大洋を渡り、佳境に入ってきた最新ツアー“LUCK AND STRANGE Tour”。その最新レポートとなるライヴアルバムが2種同時リリース決定です。ライヴアルバム2種が同時リリースとなりますが、本作は前者の1本目。「2024年10月25日ロサンゼルス公演(インテュイット・ドーム)」の極上級オーディエンス録音です。超傑作が連発している“LUCK AND STRANGE Tour”ですが、本作はショウも唯一無二で、サウンドも特別。その意味をご説明するためにも、まずはツアー概要を俯瞰し、本作のポジションを探っていきましょう。《9月6日『LUCK AND STRANGE』発売》・9月20日+21日:ブライトン(ドレスリハ)・9月27日ー10月3日:ローマ(6公演)・10月9日ー15日『ROYAL ALBERT HALL 2024シリーズ(6作)』・10月25日ー31日:ロサンゼルス(4公演)←★ココ★・11月4日ー10日:ニューヨーク(5公演)これが“LUCK AND STRANGE Tour”の全体像。ドレスリハのブライトンは例外として、ツアー本編は4都市を巡るだけのシンプルな構成です。その中で、今回同時リリースとなるライヴアルバム2連作はどちらも「ロサンゼルス」での一幕でした。ここで、さらに日程をフォーカスしてみましょう。「ロサンゼルス」の詳細*10月25日:インテュイット・ドーム ←★本作★*10月29日『HOLLYWOOD BOWL 2024 1ST NIGHT』・10月30日:ハリウッド・ボウル・10月31日:ハリウッド・ボウル 以上の全4公演。他都市では1つの会場で連続公演を行いましたが、ロサンゼルスは2会場で、初日だけが“インテュイット・ドーム”。残り3公演が“ハリウッド・ボウル”でした。つまり、本作は“LUCK AND STRANGE Tour”でたった1回しかない単会場ナイトだったわけです。そんな唯一無二の現場を伝える本作は、サウンドも特別。実は2種のオーディエンス録音を活用したマトリクス・アルバムなのです。2種の元ソースも個別に公開されているのですが、個性がまるで違う。「ソース1」は輪郭もクッキリと際立ったクリア録音ながら芯がやや弱いタイプ。一方の「ソース2」は鳴りを厚めに吸い込みつつ、オンな力強さとダイナミズムが強力です。もちろん、本作はその双方の良いとこ取り。密度たっぷりでダイナミックな厚みを感じさせつつ、その中にキリッとした輪郭が浮き立つ。先週のロンドン6連作の中で言うならバランス系だった『ROYAL ALBERT HALL 2024 5TH NIGHT(Amity 779)』に近い感じでしょうか。マトリクスには個々のソースの長所と相性を見抜く必要なわけですが、本作を制作したマニアはそのセンスが抜群に良いのです。そんなマトリクス・サウンドで描かれるのは、『LUCK AND STRANGE』全曲を含むフルセット。本稿の執筆段階ではニューヨーク公演の情報は入ってきておりませんが、恐らくは“LUCK AND STRANGE Tour”でも最大曲数となる見込みです。ここで、その内容を整理しておきましょう。第一部(12曲+α)・邂逅:Black Cat/Luck And Strange/A Single Spark(★)/Vita Brevis/Between Two Points・対:Marooned/High Hopes・狂気:Breathe (In The Air)/Time/Breathe (Reprise)・その他:5 A.M./Fat Old Sun/Wish You Were Here 第二部(11曲)・邂逅:The Piper's Call/Dark And Velvet Nights/Sings(★)/Scattered・飛翔:In Any Tongue/A Boat Lies Waiting・対:A Great Day For Freedom/Coming Back To Life・その他:Sorrow/The Great Gig In The Sky/Comfortably Numb ※注:「★」印はツアー途中から追加された曲。……と、このようになっています。ざっくばらんに言って『ROYAL ALBERT HALL 2024 5TH NIGHT』『同 6TH NIGHT』と同一セット。ここまではツアーが進むほどに曲数が増えてきたのですが、この日を最後に減少傾向へ転換。上記の最大23曲セットだったのは(今のところ)3公演だけです。リッチなマトリクス・サウンドで最長セットを楽しめる豪華なライヴアルバムです。本作自体が優れた音楽作品でもありますが、『ROYAL ALBERT HALL 2024 5TH NIGHT』『同 6TH NIGHT』と併せれば、最長セット3DAYSをコンプリートもできる。会場も、セットも、そしてクオリティまで特別感に溢れた不可欠の1本。「2024年10月25日ロサンゼルス公演(インテュイット・ドーム)」の極上級オーディエンス録音。2種のオーディエンス録音を活用したマトリクス・アルバムで、密度たっぷりでダイナミックな厚みを感じさせつつ、その中にキリッとした輪郭が浮き立つ。『LUCK AND STRANGE』全曲を含む“LUCK AND STRANGE Tour”の最大セットをリッチなマトリクス・サウンドでフル体験できます。Intuit Dome, Los Angeles, California, USA 25th October 2024 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(78:14) 1. 5 A.M. 2. Black Cat 3. Luck And Strange 4. Speak To Me/Breathe 5. Time 6. Fat Old Sun 7. Marooned 8. A Single Spark 9. Wish You Were Here 10. Band Introduction 11. Vita Brevis 12. Between Two Points 13. High Hopes 14. Sorrow Disc 2(76:38) 1. The Piper's Call 2. A Great Day For Freedom 3. In Any Tongue 4. The Great Gig In The Sky 5. A Boat Lies Waiting 6. Coming Back To Life 7. Dark And Velvet Skies 8. Sings 9. Scattered 10. Comfortably Numb