7. War Machine 8. I Still Love You 9. Shout It Out Loud 10. Black Diamond 11. Strutter 12. Rock and Roll All Nite Paul Stanley - guitar, vocals Gene Simmons - bass, vocals Eric Carr - drums, vocals Vinnie Vincent - guitar