「独りマルチカメラ」「ジェットコースター・アングル」「ガチョーン・ショット」……もうわけが分からない言葉でしか表現のしようのなかった超絶映像の衝撃が再び! 今度は日本公演です!!!いきなりチンプンカンプンな言葉を羅列して失礼しました。これらはプレスDVD『ALBANY 1990』をご紹介する際にひねり出した言葉の数々なのです。もし、あの超快作をご覧になった方なら、これ以上の説明は不要。「以上!」で終わりにしたいところですが、初めての方も多くいらっしゃる。順を追ってご説明させていただきます。まず、本作は何物か? その正体はMOTLEY CRUE黄金期中の黄金期に実現した“DR. FEELGOOD JAPAN TOUR 1990”のうち、初日「1990年5月8日:大阪城ホール」公演を収めたオーディエンス・ショット。当時からこの公演の映像は知られていましたが、本作はまったくの別物。最近になって突如として発掘された激烈映像なのです。
【猛スピードのガチョーン・ショット】
その“激烈”ぶりとは、撮影者のカメラワーク。一言で言えば「ノリッノリに猛烈なズームを繰り返しまくる」。これだけだとグチャグチャにブレまくった映像をイメージされるかも知れませんが、もちろん違います。バンドの音楽を完全に熟知し、思いっきり遊ぶように見どころを押さえまくるのです。全編凄いのですが、冒頭の「Kickstart My Heart」からして凄い。サビで「Oh! Yeah! Kickstart my heart, hope it never stops!!」と歌うわけですが、「Oh!」で思いっきりヴィンス・ニールにズームし、「Yeah!」で思いっきり引き、「Kickstart my heart, hope it never stops!!」でまた寄る。その寄り方がまた思いっきりアグレッシヴでして、当時のビデオカメラが可能なズーム機能のフルスピード。ズバッ!と寄って、ズバッ!と引く。つまり、谷啓のガチョーン。冒頭で「ガチョーン・ショット」と書いたのは、このことなのです。もちろん、これはただの一例。曲により、パートにより、4人の見どころを同じように押さえまくるのです。そのポイント切り替えにしても、やはりズームを活用している。具体的に言いますと、例えばヴィンスからニッキー・シックスに移る際には、ズームのまま左右に振るのではなく、一度ステージ全景まで引き、ニッキーに狙いを定めてズバッ!と寄る。こうすることにより、ズームのまま激しく画面が乱れることもなく、常にステージ全体の様子も頭に入ってくる。言葉で言うとカンタンですが、これを実現するのは猛烈なテクニックと経験が必要なのです。「見どころ」に集中すると同時にステージ全景を察知し、「次の見どころ」を熟知していなければできない。更に凄いのが、先ほども述べたズームのスピード。いかに全景まで引いても、次にどのメンバーを狙うか瞬時に判断し、瞬時に寄る。それも一瞬の迷いもなく、画面のド真ん中に狙いのメンバーを収めつつ、です。そのスピード、その正確さ………これはもう「ゴルゴ13・ショット」です!
【黄金期MOTLEY CRUEだからこそのジェットコースター感覚】
あまりの激烈ショットに基本を話し忘れておりました。本作の撮影ポジションは、ステージ左側(ミック・マーズ側)の2階席で(恐らく)最前列。そのため、1階席の頭上ごしにステージ直視しており、前列の腕や頭の影も一切入らず、視界全部がMOTLEY CRUEに占領される極上視野です。また、画質も特級。時代柄ビデオ撮影になるわけですが、1stジェネ・マスターから起こされており、劣化がまるでない。エッジも発色もビビッドで、ズームに寄ると衣装のボタンまでハッキリ見えるほどです。ただ、本作にも欠点はあり、音声がややオーバーロード気味。さらに「Shout At The Devil」で約2分半、「Smoking’ In The Boys Room」で約30秒の暗転がある。隠し撮りが見つかりそうにでもなったのか、音声はそのままながらフレームアウトしてしまうのです。そこで、本作ではそのシーンにもスライドショウを挿入し、暗闇で待つストレスを解消しました。……よし、必要なことは書いたぞ。それでは、肝心要の猛烈ショットの話に戻りましょう。全編にわたってアグレッシヴにズームイン/アウトを繰り返すわけですが、その対象が黄金期のMOTLEY CRUEというところがまた凄い。何しろ、当代きっての超ド派手なロックショウ。セットリストも豪華絢爛なら、ヴィンスもニッキーも激しく動き回り、グラマラスなガールズコーラスが踊り、トミー・リーも猛烈に叩きまくる。特に強烈なのが、「Dr. Feelgood」。白衣ヴィンスやナースなお姉さま方が登場する冒頭から見どころですが、ニッキーがベースをぶっ壊すクライマックスは必見。曲が終わってパワーコードが鳴り響くなか、引いていたベース(黒)を肩から外し、グルグルを振り回す。そのままぶっ壊すかと思いきや、そのベースを放り投げて倒れ込み、近くに置いてあったもう1本のベース(白)に手をかけ、ガンガンと叩きつけて破壊するのです。ジミ・ヘンドリックスかリッチー・ブラックモアかというクラッシュ・シーンの一部始終をガチョーン・ショットのド迫力で目撃できるわけですが、このシーンを何度も見返してみるとまた面白い。破壊された白ベースはアンコールの最初から置かれており、実は弾いてない。もちろん、白ベースの存在に気がついた撮影者の視点は、曲中も白ベースとニッキーを行ったり来たり。「そろそろか!?」「もう来るか!?」の期待感がそっくりカメラワークに乗り移っているのです。このように、静止視点で眺めていても激しいのに、それを目まぐるしいアクティヴ・ショットで追いまくり、次から次へと煌びやかでド派手な光景が移りゆく。ワンカメにもかかわらず、くるくる変わるこの光景こそ「独りマルチカメラ」。しかも、カットの切り替えとは違い、連続した動きのダイナミズムこそが「ジェットコースター・アングル」と表現した所以なのです。先ほど欠点も羅列しましたが、それさえ物ともしない凄味でパンパンになった1枚。「名作」「秀作」「傑作」といった言葉は、本作には似合わない。「超絶映像」「衝撃映像」……いえ、「最高快作」。MOTLEY CRUEだからこそ、黄金期だからこそ、そして猛烈なテクニックを誇る撮影者がノリにノリまくるからこそ生まれ出でたジェットコースター・ショット。日本公演の真実を超MOTLEY流に記録しきった2つとない最高快作。
Live at Osaka-Jo Hall, Osaka, Japan 8th May 1990 AMAZING SHOT!!!!! (85:31)
1. Intro. 2. Kickstart My Heart 3. Red Hot 4. Rattlesnake Shake 5. Too Young To Fall In Love 6. Shout At The Devil 7. Live Wire 8. Same Ol' Situation (S.O.S.) 9. Slice Of Your Pie 10. Guitar Solo 11. Looks That Kill 12. Smoking’ In The Boys Room 13. Wild Side 14. Girls, Girls, Girls 15. Without You
16. Home Sweet Home 17. Dr. Feelgood
COLOUR NTSC Approx. 86min.





























