93年大阪公演初日の初登場極上音質マスター!優良タイトルを多数輩出しているエリック・クラプトン93年のジャパン・ツアーから、10月18日の大阪城ホール公演初日を完全収録したタイトル。このツアー終了後の当時リリースされた既発盤には、「大阪城ホール10月18日」というタイトルがありましたし、当店でも独自入手したDATマスターから「HOW LONG BLUES」というタイトルをリリースしております。ところが、今回当店が独自に入手したステレオ・オーディエンス録音マスターは、それらとは完全別のDATマスターだったのです!しかも聴いていてびっくり、既発盤を上回る、素晴らしくクリアでサウンドバランスの良い、臨場感に溢れた極上音質だったのです。31年後の今になってこんな凄いマスターが出てくるとは・・・。驚きを隠せませんが、是非皆様も今回発掘された極上マスターを本作でご鑑賞ください。クラプトンのチャレンジが詰まった過渡期のステージ それでは、この年のジャパンツアーの日程を見ていきましょう(会場の後に表記しているのは、当店の高音質リリースタイトルです)。10月12日 東京・武道館・・・「BLUES LEAVE ME ALONE」13日 東京・武道館・・・「GROANING THE BLUES」14日 名古屋・レインボーホール・・・「AIN’T NOBODY BUSINESS」17日 福岡・国際センター18日 大阪・大阪城ホール ←【ココ】 ・・・「HOW LONG BLUES」19日 大阪・大阪城ホール・・・「KIDMAN BLUES」 21日 東京・武道館・・・「COUNTY JAIL BLUES」22日 東京・武道館 23日 横浜・横浜アリーナ・・・「YOKOHAMA 1993」25日 東京・武道館・・・「Budokan 1993 3rd Night」26日 東京・武道館・・・「The Sixth Day」27日 東京・武道館 30日 横浜・横浜アリーナ・・・「Yokohama 1993 2nd Night」31日 東京・武道館・・・「1993 Final Night」このツアーのセットリストは、非常に魅力的な内容になっていました。翌年から実施されたブルース漬けの「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」前夜とも言えるオールドブルースを前半で畳みかけ、後半は当時の企画アルバムで取り組んだジミ・ヘンのカバーStone Freeやこの時点では未発表だったCircus Left Town(後にCircusと改題)を含みながら、自身の代表曲を織り交ぜ、最後にはまたブルースで締めるという、バラエティに富んだセットだったのです。つまり、「アンプラグド・ツアー」から「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」に至るまでの過渡期のツアーだったわけです。そのためこのセットリストは、この時限りの魅力的なものでした。クラプトンがこの時点で「やりたい」と考えるすべてを詰め込んだ、彼なりのチャレンジだったと考えられます。そのため、ハーモニカのジェリー・ポートノイ(元マディ・ウォータースバンド)とホーンセクションを連れて来ていました。その中でもこの日はジャパンツアーの5公演目に当たっており、パフォーマンスがこなれてきたタイミングでした。この日の妙味はいろいろあり、ジミ・ヘンナンバーStone Freeの後奏では、ツアー当初は、エンディングでクラプトンがジミ・ヘンよろしく、ギターをアンプにこすりつけてフィードバックを起こすという、驚きの演出が試みられていましたが、この日は敢えてフィードバックを起こさずにアグレッシヴなフレージングで通していたり、Tearing Us Apartでは、手癖連発のスリリングなソロを決めたりしています。また、CrossroadsやGroaning The Bluesでも物凄いソロをプレイしており、その迫力には驚嘆されることでしょう。翌日の同会場公演と比較して、当時は翌日のプレイクオリティの方が優っていたと一般には評価されていますが、その評価を覆す出来を本作でご確認いただけます。前半のブルースコーナーでのTell Me Mamaは、翌年の「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」のセットリストからははずれてしまいますので、これが聴けるのは貴重です。そう考えると、クラプトン自身はこの試金石的なセットリストの中で、翌年からのツアーのためにレパートリーを取捨選択していたのかもしれません。その中でもAin't Nobody's Businessをこの時点でレギュラーセットのフィナーレに持ってきていたということで、彼のこの曲に対する確固たる意志はこの時点で固まっていたと読み取れるでしょう。早い時点で、「どうしてもやりたい」曲だったのでしょうね。Laylaがアンコールだったというのも、珍しいツアーでした。この曲においては、アンディ・フェアウェザー・ロウのサポートプレイはイマイチですが、クラプトンのプレイはグイグイアグレッシヴです。ダイナミックドラマー、リッチー・ヘイワード参加の唯一のツアーこのツアーでドラムを務めたのは、リトル・フィートの故リッチー・ヘイワード(2010年死去)でした。クラプトンのキャリア上で彼がツアーのサポートドラマーを務めたのは、このジャパンツアーだけでした。クラプトンが彼をスカウトしたのは、88年と92年の二度、クラプトンがリトル・フィートのコンサートに飛入りして共演した実績があったからだと思われます。彼のダイナミックなドラミングを聴いて、惹かれたのでしょう。そしてこの年初頭のロイヤル・アルバート・ホール公演でまず抜擢し、それで気に入り、本格的にジャパンツアーに起用したということです。本作でもブルースでの手堅いプレイ以外に、White Room、Stone Free、Laylaといったロックナンバーで彼の真骨頂を知ることができます。ここでしか聴けない彼のプレイに酔いしれながら、偉大なるドラマーを追悼いただきたいと思います。ブルースあり、アコースティックあり、代表曲あり。言わばクラプトンの魅力がすべて詰まったステージ。初登場となる極上音質の本作で、是非バラエティに富んだステージをお楽しみください。Live at Osaka Castle Hall, Osaka Japan 18th October 1993 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc:1 (54:12) 1. Intro 2. Malted Milk 3. Terraplane Blues 4. How Long Blues 5. 32-20 6. Kidman Blues 7. County Jail Blues 8. .44 9. Blues Leave Me Alone 10. Tell Me Mama 11. White Room 12. Badge 13. Wonderful Tonight Disc:2 (52:37) 1. Stone Free 2. Circus Left Town 3. Tears In Heaven 4. Crossroads 5. Tearing Us Apart 6. Groaning The Blues 7. Cocaine 8. Ain't Nobody's Business 9. Layla Eric Clapton - Guitar, Vocals Andy Fairweather Low - Guitar Nathan East - Bass, Vocals Chris Stainton - Piano, Keyboards Richie Hayward - Drums Jerry Portnoy - Harmonica Roddy Lorimer - Trumpet, Horns Tim Sanders - Tenor Saxophone, Horns Simon Clarke - Baritone Saxophone, Horns Katie Kissoon - Backing Vocals Maggie Ryder - Backing Vocals