新機軸の大名盤『ACHTUNG BABY』『ZOOROPA』を畳みかけつつ、丸2年を欠けて全世界を席巻した“ZOO TV Tour”。その栄光の現場を極上体験できるオリジナル・マスターが新発掘です。そんな本作に永久保存されているのは「1993年6月15日ベルリン公演」。その超極上オーディエンス録音です。“ZOO TV Tour”と言えば、象徴となる公式作『ZOO TV: LIVE FROM SYDNEY』だけでなく、サウンドボード超名盤『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT: 2025 REMASTER & REMIX』も記憶に新しいところ。まずは当時の活動概要をスケジュールで振り返り、それぞれの位置関係を確かめてみましょう。1992年・2月29日ー4月23日:北米#1(32公演)←※ミラード録音・5月7日ー6月19日:欧州#1(25公演)・8月7日ー11月25日:北米#2(47公演)1993年・5月9日ー7月3日:欧州#2a(20公演)←★ココ★《7月5日『ZOOROPA』発売》・7月6日ー8月28日:欧州#2b(23公演)←★※DEFINITIVE DUBLIN 1993・11月12日ー12月4日:オセアニア(8公演)←※公式映像・12月9日+10日:日本(2公演)これがスタジアム・コンサートの概念をひっくり返した“ZOO TV Tour”の全体像。先日大好評を賜った『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT』も本作も同じ「欧州#2」ながら時期は約2ヶ月ほど前。『ZOOROPA』を完成させつつ、まだリリース前だった14公演目のコンサートでした。そんな現場を真空パックした本作は、衝撃的なまでの超・極上録音。海外のU2研究家から提供されたマスターなのですが、ぶっちゃけた話が「まるでサウンドボード」。正真正銘のサウンドボード超名盤『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT』をご紹介して間もないので極めて断言しづらい一方、そうとしか表現できない。オフィシャル作品級の『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT』と比べるとさすがに鳴りにオーディエンスらしさも感じるものの、芯の極太感、ゼロ距離な密着感、ディテールの細やかさ、セパレート感の鮮やかさ……項目を1つひとつチェックすると、どれもサウンドボードに半歩も譲らないのです。上空に大きく開いた“ベルリン・オリンピアシュタディオン”だけに反響も少ないのかも知れませんが、それだけでは説明が付かない。どうやったら、こんな異次元サウンドが可能なのか……。恐らく、その最大の要因は録音ポジション。なんと最前列録音なのです。しかもただの最前列ではなく、山積みのPAシステムの真ん前。先ほど「ゼロ距離な密着感」と書きましたが、本当に物理的な距離のないド密着録音だったのです。そんな異次元の超絶ダイレクト・サウンドで描かれるのは、公式『ZOO TV: LIVE FROM SYDNEY』やサウンドボード名盤『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT』とも似て非なるフルショウ。ここで比較しながらセットを整理しておきましょう。アクトン・ベイビー(9曲)・Zoo Station/The Fly/Even Better Than The Real Thing/Mysterious Ways/One/Until The End Of The World/Tryin' To Throw Your Arms Around The World(★)/Ultraviolet (Light My Way)(★)/Love Is Blindness その他(13曲)・ヨシュア・トゥリー:Bullet The Blue Sky/Running To Stand Still/Where The Streets Have No Name/With Or Without You・魂の叫び:Angel Of Harlem/When Love Comes To Town(★)/Desire(★)・その他:New Year's Day/Dirty Old Town(★★)/Satellite Of Love/Bad(★)/Pride (In The Name Of Love)/Can't Help Falling In Love ※注:「★」印は『ZOO TV: LIVE FROM SYDNEY』で聴けなかった曲。特に「★★」印はサウンドボード名盤『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT』にもない曲。……と、このようになっています。“ZOO TV Tour”らしいショウの基礎は堅持されていますが、細かなディテールは自在に変更されている。昨年の“U2:UV Achtung Baby Live”でも話題になった「Tryin' To Throw Your Arms Around The World」「When Love Comes To Town」も貴重ですが、極めつけは「Dirty Old Town」でしょうか。イワン・マッコールのフォーク・ナンバーで、アイルランドのTHE DUBLINERSによるカバーでも知られる曲。U2にとっても“ZOO TV Tour”のみの限定曲ですし、それも限られた公演だけ。その貴重曲をサウンドボード級の超極上サウンドで体験できるわけです。公式サウンドボードを完全化したような『DEFINITIVE DUBLIN 1993 2ND NIGHT』は、真に超絶でした。本稿に目を留められた方なら肌感覚で共感していただけるのではないでしょうか。その直後にもかかわらず、それでも本作をご紹介せずにはいられない……いや、衝撃度では本作の方が上なくらいです。オーディエンスだけの体験感とサウンドボード裸足のクオリティを併せ持ったド肝を抜く新名盤。「1993年6月15日ベルリン公演」の超極上オーディエンス録音。海外のU2研究家から提供されたマスターで、PA真ん前の際是列で録音されたサウンドは「まるでサウンドボード」。芯の極太感、ゼロ距離な密着感、ディテールの細やかさ、セパレート感の鮮やかさ……項目を1つひとつチェックすると、どれもSBDに半歩も譲りません。「Tryin' To Throw Your Arms Around The World」「When Love Comes To Town」「Dirty Old Town」など、貴重曲で装飾された“ZOO TV Tour”のフルショウを超絶体験できます。Olympiastadion, Berlin, Germany 15th June 1993 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc:1 (59:00) 1. Intro 2. Intro Zoo Station 3. Zoo Station 4. The Fly 5. Even Better Than The Real Thing 6. Mysterious Ways/ Love To Love You Baby 7. One 8. Unchained Melody 9. Until The End Of The World 10. New Year's Day 11. Dirty Old Town - Larry on vocals - 12. Tryin' To Throw Your Arms Around The World/ I Got You Babe 13. Hello Goodbye - snippet - /Angel Of Harlem 14. When Love Comes To Town Disc:2 (67:03) 1. Satellite Of Love 2. Bad/ Fool To Cry 3. All I Want Is You 4. Bullet The Blue Sky 5. Running To Stand Still 6. Where The Streets Have No Name 7. Pride (In The Name Of Love) 8. confession box 9. Desire/ You Make Me Feel So Young 10. MacPhisto speech/ phone call 11. Ultraviolet (Light My Way) 12. With Or Without You 13. Love Is Blindness 14. Can't Help Falling In Love 15. Outro