コルトレーンが生涯最も多く演奏した土地はフィラデルフィア。同地のファンの感触を胸にツアーに出るというのがコルトレーンのお決まりだった。そのフィリーのクラブ、ショーボートで闘将ロイ・ヘインズを迎えた壮絶なライヴの全8曲収録の最長版が3つのソースからの最新リマスター決定版で登場!さらにコルトレーンの息子ラヴィ所有のマスターテープ音源2曲も初登場!!フィラデルフィアのクラブ、ショーボートでポータブル・テープ・レコーダーにてアラン・スコーニグによって録音された本公演。1963年6月24日フィラデルフィア、ショーボート・クラブでのライヴ。このテープは、現在ニュージャージー州のラトガース大学のジャズ研究協会に収められている。元々音質が良く、さらに同ラインナップ屈指の名演奏といわれ、ファンならびに関係者からも正式にリリースされるべく名音源といわれている。当初、このライヴ音源は6月10、17、24日のどれか、といわれていたが、大元の録音者アランによれば6月24日と記載されている。ただし、この日付は、ジョン・コルトレーン参考資料ではモントリオールのテッド・ダール・ショーの日付として記載されている。したがって本作には録音者の記載を重視して6月24日としている。この日の音源は、2000年、2008年、2010年と、それぞれリマスターされた音源が出回っており、本作はその3つのソースの良いところを集約して、さらに高度な機器によって最新のリマスタリングが行われました。これによりコルトレーンのサックスはこれまでよりはるかに豊かになり、ロイ・ヘインズのシンバルもハッキリと聴こえるようになっています。また最初は5曲のみ、徐々に曲が増えていき、今回はほぼ完全版といえる8曲ヴァージョンの最長版となった、まさに決定版でのリリースと相成りました!!さらにコルトレーンの息子ラヴィ・コルトレーン所有の、この日の2曲のマスター音源、ラヴィの短いインタビューも収録されています!!初っ端からコルトレーンのカデンツァさくれつに、闘将ヘインズの10分を超えるデュオ、いやバトルからスタート!トレーンも肝心のヘインズのトレードマークとなるスネアの音も極上に捉えられているのがうれしい。しかしここまで過激な演奏はそうはない。同メンバーでの「セルフネス〜」ニューポートのライヴに輪をかけてすごい、すごすぎる!トレーンお構いなしに吹きまくる3曲目の「アップ・ゲインスト・ザ・ウォール」まっテナー攻勢で、「ジ・インチ・ウォーム」でようやくソプラノに持ち替えやはり吹きまくる。立て続けに「インプレッションズ」に突入。普段は途中からテナーに移るが、演奏に没頭するあまりそのままソプラノで通すハプニングもライヴの醍醐味だ。ここではマッコイも存分に弾き倒す。次曲「アイム・ア・ウィーバー・オブ・ドリームス」では途中からトレーンの独壇場!ソロでカンデンツァの嵐となる。その勢いのまま次の「MR.PC」でもこれでもかと縦横無尽に駆け抜けるシーツ・オブ・サウンドのトレーン。疲れる事を知らぬヘインズも徹頭徹尾トレーンを煽り叩きまくる圧倒的なプレイに終始する!ラストは何事もなかったかのように、トレーン自らピアノを弾く「アフター・ザ・レイン」で静かに夜は更けていくのである!!最後に2分くらいですが、この日のライヴについてのラヴィのインタビューもしゅうろくされています。