本家に先んじて来日を果たしたグラハム・オリヴァー&ポール・クィン。英雄SAXONのオリジナル・ツインが揃ったラスト・ギグを伝える極上オリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2024年8月17日:代官山SPACE ODD」公演。その超絶級オーディエンス録音です。「GRAHAM OLIVER'S ARMY」なるバンド名に馴染みが薄い方もいらっしゃるかも知れませんが、彼らはOLIVER/DAWSON SAXONの後継バンド。OLIVER/DAWSON SAXONはその名の通り、オリヴァーとスティーヴ・ドーソンの双頭バンドだったわけですが、コロナ禍で活動できなかった2021年にドーソンが音楽生活を引退。オリヴァーが主体になったためにバンド名も変更されたのです(ちなみに、その後ドーソンは児童に対する性的虐待の罪で有罪判決。犯行は90年代だったものの、大人になった被害者が告訴し、今年4月に5年の禁固刑が確定しました)。そんな彼らは、OLIVER/DAWSON SAXON時代も含めて三度の来日を果たしました。良い機会でもありますので、ここで来日史を俯瞰しておきましょう。2019年:OLIVER/DAWSON SAXON・9月6日:新宿Zirco Tokyo 2023年:GRAHAM OLIVER'S ARMY・6月5日:新宿Zirco Tokyo・6月6日:新宿Zirco Tokyo 2024年:GRAHAM OLIVER'S ARMY・8月17日:代官山SPACE ODD ←★本作★ 以上の全4公演。実は昨年もGRAHAM OLIVER'S ARMYとして来日しており、その際もポール・クィンが同行していました。しかし、離日後まもなくオリヴァーのパーキンソン病を公表。今回は、最後の来日として1公演限りの特別ライヴが実現したわけです。そんなメモリアルな現場を真空パックした本作は、まさに「超」が付く極上品。何しろ、本作を手掛けたのは当店お馴染みの名手“西日本最強テーパー”氏なのです。そのサウンドは距離感など微塵もなく、芯も極太でド密着。ディテールの細かさもセパレート感も「まるでサウンドボード」と呼ぶしかありません。本作にも目を留める生粋のメタルヘッズでしたら、何かしらの“最強”氏コレクションを体験された事があると思いますが、本作はその金看板を一層輝かせる業物なのです。そんな達人による剛鉄サウンドで描かれるのは、SAXON往年の名曲がギュウギュウに詰まりまくった超グレイテスト・ヒッツ。昨年の前回来日とも似て非なるセットですので、比較しながら整理しておきましょう。ホイールズ・オブ・スティール(6曲)・Freeway Mad/Stand Up And Be Counted/Suzie Hold On/747 (Strangers In The Night)/Motorcycle Man/Wheels Of Steel その他(13曲)・ストロング・アーム・オブ・ザ・ロウ:Heavy Metal Thunder(★)/Strong Arm Of The Law/Dallas 1 PM・デニム・アンド・レザー:Denim And Leather/Princess of The Night/And The Bands Played On・その他:Rock 'N' Roll Gipsy/Backs to the Wall/Frozen Rainbow/Requiem (We Will Remember)/The Eagle Has Landed/Crusader/Power And The Glory(★)/And The Bands Played On ※注:「★」印は前回来日(2023年)では演奏しなかった曲。……と、このようになっています。新曲もカバーも一切なし。『WHEELS OF STEEL』を軸としたオリヴァー/クィン時代の必殺曲がビッシリと詰まっている。昨年は2公演で日替わり曲もあったのですが、今回はその2回分をまとめた上でさらに「Heavy Metal Thunder」「Power And The Glory」までブチかましてくれるのです。そして、そんな名曲の宝箱を綴るパフォーマンスがまた素晴らしいのなんの。クィンはゲスト名義でありながらステージ出ずっぱりで全曲参加。病気を公表したオリヴァーと引退したクィンのコンビにはさすがに不安もよぎりましたが、それがウソのようにビシビシと決めてくれる。3人目のギャヴ・クールソンはでシュレッダーなソロを盛り込んでくる巧者なのですが、ソロの半分をクィンに譲ることで本物感が爆増しています。そして、ブライアン・ショウネシーのヴォーカル。往年のビフ・バイフォードを彷彿とさせる歌いっぷりは本当に見事です。現役感に拘る本家SAXONは当然のように素晴らしいのですが、徹底的に往年の名曲で押しまくってくれるオリヴァー/クィンの魅力にも抗しがたい。11月にはブライアン・タトラーと共に本家がやって来ますが、本作はその前にSAXON熱を思いっきり焚きつけてくれる超極上ライヴ・イン・ジャパン。ポール・クィンを迎えた最後の来日公演「2024年8月17日:代官山SPACE ODD」の超極上オーディエンス録音。お馴染みの名手“西日本最強テーパー”氏の最新作で、今回も「まるでサウンドボード」と呼ぶべき極太品。距離感など微塵もなくド密着で、ディテールの細かさもセパレート感も絶大。オリジナル・ツインによるSAXON往年の超グレイテスト・ヒッツが楽しめるメモリアル・アルバムです。Space Odd in Daikanyama, Tokyo, Japan 17th August 2024 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc:1 (59:11) 1. Intro 2. SE: Heavy Metal Thunder 3. Rock 'N' Roll Gipsy 4. Strong Arm Of The Law 5. Denim And Leather 6. Backs To The Wall 7. Frozen Rainbow 8. Requiem (We Will Remember) 9. Freeway Mad 10. The Eagle Has Landed 11. Dallas 1 PM Disc:2 (58:36) 1. Stand Up And Be Counted 2. Crusader 3. Suzie Hold On 4. Princess Of The Night 5. 747 (Strangers In The Night) 6. Motorcycle Man 7. Band Introductions 8. Wheels Of Steel 9. Power And The Glory 10. And The Bands Played On Graham Oliver - Guitar Paul Quinn - Guitar Brian Shaughnessy - Vocals Gav Coulson - Guitar Jamie Mallender - Bass Rod Fearnley - Drums