長兄フィル・シャルマンを失いつつ、コンセプト名作『IN A GLASS HOUSE』『THE POWER AND THE GLORY』で全米侵攻を果たしたGENTLE GIANT。その伝説公演を伝えるバリー・ゴールドスタイン録音が新発掘。緊急リリース決定です。そんな本作に吹き込まれているのは「1974年10月12日ウェスト・ハリウッド公演」。名会場“Whisky A Go Go”で記録された超極上オーディエンス録音です。70年代半ばになってようやくアメリカで成功できたわけですが、その契機となったのが「1974年のウィスキー」公演。ファンにとってまさに伝説のコンサートであり、本作はその現場を歴史的名手が捉えた衝撃のライヴアルバムなのです。しかし、この「1974年のウィスキー」は1回のライヴではなく、周辺の事情もちょっとややこしい。その辺をご説明していくためにも、まずは当時の活動概要から俯瞰してみましょう。1974年・3月8日ー4月10日:欧州#1(21公演)・5月5日:5 Mei Festival出演・6月15日:シェフィールド公演・9月6日+8日:英国(2公演)《9月20日『THE POWER AND THE GLORY』発売》・10月8日ー11月17日:北米#1(33公演)←★ココ★・11月21日ー28日:欧州#2(7公演)1975年・1月14日ー3月1日:北米#2(27公演)・4月25日/5月13日+17日/6月21日:欧州#2(4公演)《8月『FREE HAND』発売》 ・8月16日ー9月1日:北米#3(7公演)・9月16日ー24日:欧州#3(4公演)・10月1日ー11月2日:北米#3(20公演)・11月10日ー12月22日:欧州#4(10公演)「北米#1」冒頭の6日間・10月8日:デンバー公演・10月9日:Whisky A Go Go公演・10月10日:Whisky A Go Go公演*10月10日(?):アクエリアス劇場 ←※公式映像*10月11日:Whisky A Go Go公演・10月12日:Whisky A Go Go公演(昼夜2公演)←★ココ★・10月13日:Whisky A Go Go公演(昼夜2公演)これが1974年/1975年のGENTLE GIANT。この中で「1974年のウィスキー」が実現したのはアルバム『THE POWER AND THE GLORY』の発売直後。「北米#1」の冒頭でした。ツアー初日はデンバーだったものの、2公演目から“Whisky A Go Go”ラッシュ。5夜連続で7公演も行われました(異説もあり)。メンバーはクラブ公演に乗り気ではなかったそうですが、マネジメントがゴリ押しで実施。その結果、ショウは全公演が大成功でチケットを値上げしても完売する盛況ぶり。まさに全米侵攻の狼煙となる一週間だったのです。そんな中で本作が記録されたのは「10月12日」。ただし、この日は1日に2公演あったとも言われ、本作がどちらで録音されたのかはまだ判明していないようです。さらにポイントなのが、本作の前日に行われた「アクエリアス劇場」公演。ここではTV収録が行われ、そのプロショット映像が定番化。後に公式『GIANT ON THE BOX』に”US TV Concert”として収録されるのです。この映像は「1975年ロングビーチ」として知られているものの、それはミス・クレジットでした。しかし、上記の「10月10日」も仮説だったりするからややこしい。会場はアクエリアス劇場で間違いなさそうですが、「実は10月14日ー16日ではないか」との説も根強く、未だに全面解決には至っていないのです。ナゾだらけの前置きでやたらと長くなってしまいましたが、本作に吹き込まれているのが歴史に名高い伝説コンサートなのは間違いない。そして、それを伝えるサウンドは「超」付きの極上。いわゆる「まるでサウンドボード」を時で行くタイプでして、猛烈に極太な距離感ゼロで耳に飛びこみ、ディテールの細やかさもセパレート感も曲録の常識外なのです。生々しい喝采やヴォーカルの伸びにオーディエンスらしさは刻まれているものの、楽器隊の鮮やかさは『GIANT ON THE BOX』のプロショット音声にも迫るのです。そんな超極太サウンドで描かれるのは、伝説公演の真実。実はセットも意外だったりするので、ここで整理しておきましょう。ガラスの家・The Runaway/Experience/In A Glass House(★)その他・ジェントル・ジャイアント:Funny Ways/Nothing At All(★)・その他:Excerpts From Octopus(Knots/Guitar Duet/The Advent Of Panurge)/Plain Truth(★)※注:「★」印は公式『GIANT ON THE BOX』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。上記のように『THE POWER AND THE GLORY』発売直後だったわけですが、新曲は一切ナシ。マニアの検証によると最終「10月13日」に「Cogs In Cogs」「Proclamation」が演奏されたそうですが、それまでは『IN A GLASS HOUSE』までの名曲選でした。もちろん、最高傑作にも推される『IN A GLASS HOUSE』ナンバーが悪かろうハズもなく、ガラスが砕ける音がリフになっていく「The Runaway」も、『GIANT ON THE BOX』にはなかった「In A Glass House」も超極上サウンドでたっぷりと現場体験できるのです。五大バンドを超越する難解な曲展開と演奏技巧で全世界にフォロワーを生み出したGENTLE GIANT。そんな彼らがもっとも輝いていた伝説の現場を名手サウンドでフル体験できるライヴアルバムです。「1974年10月12日Whisky A Go Go公演」の超極上オーディエンス録音。歴史的名手バリー・ゴールドスタインの大元マスターで、「まるでサウンドボード」を時で行く極太サウンド。全米侵攻のシンボルともなっている伝説のクラブ・ギグを現場体験できる文化遺産アルバムの誕生です。Whisky A Go Go, West Hollywood, CA, USA 12th October 1974 TRULY PERFECT SOUND (75:05) 1. The Runaway 2. Experience 3. Funny Ways 4. Knots 5. Guitar Duet / The Advent Of Panurge 6. Nothing At All 7. Plain Truth 8. In A Glass House Gary Green - guitar Kerry Minnear - keyboards Derek Shulman - lead vocals Ray Shulman - bass John "Pugwash" Weathers - drums