これまで分散でリリースされていたロースト・クインテットの同日2度行われたショーをどちらも完全収録し、さらに最新の細かく丁寧なマスタリングによりクリアーになり音質も向上した、「ビッチェズ・ブリュー」レコーディング終了直後にして収録曲の多数を披露した、チックがドラムスを叩いた伝説のライヴのアップデート決定版がついに入荷しました!!マイルスのエレクトリック化への過程は、スタジオ作品では1968年1、5月録音の「マイルス・イン・ザ・スカイ」に始まり、同年6月と、いよいよチック・コリアとデイヴ・ホランドが加入しての9月録音の「キリマンジャロの娘」、そして1969年2月には「イン・ア・サイレント・ウェイ」8月には「ビッチェズ・ブリュー」と、エレクトリック・マイルスの核となるスタイルを猛スピードで構築していく。結果「ビッチェズ・ブリュー」であらゆる探究の成果が実を結ぶ。ライヴでは1968年12月のボストン、ジャズ・ワークショップでのマイルス、ショーターにチック、ホランドが加わり、当初はジャック・ディジョネットではなくトニー・ウィリアムスがドラムスという布陣でスタートし、1969年3月からはトニーが辞しディジョネットが正式加入して、通称「ロースト・クインテット」としてのライヴ活動を始める。現在では、やはりエレクトリック・マイルスの決定的な転機となったのは歴史的名盤「ビッチェズ・ブリュー」となる。レコーディングは1969年8月19〜21日の僅か3日間で録り終え、テオ・マセロの巧みな編集で仕上げられた。そのレコーディングの翌日にはシカゴのグランド・パーク・シアターでコンサートを、9月にはロサンゼルスのシェリーズ・マン・ホール公演を、さらにニューヨークのブルーコロネットでの3連続公演と、リハーサルを兼ねたコンサートを行い、その後に本格的なコンサートとなるヨーロッパ・ツアーを敢行する。その初日1969年10月26日、同日に単独で2度行われた、まさに「ビッチェズ・ブリュー」完成記念、初お披露目コンサートとなった、実は本公演、マイルスのアーカイヴ史上最重要音源の筆頭に位置するのだ!この日の音源は、ファースト、セカンド・ショーと別々で30年程前に名門レーベルによって初めて世に出たわけですが、なんせこのレーベルにしては音が…特にこの時期のディジョネットのドラムス、普通でもうるさいのに録音によるものなのだが輪をかけてうるさく、全体的に音も篭ってい今一つの録音状態だった。特にファースト・ショー。本作はオリジナル・マスターを精査して各楽器のそれぞれの音、バランスを独自の最新の丁寧なマスタリングにより驚くほどアップデートしている!しかもワンセットでファースト、セカンド・ショーを2枚にコンプリート収録。このエレクトリック・マイルス最重要音源をこのレベルで聴けるのに、時代の進化に感謝、感激、神あられ!!コンサートは、両公演ともにレコーディングを終えたばかりの「ビッチェズ・ブリュー」のタイトル曲からスタートする。意外や、これは珍しい!さらにファースト・ショーでは同アルバムから「マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥー・ダウン」「サンクチュアリーを、セカンド・ショーではチックがショーターのバックでドラムスを叩くという激レアな展開をする「スパニッシュ・キー」と、まさに「ビッチェズ・ブリュー」のリアル・ライヴ版といったファン垂涎のライヴなのだ!!さらにファーストでは「ディレクションズ」セカンドではな、なんと「ネフェルティティ」に「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」までも演奏!!演奏はマイルスのファースト、セカンド両公演に渡り全編鋭すぎるペットはじめ、メンバー全員が調子が良く、各人のソロはもちろん全員が一丸となって、これぞロースト・クインテットといった威風堂々突き進む様は圧巻の一言に尽きる!特に元々はモンゴ・サンタマリアにデイヴ・パイクのグループ出身のパーカショニストがルーツな、チックのヘヴィーでパーカッシヴなエレピが荒れ狂っているのが圧倒的だ!!以前に「ビッチェズ・ブリュー」ライヴというタイトルと内容が一致しない71年のライヴを収めたCDが出ていたが、これぞまさに正真正銘の「ビッチェズ・ブリュー」リアル・ライヴなのだ!!因みに「ビッチェズ・ブリュー」がリリースされたのは1970年4月。全世界で賛否両論を巻き起こしながらも発売直後からジャズ・チャートのトップに立ち、最終的には50万枚の売り上げを達成している!しかも本作はジャズ・ファンのみならず、ロック、ブラック・ミュージック、ヒップホップ、なんとクラシックまで!幅広いジャンルのファンに未だに売れ続けている!!これは「カインド・オブ・ブルー」に次ぐマイルスのベストセラーなのである!!