幻のメンバー、トニー・パーソンズ&ダグ・サンプソン時代の最高傑作がブラッシュアップ。45周年を記念する決定版CDがリリース決定です。そんな本作に永久保存されているのは「1979年9月30日ロンドン公演」。名クラブ“ミュージック・マシン”で記録された伝説オーディエンス録音です。私たちがよく知るクライヴ・バー&デニス・ストラットンが加入したのは『鋼鉄の処女』制作段階で、それ以前は様々なメンバーが入り乱れていました。本作は、そんな「クライヴ/デニス以前の最高傑作」と呼ばれている初期の超名録音。6年前の初登場盤『ZODIAC 329』はあっと言う間に完売・廃盤となりましたが、今回は更に完成度を高めた45周年記念のアップグレード盤なのです。そんな本作を語るには、IRON MAIDEN極初期の歴史が欠かせない。まずは、結成から『鋼鉄の処女』までの歩みをざっくりと俯瞰してみましょう。1975年12月25日:IRON MAIDEN結成 1976年5月1日ー12月21日(40公演)1977年1月1日ー11月5日(40公演)1978年・2月17日:ブリッジ・ハウス公演《3月:デイヴ・マーレイ復帰》・4月6日ー7月14日(4公演)《11月:ポール・ディアノ加入》・12月31日:ラスキン・アームズ公演 1979年・2月15日ー12月22日(89公演)←★ココ★《12月『鋼鉄の処女』制作開始》デビュー前の幻メンバー時代を伝えるベスト録音 これが1975年ー1979年のIRON MAIDEN。細かいメンバー・チェンジはとても記しきれないので思いっきり端折り、重要人物デイヴ・マーレイ/ポール・ディアノの合流ポイントだけに絞りました。総帥スティーヴ・ハリスも交えた「核の3人」が揃ったのは1979年11月。大晦日にライヴ1回と『THE SOUNDHOUSE TAPES』を制作し、1979年から活動を本格化させていきます。この辺りからしっかりとした公式/非公式な音源も残されるようになりました(これ以前は断片的なものばかりです)。良い機会ですので、ここで整理しておきましょう。★★1978年/1979年の音源一蘭★★1978年・12月31日『THE SOUNDHOUSE TAPES』1979年《ポール・ケアンズ→トニー・パーソンズ交代》*9月10日:ミュージック・マシン*9月30日:ミュージック・マシン ←★ココ★*10月5日:ラスキン・アームズ)・11月14日:“FRIDAY ROCK SHOW”出演・11月『METAL FOR MUTHAS』《パーソンズ脱退》・11月「Burning Ambition」《サンプソン脱退→デニス&クライヴ加入》……と、このようになっています。大きく「公式サウンドボード」と「オーディエンス録音」に分けられ、前者(THE SOUNDHOUSE TAPES/METAL FOR MUTHAS/FRIDAY ROCK SHOW/Burning Ambition)はすべて『ULTIMATE RARE TRACKS: PAUL DI'ANNO YEARS』で聴けます。ただし、こうした公式テイクはあくまで曲単位。ライヴを通しで聴くにはオーディエンス録音しかなく、現時点で3種(上記の「*」印)だけが知られています。そして、その3種の中で最もクオリティが高いのが「9月30日」録音。つまり、本作なのです(ちなみに、残りの9月10日/10月5日は、ギフト盤『THE EARLIEST DAYS 1979』でお楽しみ頂けます。しかも、この録音はレアでもある。3種の中で一番最後に発掘されたこともあって知名度が低く、同じ“ミュージック・マシン”の「9月10日」と日付も似ていて混同されがち。もちろん中身もサウンドもまるで違い、きっちり入念に整理しているコレクターだけが「1979年のベスト録音」を味わってきたのです。違和感が一気に解消された45周年の決定盤前振りが長くなってしまいましたが、ココからが本題。本作は、そんな貴重ライヴアルバムの最高峰更新盤なのです。前回盤『ZODIAC 329』の元マスターに立ち返って磨き直し、さらなる完成度を実現したのです。あらゆるトリートメントを施していますが、大きなポイントは2つ。1つは「サウンドの美しさ」。パッと聴いた感じ大化けとなってはいませんが、細かい劣化やノイズの精度が向上している。分かりやすい所で言えば、冒頭の「Wrathchild」。前回盤では1分半くらいのところでテープ劣化の凹みがあったのですが、本作は綺麗に美しく、劣化など最初からなかったようにシームレスな聴き心地を実現しているのです。さらに重大なのが「補完パート」。実のところ、この録音には「Running Free」と「Iron Maiden」の中盤にテープ・チェンジの欠けと思しき録音漏れがあります。同日の別録音もないため、前回盤『ZODIAC 329』では別日「9月10日」で補完されていました。「9月10日」が選ばれたのは同じ“ミュージック・マシン”だったからですが、実はサウンドがだいぶ違った。前回盤を聴かれた方も、この2ヶ所でいきなり薄っぺらい音に切り替わってズッこけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。本作は、あの違和感を解消したからこそ決定盤。もう1つの別後援「10月5日」音源で補完し直したのです。実のところ、「10月5日」音源はメイン音源ほどのクオリティではないのですが、このパートに限っては感触がかなり近い。もちろん、マスタリングでも可能な限り近づけて繋ぎ直しており、結果として音源の切り替わりもほとんど感じられないほど自然なライヴアルバムに生まれ変わっているのです!NWOBHMらしい地下室の匂いを強烈に放っていたデビュー直前のIRON MAIDEN。本作は、『鋼鉄の処女』とはまた違ったトニー・パーソンズ&ダグ・サンプソン時代のライヴを体験できるベスト録音の最高峰更新盤です。「1979年9月30日ミュージック・マシン公演」の伝説オーディエンス録音。幻のメンバー:トニー・パーソンズ&ダグ・サンプソン時代のベスト録音を磨き直した最高峰更新盤。サウンドも向上していますが、特に大きいのは2ヶ所の録音漏れポイント。初登場だった前回盤『ZODIAC 329』とは異なる「1979年10月5日」録音でパッチされており、違和感がほとんどないシームレスなライヴアルバムが実現している。45周年に相応しい、デビュー前IRON MAIDENの決定盤が誕生です!Music Machine, London, England 30th September 1979 UPGRADE (45:08) 1. Introduction 2. Wrathchild 3. Sanctuary 4. Prowler 5. Remember Tomorrow 6. Running Free ★1:46-2:04補填 7. Transylvania 8. Invasion 9. Charlotte The Harlot 10. Phantom Of The Opera 11. Iron Maiden ★2:56-3:18補填 Paul Di'Anno - Vocals Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Tony Parsons - Guitar★ Doug Sampson - Drums★